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NTTデータ経営研究所、 「企業の事業継続に係る意識調査」を実施  サプライチェーン強靭化にむけたBCP策定意欲が高まる

~コロナ禍・ウクライナ危機が契機か、 サプライチェーン間の連携意欲が向上。 一方、連携実績は限定的であることが明らかに~

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、以下 当社)は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に第7回「企業の事業継続に係る意識調査」を実施しました。

本調査は、2011年7月に実施した「東日本大震災を受けた企業の事業継続に係る意識調査」(以下、第1回調査)から、過去計6回にかけて継続実施している調査です。企業の事業継続に対する取り組みや意識にどのような変化が生じたか、企業はBCPの運用・管理(BCM)について現在どのような課題認識を持っているか等に関する調査を実施しています。今回の調査では、これまでの継続調査に加えて、企業や地方公共団体等の「地域/企業間連携BCP」および「オールハザード型BCP」の策定状況の実態や課題認識などについて調査を行いました。



【調査ハイライト】

1-1. BCP策定状況とその変化

◆BCP策定済み企業は前回調査から5.8ポイント増加しており、策定状況の回復が見られる。【図表A-1】

・・・参照P.8(*i)


【図表A-1】BCP策定状況の経年変化


1-2. BCP策定対象とその変化

◆リスクの経年変化を見ると前回調査に引き続きパンデミックを想定したBCP策定が大幅に増加。なお、「自社設備の事故・故障・機能停止」は調査開始以来、初めて5割を超えた。【図表A-2】

・・・参照P.17


【図表A-2】BCP(策定済み・策定中・策定予定あり)において想定しているリスクの経年変化


1-3. 企業の事業継続に向けた取り組み(対策)とその変化

◆「自社リソース復旧」や「外部連携」などの「応急・復旧段階での対策」においても、BCP策定率は増加傾向。コロナ禍を経て企業の意識に変化が表れつつある。【図表A-3】

・・・参照P.21


◆自社リソース復旧に着目すると、コト対策にあたる「自社の商品やサービスの提供方法についての代替策の用意」が最も低い状況に変わりはない。【図表A-3】

・・・参照P.21


【図表A-3】今回調査時点の企業の事業継続に向けた取り組み(対策)別策定有無(n=1,048)<BCP策定状況別>


◆提供サービスの代替が難しい建設・土木・不動産、教育・医療・研究機関、公共機関などの業界では応急・復旧段階の中でも、「自社の商品やサービスの提供方法についての代替策の用意」の取り組みが進んでいない。【図表A-4】

・・・参照P.23


【図表A-4】今回調査時点の企業の事業継続に向けた取り組み(対策)別策定有無(n=1,048)<業種別>


2-1. サプライチェーンを意識したBCP策定意欲の拡大(自社単独BCPの限界)

◆前回調査と比較して製造業においてBCP策定率が1.34倍増加しており、最も高い結果に。製造業や商業・流通・飲食において、コロナ禍を経てサプライチェーンを意識したBCPの策定意欲が拡大したと考えられる。【図表A-5】

・・・参照P.9


【図表A-5】前回調査と今回調査における企業のBCP策定状況の比較<業種別>


◆自社単独でのBCP策定に限界があることが、多くの企業で課題として認識されている。【図表A-6】

・・・参照P.30


【図表A-6】今回調査時点のBCPに対して課題がある理由(n=507)


◆サプライチェーンに密接に関わる業種において、特に自社単独のBCP策定に限界を感じている。【図表A-7】

・・・参照P.30


【図表A-7】業種ごとの今回調査時点のBCPに対する課題(n=507)]


2-2. 地域/企業間連携BCPの実態

◆地域/企業間連携BCPを策定済みと回答した企業は約4割を占め、将来的な対応検討を含めると2/3弱が何らかの対応を既に検討していると言える。一方で、地域/企業間連携BCPを途中で断念した企業は一定数(7.6%)存在。【図表A-8】

・・・参照P.33


【図表A-8】今回調査時点の地域/企業間連携BCPの策定状況(n=804)


◆地域/企業間連携BCPの連携相手は6割弱(56.6%)が近隣地域内企業であり、密接な取引関係のある企業との連携は4割弱(39.1%)に留まる。【図表A-9】

・・・参照P.36


【図表A-9】今回調査時点の地域/企業間連携BCPの「連携相手」(n=343)


◆(参考)中小企業庁が公表する「「事業継続力強化計画」認定事業者一覧(*ii)」を基に、地域/企業間連携BCPの連携相手の分析(*iii)を試みたところ、同一地域における同業種との連携が26.0%と最も多い。一方で隣接地域や遠隔地域における連携実施率は低く、特に取引先との連携はそれぞれ2.3%と3.0%に留まることが明らかに。【参考データ:図表A-10、図表A-11、図表A-12】(*)

