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将来の状態基準保全(CBM)に向けた 車両状態監視システムの試験を開始

○ CBM遠隔装置を試験導入し、遠隔からの機器状態の監視方法を検証します ○ デジタル技術を活用したメンテナンス性の向上を目指します

京阪電気鉄道株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:平川良浩、以下「京阪電車」)、東洋電機製造株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:渡部朗、以下「東洋電機」)、株式会社交通電業社(本社:大阪市平野区、代表取締役社長:相薗岳生、以下「交通電業社」)では京阪電車13000系において、将来の状態基準保全※(CBM)に向けた車両状態監視システムの試験を開始します。

 

本取り組みはデジタル技術を活用してメンテナンスを行うことにより、より安全な車両の提供と効率的なメンテナンス体制の構築を目指して実施するものです。今回、試験を実施する車両状態監視システムは、「CBM遠隔装置」(交通電業社製)を13000系車両に試験搭載し、車両の制御装置・モーターから取得したデータ(電圧・電流・温度など)を随時、自動的にクラウドサーバーに転送することで、PCやタブレット端末等から閲覧可能となります。従来は作業員が現地の車両に赴いて実施していたデータの確認作業が不要となり、作業の省力化が図れるほか、リアルタイムでデータを確認することで装置の異常を早期に発見することが可能となり、安全性の向上にもつながります。

※状態基準保全(CBM)…装置の状態を常時監視し、状態に応じてメンテナンスを行うことで故障を未然に防ぐ保全方法



監視システムの全体構成イメージ


    車両実装状態      車両実装状態(拡大)

また、CBM遠隔装置で取得するデータは現行の地上・車上間通信の通信容量に余裕があるため、既存設備(列車情報装置、デジタルサイネージ向けWi-Fi環境およびLTE通信)を活用したデータ送信が可能であり、車両への導入が容易です。

なお、本システムは今後試験導入を予定している、フルSiC素子※適用VVVFインバータ装置の状態監視および省エネ効果の検証にも活用する予定です。

※SiC素子…半導体素子に炭化ケイ素(シリコンカーバイト)を使用することで、従来の素子と比較し低損失・高温動作が可能


さらに、将来的には制御装置だけではなく、監視対象機器を拡大し、各種装置のデータを取得・解析することで、今後の人口減少による労働力不足に備えた効率的なメンテナンス体制の構築を目指すとともに、機器の劣化・寿命や故障予測を行うことで、車両品質の向上に努め、安全性の向上につなげてまいります。


試験の概要および各社の役割は以下の通りです。

◆試験概要

・車両  13000系車両 7両 1編成(13024編成)

・区間  京阪線 淀屋橋・中之島~出町柳駅

・時期  2023年2月11日(土)~  ※約1年間の予定

【試験の流れ】

    (準備)車両内にCBM遠隔装置、事務所に遠隔監視用サーバーを新設    (試験)車両内部のデータ(電圧・電流・温度など)を遠隔監視用サーバーへ転送    (検証)事務所から遠隔でデータを取得し、車両状態を確認    

 

◆各社の役割

<京阪電気鉄道株式会社>

試験車両の運行

<東洋電機製造株式会社>

監視対象装置の改修および取得データの検証

<株式会社交通電業社>

CBM遠隔装置の開発

以  上



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