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全国の若者からアプリ・IoTデバイスのアイデアを募る 「米百俵デジタルコンテスト2022」受賞作品を決定

小学生が選ぶグランプリは、 頑張ったことに“はなまる”をつけてくれるミニプリンターに!

ながおか・若者・しごと機構(新潟県長岡市)は、2022年9月1日より全国の若者を対象に募集を始めた「米百俵デジタルコンテスト2022」(略称:米100DC)の受賞者ならびに受賞作品を決定しました。


米100DC2022ロゴ


今年度で3回目となった本コンテストでは、子どもの遊び、学び、暮らしを豊かにするデジタルプロダクト(アプリ、IoTデバイス)のアイデアを募集しました。全国から131作品の応募があり、1次、2次審査を経て、長岡市内小学生の投票によるグランプリと、審査員による特別賞を決定し、2023年3月2日のオンライン表彰式で発表しました。


グランプリは、きょう頑張ったことなどに“はなまる”のついたレシートが出てくる可愛いミニプリンター「はなまる屋」を提案した、阿部 桃香さん(長岡造形大学)が受賞しました。投票した小学生からは、「ちゃんと出来たらご褒美があるっていうのがいいし、出来なかったとしても残念賞的なのがあっていいと思いました!」(6年生)、「僕はあんまり宿題とかして褒められないから、褒めてくれるはなまる屋がいいです」(5年生)、「明日も頑張ろうというモチベーションになるから」(6年生)など、幅広い支持を集めました。


オンライン表彰式は、5作品の制作者と審査委員が参加して開催されました。グランプリ受賞者には、新潟県産杉にロゴを刻印したトロフィーや賞金30万円、長岡産のお米などが贈呈されました。


以下に、受賞した5作品をお知らせします。

なお、米100DC特設サイトでは、全受賞作品の応募動画、講評などの詳細を公開しています。ぜひご覧ください。


米100DC特設サイト https://kome100dc.jp


オンライン表彰式の様子


■審査結果

<グランプリ、技術賞>

「はなまる屋」阿部 桃香(長岡造形大学)

<表現賞>

「ハコくんとえらぼう!」森田 琴葉(和歌山大学)、岡崎 理来(同)

<持続可能性賞>

「おしゃべりタイムカプセル」内山 葉月(長岡造形大学)

<中・高校生賞>

「さがしものウォッチ」渡久山 寛(東京都立両国高等学校)

<長岡市長賞>

「そらミル」古野間 久知(新潟明訓高等学校)


※賞の審査基準ついて

グランプリ :小学生が自分で使ってみたいと思う

       長岡市内の3小学校で「デザイン思考」特別授業を実施のうえ、

       小学生が受賞候補作の評価と投票を行い、グランプリを決定。

       (長岡市立川崎小学校5・6年生、長岡市立中之島中央小学校5年生、

       長岡市立脇野町小学校5年生 計223人)

表現賞   :表現力が優れている

技術賞   :技術的に優れている

持続可能性賞:長く愛されるサービスになりうる

中・高校生賞:高校生以下の応募者の作品で内容が優れている

長岡市長賞 :新たな一歩を応援する



■グランプリ作品紹介


グランプリ作品「はなまる屋」


作品名:はなまる屋

作者 :阿部 桃香さん(長岡造形大学)


きょう頑張ったことなどに“はなまる”のついたレシートが出てくる可愛いミニプリンターです。はなまるや達成したいことをアプリに登録して簡単に使えます。レシートはシールになっているので、ノートなどに貼って頑張ったことを振り返ったりもできます。


<審査講評>

デバイスデザインが可愛くて、親近感あふれるアイデアだ。宿題や勉強などに「どうも苦手」と感じている子どもたちのモチベーションアップを身近なツール感覚でやさしくサポートしてくれそうなうえ、全体的にあたたかなユーモアもある。完成図のモックアップ(実物模型)のクオリティーとその再現度合いが非常に高く、プロダクトのイメージも湧きやすかった。“褒めてもらう”という人間の根源欲求をはなまるを通して叶えてくれて、デジタルではなく物理的なレシートで自分の成果を感じられることは、子どもたちの喜びにもつながるだろう。小学生のユーザーニーズにドンピシャだったとも言える。


