没後100年。今も新しい森鴎外の言葉をモチーフにした書展 ベルリン、津和野を回って世田谷で1月19日から開催。
2023.01.12 09:30
ギャラリーカフェ ジョルジュ(東京都世田谷区、代表:森 真弓)では、「森鴎外の言葉をモチーフにして等~吉見松香書展」を2023年1月19日から開催します。吉見松香氏は2004年ベルリンの「森鴎外記念館」の外壁に「鴎外」と書く世界的コンテストで、最優秀賞を受賞した書家です。この度は2020年ドイツで展示された作品についてギャラリートークやワークショップも予定しています。
※「森鴎外」「小堀鴎一郎」の表記は、一部の日本語環境で表示できないため、「鴎」を新字で表記しています。
吉見松香氏
【2022年、鴎外関連イベントが盛ん】
2022年は森鴎外没後100年で、文京区では記念事業が実施されました。鴎外の顔をデザインしたフラッグを商店街に掲げ、ゆかりの場所を巡るバスも運行させ、力を入れていました。区内の「森鴎外記念館」でも2023年1月29日まで「鴎外遺産」という特別展が実施されています。
鴎外の作品を俳優が朗読し解説するTVの特集番組も組まれ、官吏、医者でもあった森鴎外にメディアでもスポットが当てられました。出生地の島根県津和野町では2022年10月・11月、「森鴎外の言葉たち~吉見松香書展」が開かれ、地域の人たちのみならず、遠方も含め200人以上の参観者がありました。この書展は吉見松香氏がベルリンの「森鴎外記念館」副館長のベアーテ・ヴォンデ氏よりオファーを受け制作し2020年に当地で公開されたものがメインとなっています。
ベルリンの「森鴎外記念館」
【78歳の書家、鴎外の言葉を書く】
吉見松香氏は2023年元日に78歳の誕生日を迎えられました。日本とドイツの架け橋になればと期待していたフランクフルトでの書展が中止となり、知人の紹介で世田谷のギャラリーカフェ ジョルジュで展示することになりました。そもそも、まだ小学校教員をしていた2004年の夏に、ベルリンの森鴎外記念館の外壁プロジェクト「鴎外」墨書コンクールを偶然知り、定年退職の記念になればと応募したことが始まりです。最優秀賞を得て「鴎外」の文字は外壁を飾ることになりました。今ではベルリンのシンボルとして認識されています。また、それで終わりではありませんでした。15年後にそのご縁で鴎外の言葉を書くことになったのです。言葉選びに始まり作品完成までの1年あまり、ドイツの記念館との認識の違いなどもあり、何度もくじけそうになりましたが、鴎外の孫・小堀鴎一郎氏に出会ったことは作品制作に向けてのエネルギー源になったそうです。その他にもたくさんの協力者のおかげで作品を完成させることができたとのことです。
鴎外の言葉をモチーフにした作品9点が展示されている
(吉見松香氏)
森鴎外が残してくれた言葉の一つ一つを作品にしていく中で私は「自分に与えられている生命を生きる」ということを学びました。作品のほとんどが、漢字・かな交り文です。作品が一辺倒にならないようにこれまで学んだすべての書体を使って調和体の作品作りに挑戦してみました。
テーマに添うよう一作一作、紙・墨なども吟味し表具も合わせて工夫しました。
【現代にも通じる言葉のちから】
展示される作品には
「政治なんぞは先づ現状の儘では一時の物で藝術は永遠の物だ政治は一國の物で藝術は人類の物だ」(短編小説「あそび」より)
などベルリンで展示した9点ほか、吉見松香氏の他の作品も数点並びます。
吉見松香氏は「言葉の持つ力を感じてほしい」と
最終日には「あなたの心に響く言葉を書こう」というワークショップも開催されます。
《「鴎外の言葉をモチーフにして~吉見松香書展」概要》
日時 :1月19日(木)~1月28日(土)11時半~16時(初日は13時~)
※23、24、25休み
場所 :ギャラリーカフェ ジョルジュ
東京都世田谷区祖師谷3-36-29 佐藤ビル2F
(小田急線祖師谷大蔵駅下車徒歩3分)
TEL:03-6411-4333
イベント:「森鴎外の言葉をモチーフにして等~吉見松香書展」会期中実施
(ギャラリートーク)
1月19日13時半~、1月22日13時半~
*22日は森鴎外小説の朗読もあり(声優:東優夏)
(ワークショップ)
手ぶらでご参加できます。
1月21日13時~15時半 美しい文字を書くコツ(参加費500円)
1月28日13時~15時半 あなたの心に響く言葉を書こう
(参加費1,500円※掛け軸実費含む)
【ギャラリーカフェ ジョルジュ概要】
店名 : ギャラリーカフェ ジョルジュ
所在地 : 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-36-29 佐藤ビル2F
(小田急線祖師谷大蔵駅3分)
事業内容: ギャラリー展示、イベント、カフェ
URL : https://gc-george.com
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