けいはんな学研都市で避難誘導アプリを使った住民参加型の 避難訓練を実施
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)、東京海上日動火災保険株式会社(以下 東京海上日動)、ダッソー・システムズ株式会社(以下 ダッソー・システムズ)、一般社団法人京都スマートシティ推進協議会(以下 京都スマートシティ推進協議会)、京都府の5者は、国土交通省のスマートシティモデル事業に選定された「スマートけいはんなプロジェクト」(※1)の令和3年度補正および令和4年度事業「グリーン・サステナブルけいはんな事業」の一環として、NTT Comが独自に開発した避難誘導アプリ(以下 本アプリ)を活用した住民参加型の避難訓練(以下 本避難訓練)を2023年2月25日に実施します。本アプリは、早く確実に住民が安全な場所へ避難することを目的として開発したもので、災害データや避難所データ、モバイル空間統計データをもとに、災害発生時の被害をシミュレーションし、住民への適切な避難ルートなどを案内することが可能です。
1.背景
近年、豪雨や地震などの大規模な自然災害が多発し、大きな社会問題の1つとなっています。
このような中、NTT Com、東京海上日動、ダッソー・システムズ、京都スマートシティ推進協議会、京都府の5者は、住民一人ひとりにパーソナライズ化した災害・避難情報を届け、より安全に避難できるソリューションを開発・提供することを目的の1つとし、「スマートけいはんなプロジェクト」を推進してきました。
今回、新たな取り組みとして、デジタル庁が提唱する「デジタル田園都市国家構想」に準拠したデータ連携基盤である「Smart Data Platform for City」(※2)上に、河川の氾濫・土砂災害のシミュレーション情報をはじめとする各種データを一元的に統合し誘導シナリオを導き出すことで災害時の効率的な避難誘導を実現する本アプリを開発し、これを活用した本避難訓練を実施することとしました。
2.本アプリの概要
「3DEXPERIENCEプラットフォーム」(※3)と災害データや避難所データ、モバイル空間統計データなどを連携させ、デジタルツイン(※4)上でシミュレーションすることにより、河川の氾濫や土砂災害の状況、建物の被災状況の可視化に加え、洪水浸水想定区域の人流を特定します。
さらに、被災者のGPS情報と連携し、それぞれの現在地に合わせてどの避難所に避難すべきかを導き出し、利用者に案内することができます。
3.避難訓練の目的と概要
(1) 実施目的
1.参加する地域住民の防災意識の向上:
災害発生時に起こりうるリスクを認識し、それに応じた適切な避難先と避難経路を想定することで、安全に避難行動を実施できるようになること
2. 本アプリの実証実験・検証:
本アプリの提示する避難経路についての改善、参照情報についての改善、UIの改善の実施
(2) 開催日時
2023年2月25日
(3) 開催地
京都府相楽郡精華町
(4) 対象者
精華町周辺在住の地域住民
(5) 実施内容
本アプリを活用し、特定の出発地点(※5)から目的地へ徒歩で避難する訓練を実施
(6) 各者の役割
NTT Com:プロジェクトマネジメント、データ連携基盤の提供、本アプリの開発・提供
東京海上日動(※6):本実証の保険手配(賠償責任保険や参加者の傷害保険等)、防災・減災領域での事故削減の知見を活かした避難訓練の企画運営(I-レジリエンス株式会社(※7)と共同で実施)
ダッソー・システムズ:「3DEXPERIENCEプラットフォーム」の提供
京都スマートシティ推進協議会:避難訓練の主催、各種データとデジタルツインの連携支援
京都府:実証事業を通じてスマートシティの実現に向けた課題解決に必要な方策を推進
4.参加者の募集について
本避難訓練に参加する精華町周辺に在住されている住民を募集します。
募集対象は「Club けいはんな」(※8)の会員です。2023年2月8日までに「Club けいはんな」にご登録された方向けに募集のご案内を送付します。
「Club けいはんな」へは下記より登録できます。
https://admin.prius-pro.jp/m/club01/user.php?a=1
5.今後について
今後も、スマートけいはんなプロジェクトの推進を通じて、誰もが安心・安全に暮らすことができる社会の実現をめざします。また、本実証に参加している民間事業者が中心となり、今回実施する本避難訓練の結果をもとに、本アプリの改善・高度化を行うとともに、全国の自治体への導入についても検討していきます。
(※1):2021年度より連名団体で連携し推進しています。
スマートけいはんなプロジェクト令和3年度事業「グリーン・サステナブルけいはんな事業」が始動
(2021年11月)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2021/1101_2.html
(※2):の流れや施設内外の情報、ロボットなどのモノの情報など都市に点在するさまざまなデータをシームレスに融合できるプラットフォームで、内閣府が提示するスマートシティリファレンスアーキテクチャの機能とデジタル庁推奨モジュールに準拠しています。「Smart Data Platform for City」上にデータを整理し、連携しやすくすることで、日々の活動から生まれるデータを企業や自治体の成長エンジンへと変える、次世代のプラットフォームです。
(※3):ダッソー・システムズが開発・提供する「3DEXPERIENCEプラットフォーム」は、3Dモデリング、シミュレーション、データ解析、コラボレーションの各機能を統合した、体験価値創出のための統合技術です。都市に関わるステークホルダー(関係者)が領域間の垣根を超えて協業するための統合バーチャル環境を提供します。また都市課題を踏まえたさまざまな想定シナリオと現実世界から得られたデータを組み合わせてシミュレーションすることも可能です。
(※4):デジタルデータを活用して現実世界のツイン(双子)を仮想空間上に再現する技術です。
(※5):本アプリには、個々人のGPS情報と連携し、それぞれの現在地に合わせた適切な避難所への経路を案内する機能がありますが、本避難訓練においては参加者は同一の場所から避難を開始します
(※6):東京海上日動は、NTT Comとスマートシティ領域において下記で連携しており、今後は災害発生時の宿泊費等を補償する“避難行動を支援する保険”の検討も実施していく予定です。
NTT Com・東京海上日動・東京海上ディーアールがSmart City領域で協業開始(2021年8月)
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/210831_01.pdf
災害に負けない強靭な社会を目指し「防災コンソーシアム(CORE)」を発足(2021年11月)
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/211124_01.pdf
(※7):I-レジリエンス株式会社は、国立研究開発法人防災科学技術研究所と東京海上ホールディングス株式会社による合弁会社です。双方の強みを活かして、社会のニーズに合わせた新たな防災・減災サービスを提供します。
国立研究開発法人防災科学技術研究所と東京海上ホールディングス株式会社における合弁会社の設立について
(2021年11月)
https://www.tokiomarinehd.com/release_topics/release/l6guv3000000djbu-att/20211101_j.pdf
(※8):「Club けいはんな」は、新規事業、新産業創出を目的に科学技術や産業創出に対して高い意識を有する「けいはんな学研都市および近隣に居住する方」や「けいはんな学研都市を応援頂ける方」から社会に対する将来的要望や将来的ニーズに関した生の声を集めるための自主登録制コミュニティーです。
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