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文豪 井上靖ゆかりの伊豆「上の家」が、 第15回静岡県景観賞 優秀賞を受賞  工学院大学建築学部が産学官連携で保存改修工事

工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)の意匠・材料研究室グループが保存改修工事に携わった伊豆市湯ヶ島に建つ「上(かみ)の家」が、第15回静岡県景観賞 優秀賞(静岡県建築士事務所協会賞)を受賞しました。


改修後の外観

改修後の談話室

改修前の外観


この建物は文豪・井上靖の母の実家で、同氏の自伝的小説「しろばんば」にも登場します。築150年ほどの建物で、壁や梁などの老朽化が顕著でした。田村研究室は現存する漆喰仕上壁の保存作業を、西森研究室は建物内の一室である談話室の整備を担当。伊豆市、地元の観光協会、建設会社とともに産学官連携で保存改修工事を行い、現在は文学の郷 湯ヶ島の観光資源、地元市民の交流拠点として一般公開されています。



■第15回静岡県景観賞

静岡県景観賞は、静岡県及び関係団体で構成する「美しいしずおか景観推進協議会」によってしずおかの美しさを守り・育て・創ることを目的として創設され、優れた都市景観を創出している地区等を表彰してきました。


【優秀賞(静岡県建築士事務所協会賞)】

受賞地区:湯ヶ島地域交流拠点整備(上の家)

所在地 :伊豆市

受賞者 :伊豆市観光協会天城支部、工学院大学建築学部意匠・

     材料研究室グループ(指導教員:建築デザイン学科 西森 陸雄教授、

     建築学科 田村 雅紀教授)、株式会社イズケン、伊豆市


【審査委員コメント】

文豪・井上靖氏の幼少期に由来する築150年経過の「上の家」の保存改修を、クラウドファンディングを活用し、地域住民、行政、大学、事業者が共同し、それぞれの強みを活かして完成させ、地域の交流拠点として整備しました。「しろばんば」が生まれた地域性を資源と捉え、まちづくりへと顕在化させており、地元愛に裏打ちされた湯ヶ島ならではの取り組みです。当時の情景を感じさせる丁寧な保存改修、外壁、内壁、暖簾などの改修における材料や技術へのこだわりは、うわべだけではない本物の景観形成に繋がっています。



■保存改修工事 担当箇所

・室内の土壁の崩れ落ち

現場に落ちていた壁の一部を再利用し、自然の材料を混ぜ入れて、取れた部分を補充。大学が保有する補修の技術(特許第6570170)を活用。漆喰は当時状態から劣化が進まない技術、土壁は剥がれ防止を実現する新技術を適用。


土壁の補修作業

土壁の補修作業


・1階談話室 柱・土台の腐食、雨漏り

リフォームでは歴史的な面影を残しつつ、家具とのれんづくり、床のタイル張りなど、今後の室内活動を想定した新規設置や床の仕上げを行った。


改修前の談話室

改修後の談話室


■受賞学生コメント

談話室改修担当 向井 菜萌さん(建築学専攻2年)

この度はこのような賞をいただくことができ大変光栄です。修士1年生と学部3年生の計10名で、模型や図面作成をしながら内装改修提案を行い、「上の家」の魅力を継承し増幅させるよう設計を心がけました。私は来年から建築設計の職に就きますが、様々な関係性の上でプロジェクトが成り立っていることを身をもって学び、市役所の方や職人の方、近隣住民の方との交流の中で、地域に触れながら作業を進められたことが大変勉強になりました。これから何十年と観光客や地域住民が訪れ、「上の家」が愛され続けることを願っています。


漆喰土壁改修担当 梅田 栞合さん(建築学科4年)

卒業研究として携わってきた「上の家」が、静岡県景観賞に選ばれ、大変嬉しく思っております。私は土壁となまこ壁の維持保全のための復原工事を担当し、材料の調合・製作、耐久性試験、現地での補修作業、性能評価を行いました。学内での研究・実験に留まらず、150年前から続く歴史的ある建物の実施工に携わらせていただき、貴重な経験となりました。現存するものをできるだけ活かした保全方法を検討し、建築物の歴史的価値を守ることの大切さを学びました。今後も「上の家」が地域の方をはじめ様々な方に愛され、憩いの場となることを願っております。


向井 菜萌さん(左)、梅田 栞合さん(右)

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