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【ダイキン】2022年度 省エネ大賞で『Saravia』が「経済産業大臣賞」を受賞

ZEH住宅など高気密・高断熱の空間に最適な除湿機能付き省エネ換気システム

一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2022年度省エネ大賞で、ダイキン工業株式会社の「ZEHに最適な除湿機能付き外気処理換気システム『Saravia(サラビア)』(SVHJ125Z)」が製品・ビジネスモデル部門において最高賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。また「換気連動による大幅な省エネを実現したビル用マルチエアコン」が同部門の「省エネルギーセンター会長賞」を、「既存工場の陽圧化及び給排気バランス改善で実現した省エネ取り組み」が省エネ事例部門の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しています。

省エネ大賞は、優れた省エネルギー活動や製品・ビジネスモデルを推進する国内の事業者を表彰し、省エネ意識の浸透に寄与するための賞です。表彰式および受賞案件の展示は2023年2月1日(水)から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるENEX2023「第47回地球環境とエネルギーの調和展(2/1~2/3)」で行われます。

受賞製品・事例の概要

1.製品・ビジネスモデル部門 「経済産業大臣賞」受賞 「ZEHに最適な除湿機能付き外気処理換気システム『Saravia(サラビア)』(SVHJ125Z)」

高気密・高断熱が特長のZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など、比較的湿気がこもりやすい空間においてすぐれた除湿性能を発揮する省エネ換気システムです。全熱交換器とヒートポンプ熱交換器を一体化し、外気の温度・湿度を整えてから室内へ取り込むことで、除湿や換気による室温の変化を抑えます。また除湿をルームエアコンだけに頼らず、外気を室内に取り込む段階で行う方が、消費エネルギーを抑えられるという点に着目し、家全体での換気+空調の消費電力量を従来の全熱交換器を使用した場合と比較して約20%削減※1しました。

2.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞 「換気連動による大幅な省エネを実現したビル用マルチエアコン」

空調機器と換気機器を連動させ、システム全体で最適な省エネ運転をすることで、消費電力の削減と快適性の両立を実現する、新しいビル用マルチエアコンです。温度と湿度から算出される不快指数に基づき空調システムを自動制御することで、快適性と省エネ性を両立し、年間消費電力を約7%※2削減しました。また中間期においては涼しい外気を居室に導入し、空調機の運転を抑えることで年間消費電力をさらに約2%※3削減します。

3.省エネ事例部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞  「既存工場の陽圧化及び給排気バランス改善で実現した省エネ取り組み」

築32年の工場において大がかりな設備投資をすることなく、快適性と省エネ性を両立させた事例です。給排気量の最適化により工場空間を陽圧化することで、外気の過剰な流入を抑え、夏場と冬場の工場内の温度をそれぞれ6℃以上改善しました。また空調機の運用改善も行ったことで、空調エネルギーを約26%削減することに成功しています。

受賞製品・事例の詳細

1.製品・ビジネスモデル部門 「経済産業大臣賞」受賞 「ZEHに最適な除湿機能付き外気処理換気システム『Saravia(サラビア)』(SVHJ125Z)」

建築物省エネ法改正による新築住宅の高気密・高断熱化やZEH化に伴い、全熱交換器を使用する換気は今後急速に普及すると予想されます。住宅性能を向上させると、冬場は暖房にかかる消費電力が削減でき快適性も向上します。一方で、夏場は室内で発生する湿気がこもりやすく、また湿気を含んだ外気が全熱交換器を通って入ってくるため、エアコンの除湿運転にかかる消費電力が増加しやすい傾向にあります。そこで当社は全熱交換器の機能向上に着目し、外気を取り入れる際に機内に搭載したヒートポンプ熱交換器で除湿(外気処理)をすることで、換気しながら各部屋のエアコンの運転負荷を軽減させる『Saravia』を開発しました。

