1990年代、インターネットとPCが普及してから、情報テクノロジー（IT）は凄まじい勢いで進化しており、私たちの生活やビジネスなどの活動において、なくてはならないものになっている。
　そのような環境の中、2004年には、スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授がDX（デジタルトランスフォーメーション）の概念を提唱し、注目を集めた。
　日本では、2018年に経済産業省が取りまとめた「デジタルトランスフォーメーション（DX）を推奨するためのガイドライン」において、DXとは、“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”と定義しており、企業が持続的な成長を実現するためにも、必要な取り組みと認識されるまでになっている。

　1990年代以降、私たちを取り巻くデジタル環境は大きな進化を遂げている。PCやインターネットが登場し普及することにより、生産性の向上を実現した時代から、モバイルやSNS、クラウド、ビッグデータを中心とした破壊的（Disruptive）イノベーション時代、さらにはIoTやAI等による各種サービスソリューションが提供される革新的（Transformative）イノベーション時代へと進んでいる。
　新たなテクノロジーの台頭と価値提供は、新たなマーケットモデルを生み、競争環境も変化している。例えば、PCやインターネットの時代は、ハードウェアやソフトウェア、システムインテグレーションなど階層別の水平分業が一般的であった。他方、破壊的イノベーションの時代には、モバイルやクラウド、SNSなど、いわゆるプラットフォーマーが誕生し、垂直統合が進んだ。プラットフォーマーは、いまだ健在で支配的なポジションを維持しているが、より多岐に渡る情報と複合的なITを活用したソリューションが提供されている現在は、産業クラスターやエコシステムの形成の重要度が増している。

　クラウドやSNSなどは既に確立された技術・サービスとして、ビジネスユーザーだけでなく一般消費者にも認知され、受け入れられているが、IoT（Internet of Things: モノのインターネット）やAI（人工知能）など多岐に渡る新しいテクノロジーが登場し、IT環境を理解するのが難しくなってきている。
　ただ、情報システムの構成やテクノロジーの役割は、以前のそれらから大きな変化はなく、各テクノロジーを階層ごとに分類することで、起こっている変化の理解も容易になる。

　モバイルデバイスやIoTに代表されるインフラ・デバイスが、様々なデータや情報を収集し、高速ネットワークを介して、データ統合基盤であるクラウドへ集約される。それらデータをアプリケーションやAIなどを活用して分析・活用し、自動最適化や予測などのサービス・ソリューションが提供される。このような構図になっている。

　情報を収集するデバイスがIoTに代表される通り、大幅に拡大しており、ビッグデータ関連技術やAIの進歩などにより、システムは高度化し、クロステックに代表されるような様々なサービスソリューションが提供されつつある、といったところである。
　ユーザ視点で見た場合、これは非常に大きな価値提供を受けていると言える。実際、ユーザーは、個々人が置かれた状況や持っているニーズに合わせて、リアルタイム性の高い、カスタマイズされたサービスを利用することが可能になってきている。

生活する上で以下のようなサービスが一般的になっており、利用したことがある人も多いのではないか。
・　ECサイトでの商品レコメンド
・　小売店レジでのクーポン
・　クルマの渋滞予測と最短ルートナビゲーション
・　スマートグリッドによるエネルギーマネジメント

　これらを実現する上で重要な役割を担っているのは、IoTやビッグデータ、AIといったテクノロジーとデータであり、次回以降のインサイトで、それら技術の動向やビジネスへの影響などを考察する。

　SVPジャパンでは、会員様向けサービスを通じて、日本国内のみならず、世界各国のビジネス情報や市場データ、技術動向、成功事例などをカスタマイズされた報告書にてご提供させていただいております。ITや情報通信領域においても、市場規模予測や新技術の開発動向、テクノロジー活用事例などの調査実績があります（ご参考「SVPサービス　テーマ事例　「IT＆情報通信」https://www.svpjapan.com/insight/download/service_20220609_01.pdf）。
是非ご活用ください。

「成功に導くビジネスの知を、もっと身近に」をミッションとした、会員制ビジネス情報提供サービスプロバイダー。
会員企業には、ビジネス公開情報に基づくクイックリサーチ、カスタムメイド型プロジェクトリサーチを提供。日本は1974年に創業し、現在世界40カ国に渡るネットワークのメンバーとして、大手企業を中心とした会員企業の意思決定を情報力でサポートしています。
　2021年には事業継承のため、経営体制を一新し、ガバナンスの強化、情報提供サービスの拡大、そして進化することを目指し、第二の創業をスタートしています。

《会社概要》
社名： 株式会社SVPジャパン
代表取締役： 橋本 雅
所在地： 東京都中央区日本橋蛎殻町1-38-9 宮前ビル2F
設立年月日： 1974年7月1日
事業内容： 会員制のビジネス情報提供サービス
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