<受賞者コメント>

コンテストへの参加が初めてで、受賞できたことにとても驚いています! はなまる屋は、自分の小学生時代を振り返り、いい点数だったテスト用紙をとっておいた経験から発想しました。褒められたときのうれしい気持ちを物理的に残すプロダクトとして、デジタルの便利さと紙の良さを結びつけることができました。1次審査のフィードバックから、3Dプリンタでモックアップを制作したことで、より良いものになったと思います。同級生からも「欲しい!」と言われたので、子どもに限らず幅広い人に受け入れられるよう、製品化に挑戦してみたいです。



■全体講評

審査員:市原 えつこ(メディアアーティスト)

審査員は恨みを買う仕事でもあるのであまり引き受けたくないのだが、今回は参加して楽しかった。一方的に審査するというより、1次審査を通過された人にメンタリングに近い形でコメントでき、一緒に伴走するような立場で携われたからだ。また、グランプリを小学生が選ぶことは、このコンテストの最大の特徴。クリエイティブ、アート、テクノロジー業界にいると、ついバイアスがかかってしまうので、実際のターゲットユーザーである未来を作る世代の率直な票が反映される方法は非常に面白い。忖度もないし、ある意味で最も公平かもしれない。ただ、男女で趣味嗜好は違うはずなので、男女兼用でない作品がグランプリを受賞することは難しい面もありそうだ。グランプリ受賞作品以外でも、「もじらぼ」や「まもるのどん」は特に面白かった。「フレーズFRIEND×CASE」も製品展開パターンの豊富さが素晴らしい。自信を持ってほしいし、製品展開などされれば面白いと思っている。


審査員:高瀬 章充(Socialups株式会社 代表取締役社長)

小学生が審査の際に作品にコメントするなど、すごくフラットかつ先進的で、他になかなか無いコンテストだ。しかも3年も続けられており、すごいなという印象を持っている。このコンテストの枠組み自体が、いろいろな人にいろいろなことを考えてもらう契機になるはずなので、他のコンテストに比べて“深い”意味が込められているように思う。作者のバックグラウンドや想いにも興味があるので、どんな人でどんな考えを持たれているのかなど、もう少し直接やり取りできるとさらに良いかもしれない。小学生審査では、記録した読書量を使ってゲームを楽しむアプリで、男女の評価が大きく割れた。男子のほうが本を読まないのかもしれない。その点、グランプリを受賞した「はなまる屋」は、男女共に人気が高かった。プロダクトを身近に感じたからだろう。


審査員:改田 哲也(長岡技術科学大学 アイデア開発道場 道場長)

今回の応募総数は131作品だったが、それだけの人がアイデアを考えるために“魂のエネルギー”を使ったと言える。一方、企業の商品企画は“千三つ”(千に三つ)で、100個考えても1つも製品にならないような世界だ。そういうことも感じられる機会になったかもしれない。アイデアそのものだけではなく、そのアイデアを見た人が他のことをいろいろと考え、空想が広がっていく“想像性のバトンゲーム”のようなことが起きる。そんな“想像の物語”が人づてにどんどん広がるのは、すごく面白い。コンテストだけで終わらせるのではなく、たとえば道を歩く人にふっと作品が伝わるような仕掛けなど、アイデアがシェアされ、語り継がれ、想像がどんどん膨らんでいくようになれば良いと思った。これからもコンテストを持続的に発展させていってほしい。