(1)  外気処理によってエアコンよりも高効率な除湿を実現

従来の全熱交換器は、換気時に温度交換をしますが、十分な除湿機能を有していないため、湿気が屋内に流入するという課題がありました。そこで本商品にはヒートポンプ熱交換器を追加で搭載し、外気をしっかりと除湿してから室内に取り込むことで、湿気による不快感のない、快適な空間づくりが可能になりました。除湿をルームエアコンに頼る従来の全熱交換器を使用した場合と比較し、家全体での換気+空調の消費電力量をトータルで約20%削減できます。

(2)  外気処理除湿を最適化する独自の自動モード制御

屋外から流入する空気の温度・湿度を検知し、季節に応じた最適な制御を自動で選択します。 当社がルームエアコンの開発で培った除湿制御技術を応用することで、高効率かつ快適な外気処理が実現します。

◆ 今後の取り組み

コロナ禍で在宅時間が増加し、家族が別々の部屋でエアコンを利用するなど、消費電力の増大が社会的な課題になっています。当社は製品・サービスの環境性能を向上させるとともに、人々の生活スタイルの変化やその時々の市場のニーズを汲んだ換気商品をタイムリーに開発・普及させ、家全体での省エネや快適な居住空間づくりに寄与していきます。

2.製品・ビジネスモデル部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞 「換気連動による大幅な省エネを実現したビル用マルチエアコン」

コロナ禍を機に換気の重要性が見直され、ビルに換気機器を導入する動きが拡大しています。しかし外気を導入すると空調の運転に負荷がかかり、電気代が増大するという課題がありました。課題解決のためには空調機器の省エネ性向上が必要になりますが、空調機器単体での省エネ性向上には限界があります。そこで当社はシステム全体での運転効率アップという点に着目しました。従来、空調機器と換気機器は個別に最大効率を発揮するように設計・運転されており、システム全体では必ずしも消費電力が最小とならない場合がありましたが、互いに連動させることで、機器単独では実現できない快適性と省エネ性を実現し、年間最大約10%※4の消費電力を削減できました。

(1)  室内環境の快適性と省エネ性の両立(「アクティブTe制御」)

当社独自の全自動省エネ冷媒制御「VRTsmart制御」を換気※5による空調負荷の増大にも対応できるようにし、室内機からの吹き出し温度を運転負荷にあわせて最適に制御します。これにより冷やしすぎ・暖めすぎで圧縮機が発停を繰り返すことが抑制され、安定した室温の維持と消費電力の低減が可能になります。また室内の快適性を向上するには、湿度の制御が重要になります。本商品は空調機器の室温センサと換気機器の湿度センサ※6から温度と湿度の相関による不快指数を算出し、それをもとに省エネ性と快適性を両立する最適な運転制御を行います。これらの新機能の搭載で、年間消費電力量を約7%※2削減できました。

(2)  外気冷房の積極活用

近年ビルの断熱性や気密性が向上していることから、パソコンや照明などから発生する熱が居室内にこもりやすくなっています。そのため空調機器は中間期においても、多くの場合冷房運転を実施しており、消費電力を増大させる一因になっています。本商品では、外気温度が設定温度を下回って換気※6のみで十分冷房が可能と判断した場合に、自動で空調機の運転を停止します。これにより年間消費電力量を約2%※3削減します。

◆ 今後の取り組み

カーボンニュートラルの機運の高まりを受け、多様なアプリケーションにおけるシステムの環境負荷低減が求められています。本件のようなビル向けの商品のほか、工場向けの設備など、あらゆる用途に対応できる省エネ製品を開発し、グローバル各地でカーボンニュートラルへの貢献と快適性の提供に挑戦していきます。

3.省エネ事例部門 「省エネルギーセンター会長賞」受賞  「既存工場の陽圧化及び給排気バランス改善で実現した省エネ取り組み」

大阪府堺市臨海工業地帯にある当社の臨海2号工場は築32年を経て建屋や空調機が老朽化し、多くの空調機を導入しているにも関わらず夏は暑く冬は寒い状態になっていました。2018年に建て替えを行った1号工場(2019年度 省エネ大賞受賞)と比較すると快適性・省エネ性の両面で大きな差があり、労働環境の改善と空調エネルギーの省エネ対策が急務となっていました。そこで2号工場における環境改善プロジェクトを立ち上げ、大きく3つのステップでこの課題の解決に取り組みました。

