「ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ」発売について

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、TNFα阻害薬「ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組み換え))」(以下、「ナノゾラ®」)が本年11月16日に薬価基準に収載され、本日発売の運びとなりましたのでお知らせいたします。

「ナノゾラ®」は二つの抗TNFαナノボディ®と抗血清アルブミンナノボディ®が融合した三量体構造を有する、抗TNFαナノボディ®製剤であり、4週間隔の皮下投与で効果を示します。「ナノゾラ®」の有効性は、メトトレキサート(MTX)による治療で効果不十分であった関節リウマチ患者さんを対象とした国内第II/III相臨床試験(OHZORA試験)やMTX非併用の関節リウマチ患者さんを対象とした国内第III相臨床試験(NATSUZORA試験)等で確認され、臨床試験全体を通じ、「ナノゾラ®」の忍容性は良好であったことから、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能又は効果として本年9月26日に製造販売承認されました。

当社は、「ナノゾラ®」を販売することにより、関節リウマチの患者さんに向けて、新たな治療選択肢を提供したいと考えています。

■「ナノゾラ®」について

「ナノゾラ®」の有効成分であるオゾラリズマブは、Ablynx社[本社:Ghent(ベルギー)](現Sanofi子会社)によって開発された、抗TNFαナノボディ®製剤で、一般的なIgG抗体と比較して約1/4の分子量を有しています。「ナノゾラ®」は、2つの結合部位でTNFαに結合することで、その作用を強力に阻害します。また、血中滞留性の良いヒト血清アルブミンと結合することで血中半減期を延長させ、4週に1回の治療を可能にしています。これらの特長から、「ナノゾラ®」には高い炎症組織への移行性と早期からの臨床効果が期待されています。
「ナノゾラ®」は、メトトレキサート(MTX)による治療で効果不十分であった関節リウマチ患者さんを対象としたOHZORA試験において、MTX併用下で「ナノゾラ®」を4週に1回皮下投与し、主要評価項目である投与16週時のACR20改善率において、プラセボに対する優越性が示されました。MTX非併用下でのNATSUZORA試験においても、臨床症状、身体機能の改善効果を示しました。臨床試験全体を通じ、「ナノゾラ®」の忍容性は良好でした。
 ※『ナノゾラ』は大正製薬株式会社の登録商標です。

■ナノボディ®について

ナノボディ®は、ラマや他のラクダ科の動物によって自然に生成される特殊なタイプの抗体に由来する分子です。ナノボディ®は、従来の抗体の約10分の1のサイズで、従来の抗体ではアクセスできない体内の疾患標的部位にアクセスできる可能性があります。その小さくてシンプルな構造ゆえに、個別のナノボディ®を連結させることにより同時に複数の標的に作用できる「多価」ナノボディ®を創出することもできます。ナノボディ®は、様々な疾患において複合的な治療方法を複数の作用を有する単一薬に置き換えられる可能性を提供します。また、大規模生産により迅速に製造することも可能です。
 ※『ナノボディ』はAblynx社の登録商標です。

■製品概要

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