特別審査員:長岡公務員・情報ビジネス専門学校

大人では発想が及ばないアイデアがたくさんあった。予算やメリット・デメリットなどはいったん考えず、ジャストアイデアで自由に表現・構想することが重要だと、こちらも勉強になった。未来につなぐ有意義なアイデアをどんどん広げていってほしい。そして、このコンテストは、見た人・感じた人に「考える連鎖」が起こり、それが広がっていくのを感じられ、審査を通じて学び・驚き・面白さがあった。全体的には作者の個性やこだわりといったものを強く感じられるユニークな作品が多かった。残念ながら受賞に至らなかった作品の中にも、ITを活用したクリエイティブで素晴らしいアイデアが数多く見受けられた。これからも、未来の発明家として、自由で豊かな発想を追求していってほしい。


特別審査員:磯田 達伸(長岡市長)

今回で3年目のコンテストとなり、全国各地から多数の応募があって大変うれしい。子どもたちの思いや願望を考え抜いてアイデアにし、ブラッシュアップして形にしてくれた。プロトタイプを目の当たりにした長岡の子どもたちは、本当に喜んでいるのではないか。最先端のデジタル技術を使いながら、子どもたちが実際に欲しかったりあったら良いなと思うようなものを具体的な形にしてくれたみなさんの“力”に本当にびっくりした。興味のあることなどを形にすることは、一番大事。失敗を恐れず、ぜひチャレンジを続けてほしい。長岡市はみなさんがチャレンジできる環境をこれからもつくっていく。このコンテストをきっかけに長岡に興味を持ってもらい、長岡で何かやってみようという人が増えていくことを願っている。みなさんの今後の活躍を応援している。



■コンテスト概要

ながおか・若者・しごと機構が、「長岡版イノベーション」を推進し、人材育成と未来への投資を行う「新しい米百俵」の実現に取り組む長岡市と共催で、2020年度から開催するコンテスト。長引くコロナ禍でも、ユニークな発想を持つ若者がチャレンジできる環境、先端技術を取り入れた現代の学びの場を提供することで、若い才能を発掘し、支援することを目指す。2022年度は、昨年度に続き、市内3小学校で「デザイン思考」を使った特別授業を実施。2回の授業(※)を通して「デザイン思考」を体験した小学生223人が、グランプリを決定するオンライン投票に参加した。


※7月にインタビューを通して小学生が欲しい「ひみつ道具のアイデア」を考える「共感」の授業、1月に「Yes And話法」を使って受賞候補作について意見を出し合う「評価」の授業を行った。


主催:ながおか・若者・しごと機構

共催:長岡市


<募集内容>

子どもの遊び、学び、暮らしを豊かにするデジタルプロダクト(アプリまたはIoTデバイス)のアイデア


※応募者の参考となるよう、ユーザーである子どもたちが欲しい「ひみつ道具のアイデア」を長岡市内の小学生から公募し、集まった263件のアイデアと、「デザイン思考」特別授業に参加した小学生のアイデア203件をWEBで公開。


<応募者>

創造性を持ち、デジタル領域に関心のある若者

(1998年4月2日~2010年4月1日生まれの個人またはグループ)


<コンテストの経過>

・7月       長岡市内の3小学校で、「デザイン思考」特別授業を実施

          (長岡市立川崎小学校5・6年生、

          長岡市立中之島中央小学校5年生、

          長岡市立脇野町小学校5年生 計223人)

・9月1日~11月1日 作品募集(全国から131作品の応募)

・11月       審査員の1次審査により受賞候補作を選定

・12月~1月5日   審査員の講評等により、制作者が作品をブラッシュアップ

・1月~2月     小学生による受賞候補作の評価と投票でグランプリを決定。

          審査員・特別審査員の2次審査により特別賞を決定



■ながおか・若者・しごと機構について

「長岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の推進役として、長岡市内の4大学1高専15専門学校、金融、産業、行政の29機関で設立された組織です。「若者のアイデアを実現」「若者同士の交流創出」「若者が学ぶ・働く魅力創出」を主な役割としています。

https://n-wakamonokikou.net/

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