冬便秘は、自律神経の乱れのサイン 自律神経の乱れには大腸からケアを 自律神経・便秘対策の第一人者 小林 弘幸先生・小林 暁子先生監修の新着コラムをHPにて公開
この度「大腸劣化」対策委員会では、「冬便秘と自律神経」に関する小林 弘幸先生・小林 暁子先生監修の新着コラムをホームページ( https://daicho-rekka.jp/ )にて公開いたしました。
日本では大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病など大腸に関する大きな病気が年々増加し、日本人の「大腸劣化」は深刻化しつつあると言われます。「大腸劣化」対策委員会では、「大腸」の機能が衰えることで、全身の健康リスクが高まっている状態を示す「大腸劣化」の認知を広げ、毎日の生活のなかで対策に取り組んでいただくための活動を行っています。
自律神経の乱れは便秘だけでなく、肌荒れや肥満、不眠、イライラといった様々な全身の不調にもつながります。今回は、冬に乱れがちな自律神経と便秘について、自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部 小林 弘幸教授と、都内で便秘外来(健美腸外来)を開設し20年以上にわたって便秘の方を診療されている小林メディカルクリニック東京 小林 暁子院長のお二人にお話を伺いました。多くの方々に参考にしていただければ幸いです。
●冬の便秘は、自律神経の乱れのサインかも。
寒さが気になり始める秋から冬にかけて、便秘になる人が増える傾向にあります。特に冬は、寒さで体が“冷える”ことに加えて、外出する機会が減って“運動不足”になりがちです。また、外に出るときや屋内に入るとき、家の廊下やトイレ、洗面所などで“急激な寒暖差”を感じる場面も増えてきます。それに加え、夏に比べて水分摂取が減り、“水分不足”にもなりがちです。これらの冬特有の“冷え”、“運動不足”、“急激な寒暖差”、そして“水分不足”は、自律神経の乱れを引き起こし、便秘につながる要因となります。自律神経の乱れは、便秘だけではなく不眠やイライラ、無気力など精神的不調に加え、頭痛、肩こり、慢性疲労などの肉体的な不調といった全身の不調にもつながります。冬の便秘は自律神経の乱れをあらわすサインの一つだと考えてください。そのため、寒さが厳しくなる前から早めの対策を行うことをおすすめします。
また、現代社会は、不規則な生活、睡眠不足、複雑な人間関係など精神的ストレスに満ちており、そこに「コロナ疲れ」も相まって、私たちの自律神経は乱れがちです。普段から自律神経を意識することは心と身体の健康を保つ上で大切な要素です。
●自律神経の乱れが全身の不調につながるわけ
自律神経とは、血管や呼吸、体温調整、内臓の働きなどを司る末梢神経の一つです。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は車でいうアクセルにあたり、体の働きを活動的な状態にします。一方の副交感神経は車でいうブレーキにあたり、体をリラックスした状態にします。
通常はこの交感神経と副交感神経が交互に高まることでバランスを保っていますが、そのバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると「自律神経が乱れた」状態になります。この状態は、血流の悪化や心拍数の上昇、老廃物の蓄積、細胞への栄養や酸素の不足を引き起こし、ひいては不眠やイライラ、便秘、頭痛、慢性疲労などの様々な全身の精神的・肉体的不調にもつながります。
●自律神経と腸は相互に影響。自律神経の乱れには腸からのアプローチが有効。
自律神経と腸は互いに影響しあう、切っても切れない関係にあります。自律神経が腸の働きをコントロールしている一方で、腸も自律神経のバランスをコントロールしています。たとえば、緊張やプレッシャーでお腹が痛くなるのは、ストレスによって自律神経のバランスが崩れた結果、腸に悪い影響が現れる典型的な例です。
また、自律神経と腸は、血管・血液にも影響を与えます。自律神経は、血管の拡張・収縮を行い、血流や血圧をコントロールします。腸は食事から取り入れた栄養成分を吸収し、「血液の質」をコントロールしています。実は、血液の質は自律神経の安定にまで影響を与えています。腸内環境の悪化によって、栄養の吸収率が低下したり、腸内に溜まった毒素が血液中に取り込まれたりすると、血液の質は下がります。その血液が全身を巡ることで、倦怠感や肌荒れなどの全身の不調につながります。さらに、その不調によってイライラしたり、神経質になることで自律神経の乱れにつながっていきます。
ぜひ覚えておいていただきたいのは、自律神経を整える方法はさまざまありますが、腸内環境を整えることは自律神経を整えるための土台づくりだということです。自律神経に直接かつ間接的に影響する腸内環境が整っていてこそ、自律神経のバランスを整えることができるのです。
●冬の自律神経の乱れには、ビフィズス菌による腸内環境改善がお得。
腸内環境の改善においては、特に「大腸」を意識しましょう。大腸の腸内環境を整えるとぜん動運動が促進され、ぜん動運動が副交感神経を刺激することで、交感神経優位になっていた自律神経の乱れが整い始めます。また大腸内の毒素が減少することで、血液の質も高めることができます。
腸内環境の改善には、発酵食品や食物繊維を摂取して腸内の善玉菌を活発にすることが有効です。特に善玉菌の代表格であるビフィズス菌は、大腸の中で短鎖脂肪酸である酢酸をつくりだします。酢酸は、悪玉菌の働きと増殖を抑え、腸内環境を改善する効果があります。
また、冬は、風邪・インフルエンザから体を守るためにも、免疫力を高めることが大切です。ヒトの免疫細胞の7割は腸管内に存在していることから、腸内環境を整えることで免疫力を高めることが期待できます。
腸内環境の改善という一つの対策によって、自律神経を整えること・免疫力を向上すること、の二つの効果が期待できるのはお得ですね。
●ビフィズス菌を手軽に摂取できるのはヨーグルト。「ビフィズス菌が入っていないヨーグルト」もあるので要注意!
ビフィズス菌を手軽に摂取する方法は「ビフィズス菌が入ったヨーグルト」を選ぶことです。注意点としては、市販されているヨーグルトの中にはビフィズス菌が入っていないものが意外と多いことです。ヨーグルトをスーパーなどで買われる際には「ビフィズス菌が入っているかどうか」をパッケージをみて、確認することをお勧めします。また、ヨーグルトをとる際はビフィズス菌のエサとなる水溶性食物繊維(キウイなどのフルーツ)を一緒にとると、より高い効果を期待できます。
●小林 弘幸先生|順天堂大学医学部教授
1960年埼玉県生まれ。92年、順天堂大学大学院医学研究科(小児外科)博士課程を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立病院外科勤務を経て順天堂大学医学部小児外科講師・准教授を歴任、現在に至る。各種研究の中で自律神経バランスの重要性に着目し、日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト。多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも研究成果が活用されている。自律神経研究の第一人者として著書多数。そのほとんどがベストセラーを記録し、著書累計出版部数1,200万部を超える。
●小林 暁子先生|小林メディカルクリニック東京院長・医学博士
順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学総合診療科を経て、2005年にクリニックを開業。内科、皮膚科のほか、便秘外来や女性専門外来を併設し、全身の不調に対応する。なかでも便秘外来ではのべ15万人以上の便秘患者の治療に携わり、高い実績を上げている。また、さまざまな業界とコラボし、美腸メニューを提供。テレビ出演、講演でも活躍中。『医者が教える最高の美肌術』(アスコム)、『免疫力を上げる健美腸ルール ウイルスに負けない体をつくる』(講談社)、『女性の自律神経の乱れは「腸」で整える』(PHP研究所)など著書多数。
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