2023年の 国内シネアド トレンドをシネブリッジが予測

映画産業回復に伴いグローバルでシネアド広告費が上昇

映画館専門の広告代理店である株式会社シネブリッジ(所在地: 東京都港区、代表取締役: 谷 智樹)が、2023年のシネアド(映画館CM)のトレンドはどうなるのか?グローバルのシネアド団体である “SAWA” のレポートも交え、5つのトレンドを予測します。

コロナの影響で2年間伸び悩んでいた映画産業は、現在ではほぼコロナ前の水準に戻ってきています。『ONE PIECE FILM RED』、『THE FIRST SLAM DUNK』がヒットとなった東映株式会社は、2022年の年間興行収入が320億円を突破し、歴代新記録を樹立(*1)。またSNSなどで、リピート鑑賞を指す“追いトップガン”という言葉が生まれるなど、社会現象を巻き起こした『トップガン マーヴェリック』は、2010年以降日本で公開された実写映画No.1となる興収131.6億円を公開138日目に記録(*2)と、特大ヒット作が多く生まれた一年となりました。

このように映画産業が回復してきていることにより、シネアドを含むインシアター・プロモーション(映画館内の一般企業広告)も復調の兆しを見せています。グローバルのシネアド団体(SAWA)のレポートによると、イギリスやオーストラリアなどいくつかの国では2022年は2019年のシネアド広告収入を超えていることが報告されています。

2022年に再び成長が加速しているシネアド。海外同様に動画配信系の広告主のシネアドが年々増加していることも特徴の1つですが、それ以外では2023年のシネアドのトレンドはどうなるのでしょうか?
(*1)東映株式会社プレスリリースより
(*2)「トップガン マーヴェリック」オフィシャルサイトより

トレンド予測1:グローバル同様 “ラグジュアリーブランド” の出稿が継続的に

2022年はラグジュアリーブランド(ジュエリー、時計、車など)の出稿が急激に増加。この流れはグローバルでも、日本国内でも続くと予想されます。動画メディアの中でシネアドは「ブランドの世界観を魅力的に再現できる “プレミアム動画メディア” 」としてラグジュアリーブランドに多く利用されています。特に「ゴールド・スポット(GS=予告編上映後の1社限定のシネアド枠)」が他の動画メディアとの大きな差別化のひとつになっています。

トレンド予測2:日本のアニメ映画やTVドラマ・書籍からの映画作品のヒットにより、ゲームや玩具、TV番宣、関連書籍・BDなどの出稿が伸びる

2023年も宮崎駿監督の最新作や『東京リベンジャーズ』 『キングダム』 『ミステリと言う勿れ』 『SPY×FAMILY』をはじめとしたネームバリューがある日本映画の公開が予定されています。こうした人気コンテンツに併せて2022年同様にゲームや玩具、TV番宣、関連書籍・BDなどの出稿が増えることが予想されます。

トレンド予測3:海外の政府観光局や国内観光誘致、エアラインなどのシネアドが回復

こちらもグローバル同様のトレンドです。コロナによって出稿が大きく控えられていた業種のひとつが回復してくるでしょう。この業種がシネアドを出稿する理由のひとつとして、映画館オーディエンスは、映画館非オーディエンスと比較すると『旅行に行く頻度が圧倒的に高い』という調査結果が継続的にでていることによるものです。大きなスクリーンに映しだされる観光地やロケ地に行きたい・聖地巡礼したいといった意向が高まるのも映画の魅力のひとつと言えるでしょう。

トレンド予測4:環境問題を意識した企業広告の出稿が増加

「映画館オーディエンスのZ世代はSDG’sへの意識が高い」という調査結果を2022年12月からシリーズでリリースしました。その若い世代が映画館で映画を観る人数・回数共に増加しており、2023年も若い世代をターゲットとした映画の公開が多く予定されています。SDG’sに関心が高いZ世代を狙ったと考えられるシネアドが2022年末から増加傾向にあり、2023年も引き続き出稿機会が増えていくと考えられます。グローバルでも同様の調査結果がリリースされており、同様のシネアドが増加傾向にあるといいます。

トレンド予測5:映画館メディアの環境を活かしたプレミアムなシネアドが出てくる

2022年はドルビー・アトモス規格のシネアドや5.1ch ASMR シネアド、また4D技術を活用したプレミアムなシネアドの上映がありました。メディア環境を最大限に生かし、オーディエンスの没入感をより深める可能性が高いプレミアムなシネアド上映が増えていく兆しが見えています。

2022年12月に電通グループからリリースされた「世界の広告費成長率予測(2022~2025)」によると2023年は「映画館(シネアド)」は6.1%の成長予測で、「デジタル」の7.2%に次ぐ成長率予測となっています(*3)。人々のライフスタイルに変化をもたらしたコロナ過に、ようやく終わりが見えてきた2023年。余儀なくされた巣ごもり生活を終え、外でのエンタメを楽しむ人が増えることが予想されます。映画館のプレミアム化も進んでおり、映画館でしか味わえない映画体験を求める人をターゲットに捉える広告主が増え、シネアドが伸長する一年となりそうです。
(*3)株式会社電通グループ「世界の広告費成長率予測(2022~2025)」より
【株式会社シネブリッジについて】
映画業界専門の広告会社。映画館でのシネアドやロビーイベントなどインシアタープロモーションをメイン業務とし、プロジェクションマッピング・シネアドやMX4Dシネアド、シアターネーミングライツなど日本初を含む数多くの実績を誇る。その他、映画館の宣伝や販促キャンペーン、配給宣伝、映画タイアップ等を手掛けている。
URL:https://www.cine-bridge.com/

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