(*)「NTTコム リサーチ」による調査結果ではなく、中小企業庁「事業継続力強化計画」認定事業者一覧( https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/list.html )を基に(株)NTTデータ経営研究所にて分析を行い、グラフを作成

・・・参照P.37


【参考データ:図表A-10】「事業継続力強化計画」認定事業者一覧に基づく連携先の「地理関係」(n=605)

【参考データ:図表A-11】「事業継続力強化計画」認定事業者一覧に基づく連携先の「取引関係」(n=605)

【参考データ:図表A-12】連携先企業本社の所在地域別の取引関係(n=605)


◆連携内容は7割弱が「危機発生時における情報共有」であり、「業務復旧時における保有スキル・業務経験の共有」は45.2%、「保有する建設・資機材に係る情報共有」は32.1%と半分以下に留まる。現状では災害時の初動対応時の情報共有などが中心となり、復旧時における自社リソース等の共有はまだ途上段階にあると推察される。【図表A-13】

・・・参照P.39


【図表A-13】今回調査時点の地域/企業間連携BCPの「連携内容」(n=343)


◆連携相手および連携内容共に連携のハードルが高いほど実施率は下がり、調査時点の連携実態と各企業が理想とする地域/企業間連携BCPには隔たりがあることが明らかに。【図表A-14】

・・・参照P.40


【図表A-14】地域/企業間連携BCPにおける今後の検討事項


3. オールハザード型BCPの実態(多様化するリスクに対して実効性のあるBCP策定)

◆オールハザード型BCPの認知率について、約2/3の回答者がオールハザード型BCPの概念を理解している状態にある。【図表A-15】

・・・参照P.42


【図表A-15】今回調査時点のオールハザード型BCPの認知率(n=1048)


◆オールハザード型BCPを策定済みと回答した企業は約4割を占め、将来的な対応検討を含めると2/3弱が何らかの対応を既に検討していると言える。一方で、オールハザード型BCPに対応しようと試みたが途中で断念した企業は一定数存在。【図表A-16】

・・・参照P.43


【図表A-16】今回調査時点のオールハザード型BCPの策定状況(n=804)


◆日本経済団体連合会が提唱するオールハザード型BCPが本来意図している、結果事象に基づくBCP策定が十分に普及していないことが浮き彫りに。【図表A-17】

・・・参照P.44


【図表A-17】今回調査時点のオールハザード型BCPの「策定時」における課題(n=276)


調査結果はこちらから

https://www.nttdata-strategy.com/assets/pdf/newsrelease/yymmdd/survey_results.pdf



<調査結果の利用について>

・本調査は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が共同で行っており、本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が保有します。

・調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所/NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション」または「NTTデータ経営研究所/NTTコム リサーチ」と併記した上で、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましては広報担当までお知らせください。

・調査結果について、出所を明記せずに転載・引用を行うこと、データの一部または全部を改変することなどの行為はご遠慮ください。

・本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。


*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。



i 参照の記載は、調査概要の該当するページを示す。

調査概要: https://www.nttdata-strategy.com/assets/pdf/newsrelease/230228/survey_results.pdf


ii 中小企業庁「事業継続力強化計画」認定事業者一覧( https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/list.html )


iii 2022年11月末時点の上記データを利用。連携実施企業の所在地及び企業のホームページを確認し、下記考え方に基づき分析を実施

 1. 認定事業者一覧に記載されている企業の所在地情報をもとに下記に示す通り「地理関係」を分類。

   ・同一地域…同一都道府県内に所在する企業同士の連携

   ・隣接地域…隣接する都道府県に所在する企業同士の連携

   ・遠隔地域…隣接しない都道府県に所在する企業同士の連携。3つ以上の企業連携の場合、各企業同士は隣接地域に所在していても、直接隣接していない地域の企業が含まれる場合は遠隔地域と整理

    (例)青森県・岩手県・宮城県に所在する企業連携の場合

 2. 連携実施企業のホームページ等を確認し業種を確認。

   各企業の業種の分類は、総務省日本標準産業分類( https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/H25index.htm )の中分類レベルで定義を実施。

   連携企業の業種情報をもとに下記に示す通り「取引関係」を分類。

   ・同業…参加している企業の主事業が同一と考えられる連携

   ・取引先…参加している企業同士が取引先と考えられる連携

    (例)紙加工品製造業と印刷業、食品製造業と包装業と小売業、木製品製造業と建設業など

   ・取引先以外…参加している企業の主業務が同一でなく、且つ、取引先と考えられない連携

    (例)同一の工業団地に所在している企業同士の連携、同一資本による多角化として設立した企業同士の連携

   ・不明…企業ホームページがなく、業種を確認できない企業が含まれている連携


iv 日本経済団体連合会「非常事態に対してレジリエントな経済社会の構築に向けて」( https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/016.html )

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