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スペイン・アンダルシアのオリーブオイル最新情報を公開  ~生産量 世界全体45%の現地からレポート~

スペイン南部アンダルシア州政府の公的機関で、1985年の設立以来様々な貿易プロモーション活動を行っているアンダルシア製品輸出促進公社(EXTENDA)は、世界全体の生産のうち、45%までを担うといわれている同州における2021-2022年度のオリーブオイル生産状況などについて、現地からの情報を公開いたします。


今期オリーブ収穫の様子


オリーブオイル生産にとって、1年は10月にはじまり9月に終わります。

2021-2022年度、スペインのオリーブオイル販売は167万トンを超え、これまでの最高量を記録し、国内消費583,400トン、輸出1,086,600トンとなりました。

一方オリーブオイルの原料となるオリーブについては、2021-2022年度、スタート時から懸念されていた水不足が大きな問題となりました。スペインの貯水池の状況は、容量の31.39%、グアダルキビール川流域は18.84%にまで落ち込み、灌漑用オリーブ園や一部の製油所における水利用にも影響が拡大。スペイン農業食品協同組合のオリーブオイル部門が7月に実施したアンケート及び9月の最終改訂版から得た情報によると、オリーブの収穫量は841,000MTであった2014/2015年度以来の少ない収穫になると言われています。アンダルシアについてはアンダルシア州政府農業省が10月3日、収穫量587,000トンと、前年度の半分ほどになるとの予測を発表しました。


10月19日、スペインの農業省は2022-2023年度のスペイン全体のオリーブオイル生産予想量を78万トンと発表しました。これは今年度と比べて47.7%の減少となる予想です。

また、10月1日よりはじまった2022-2023年度のオリーブオイル供給量については、繰り越し在庫453,000トン、生産量約80万トン、輸入量が約175,000トンの合計142万8,000トンを予想しています。


今期オリーブ収穫の様子_2


実際、アンダルシアのオリーブオイル生産大手企業MigasaやYbarra、Oleoestepaなどからも長く続く旱魃や高温に苦しめられたという情報が上がってきています。Finca Duernasからは「40年ぶりのひどい旱魃と高温のせいで、樹木の育ちが十分ではなかったことから、収穫を例年より遅らせた。樹木がしっかり育つことはとても重要で、トラクターで木を揺らして実を落とすことは、木にとっては多少なりともストレスのかかるため、樹木の状態が少しでもよくなるタイミングを待っていた。」との話しが聞かれました。Finca Duernasではよいオリーブオイルを作るにはまず健康な樹木をつくる、ということを重要視しており、「できるだけ長い“樹生”を送らせるよう気を配っている。」ともコメントしています。


今期オリーブ収穫の様子_3


今年度はスペインのみならず、ポルトガル、イタリア、モロッコでも同様に生産減と言われていますが、そのような中、アンダルシアのオリーブオイル生産企業からは明るいニュースも入ってきています。


Castillo de Canena社からは10月12日、今年の“ファースト・ハーベスト・デイ”― 収穫初日のオリーブだけで作るオリーブオイルに関する発表がありました。雨が少なく、気温が高いという悪条件の中にあっても品質を維持することはできた、といいます。Castillo de Canena社は18世紀末から続くオリーブ栽培の伝統を持つファミリー企業でありながらオリーブの収穫から一貫して冷蔵システムを導入するなど製品の品質維持のための技術やシステムへの投資も積極的に行っている企業です。今年の“ファースト・ハーベスト・デイ”についてフランシスコ・ヴァニョ ジェネラルマネージャーは、「夏の間、適切な水分量を維持するよう努力しなければならなかった。10月も気温が高かったので、収穫は特に大変だった。」と例年と比べてもまれなほどの気候条件の悪さを語りながらも、「2021年の収穫量が少なかったことから、オリーブ生産に重要な剪定を早めに行い、冬に備えることができたこと、春も乾燥することが予想されたため早めに灌漑をスタートし夏も続けたこと、猛暑に見舞われる前に開花させることができたことなどからよい状態の実をとることができた。またオリーブの実が畑で収穫された瞬間からオリーブオイル生産工程すべてにわたる一体型の冷蔵システムと、生産工程全体のスピード、さらに生産者のたゆまない努力のおかげで高い品質レベルを維持することができた。」と話しています。


今期オリーブ収穫の様子_4


この10月に収穫されたオリーブからできたエキストラバージン・オリーブオイル“ファースト・ハーベスト・デイ”は日本を含む50カ国以上で販売されるとのことで、日本ではオリーブオイルのセレクトショップGRANCHER( https://grancher.shop-pro.jp )で購入可能となります。


ファースト・ハーベスト・デイオリーブオイル


またOleo Almanzora社からは「アルベルキーナ種はいつもより少し早く、10月2日の週から収穫をスタート。量は少ないものの、品質は昨年以上。」との報告が入っています。


今期オリーブ収穫の様子_5


さらに10月27日からは他の企業ではあまり作っていない、Almanzora特有ともいえるコロネイキ種の収穫を開始、品質は満足のいくものと話しています。全体の収穫量は昨年より30%~40%少ないものの、品質は非常によく、すでにアルベキーナの今年のオリーブオイルの販売を開始。さらに今年、はじめてコロネイキ種のみでのオリーブオイルの販売を決定、11月には販売を開始します。これまでにもアルベキーナとのクパージュ(混合)の取り組みはあったものの、コロネイキ種だけのオリーブオイルを商品として展開するのははじめてとのこと。さらに香りづけのシリーズも好調で、レモン、ニンニク、ローズマリー、トリュフ、銀杏、スモークなど幅広く展開しており、小さな家族企業ながらさらなる拡大が期待されています。残念ながら日本市場はアルベキーナ種が好まれ、現状ではコロネイキの販売は予定していないとのことですが、今後日本でもオリーブオイルについてさらなる広がりを期待しているといいます。日本で購入できるアルベキーナ種はネットからの購入( https://www.anzu-farm.com/SHOP/VO-001.html )も可能です。


オレオ・アルマンソーラ社のアルベキーナ種


<参考>

・現地各社からの情報

・アンダルシア州政府(Junta de Andalucia)

https://www.juntadeandalucia.es/presidencia/portavoz/tierraymar/175408/ConsejeriadeAgricultura/aforodelolivar/olivo/aceitedeoliva/campana/sequia

・ABC Sevilla

https://sevilla.abc.es/agronoma/noticias/analistas/analisis-final-campana-oleicola-andalucia/

・Revista Frutado Intenso

https://www.doestepa.com/wp-content/uploads/2022/10/Revista-Frutado-Intenso-50.pdf

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