(1)  ステップ1 『調べる』

まずは、外気温度と工場内の温度差、生産排気も含めた工場の総給排気量(工場の換気回数)、工場内の総空調能力、工場の建屋運用状況(開口部の有無、シャッターの開閉状況など)、の4点を中心に、現状を正確に把握することから始めました。その結果、すべての排気ファンが24時間稼働していることや、建屋の隙間やシャッターから大量の外気が入り込んでいることなどから、給排気バランスが大きく崩れ、工場内の温度環境が悪化し、空調エネルギーのロスが非常に大きくなっていることが判明しました。

(2)  ステップ2 『しぼる』『整える』

そこで過剰になっている排気量をしぼり、空気の流れを意識した給気設備を導入することで、工場内の給排気バランスを整え陽圧化し、外気の流入を抑制しました。冷気は下がり暖気は上がるという空気の特性と、工場の構造を考慮して給気設備を選定し、配置したことで、大きなコストをかけずに陽圧化を実現しました。

(3)  ステップ3 『回す』

こうした改善による工場内の温度環境と空調エネルギーの変化のデータをプロジェクトメンバーで確認することで、設定温度やスケジュールの見直しといった省エネサイクルが回り出しました。また春や秋の中間期には工場内を陰圧状態にし、あえて外気を取り入れることでさらなる省エネにつなげています。これらの取り組みの結果、夏場と冬場の工場内の温度はそれぞれ6℃以上改善され、工場空調エネルギーも約26%削減することができました。

◆ 今後の取り組み

昨今、作業員の労働環境の改善を望む声が社会的にも高まっていることから、既存工場の建て直しや最新設備の導入を検討する企業が増えていますが、大規模な設備投資が必要になることから二の足を踏む企業も少なくありません。本工場の事例がそうした企業の皆さまの参考となるよう、工場見学などを通して情報を発信していきます。また本事例で得た知見を当社の他拠点へも展開し、グループ全体で生産拠点の環境改善と省エネルギー化に取り組んでいきます。
※1 住宅条件:C 値2.0、Ua 値0.6、6 地域、床面積165 ㎡、換気風量198 ㎥ /h(2 台)、内部負荷: 国土交通省Web プログラム住宅モデル試算ベース。夏場において、家全体を湿度60% 以下に抑える場合、全熱交換器+エアコン(自動運転) との比較(計算ソフト「TRNSYS18」で試算)。全熱交換器+エアコンの場合は再熱除湿ありエアコン(S22YTFXS-W×2 台、S40YTFXP-W×2 台)、Saravia+エアコンの場合は再熱除湿なしエアコン(S22YTES-W×2 台、S40YTEP-W×2 台) を使用。※部屋の温湿度条件を合わせた際の省エネ効果を算出するため、全熱交換器の場合は再熱除湿ありエアコンを使用して試算。(再熱除湿なしエアコンでは湿度60% をキープできないため。)
※2 省エネ効果試算条件 東京 オフィス 外気温度条件2016年 東京年間気象データ稼働時間9:00~20:00 湿度センサ(別売品)ありの外気処理タイプ室内ユニット接続時、その他室内機ユニットは全て「VRTsmart」に対応していること 室内条件 DB27℃/WB19℃ 従来の蒸発温度一定制御との比較。冷房運転時のみ有効。
※3 省エネ効果試算条件 東京 オフィス 外気温度条件2016年 東京年間気象データ稼働時間9:00~20:00 室内条件 DB27℃/WB19℃ 冷房運転時のみ有効。
※4 「アクティブTe制御」と外気冷房を併用した場合の合計値。
※5 外気処理エアコン、外気処理タイプ室内ユニットによる換気。
※6 外気処理タイプ室内ユニット(別売品)を用いる。 
※7 外気処理タイプ室内ユニットによる換気。
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