喫煙者と非喫煙者のアンケートデータから探る 分煙に関する意識調査(2023年6月)
2023.06.08 11:00
クリア分煙を実現する高性能喫煙ブースの販売を手掛ける株式会社エルゴジャパン(代表取締役:安田 光守)は、2023年4月に実施した喫煙者に対するアンケート、非喫煙者に対するアンケートに基づきデータを比較。特徴を整理し、その結果を公表しました。
これは喫煙者、非喫煙者を無作為に抽出し、同様の項目でアンケートを取ることによって、意識や認識の違いを明らかにしたものです。
■意識調査の対象者
東京都に住む喫煙者、非喫煙者605名ずつ
■喫煙者と非喫煙者のアンケート比較からわかること
※下記比較データの参考元となる喫煙者向けアンケート、非喫煙者向けアンケートの結果は、こちらよりご覧ください。
<喫煙者に聞く飲食店に関する意識調査>
<非喫煙者に聞く飲食店の分煙対策に関する意識調査>
(1) 食事に行く頻度について
外食比率
両者の回答を比較すると、喫煙者の方が週1回以上食事に足を運ぶ人が、非喫煙者の約2倍となり、数値に差があるということがわかります。実際に喫煙ブースを設置している飲食店の店長の声をお伺いすると、煙草を吸いながらお酒を飲みに来ているような常連さんもいらっしゃるとのこと。喫煙者にとっては、飲食店は単に食事を楽しむための場所以上の役割を果たしていると言えそうです。
(2) 食事の支出金額について
飲食に関する支出
両者の回答を比較すると、喫煙者の方が食事に対しての支出が高額になる傾向がありました。5,000円以上の支出が伴うお客様は喫煙者の比率が非喫煙者の比率の倍近くの数字になりました。喫煙ブースを設置している店長によると、煙草を吸いながら食事とお酒を楽しむことで、お酒の量が増える傾向にあるようです。
(3) 食事人数について
グループ比率
両者の回答を比較すると、喫煙者の方がグループで食事に行く傾向があることがわかりました。ここまでのアンケートの結果、喫煙者と非喫煙者を比較すると、喫煙者の方が、外食をする頻度が高く、お客さま単価が高く、また、グループで食事をする割合が高い傾向が読み取れます。また、飲食店にとっては、喫煙者は重要なお客さまであるとの傾向が読み取れます。
(4) 飲食店を選ぶ際のポイント
飲食店を選ぶ際に決め手となるポイントについて、喫煙者、非喫煙者の特徴的だった回答を下記にまとめました。
<喫煙者>
アルコールの種類 :32.2%
喫煙できること :33.4%
屋内完全禁煙であること:-
<非喫煙者>
アルコールの種類 :17.4%
喫煙できること :-
屋内完全禁煙であること:25.1%
飲食店を選ぶ際にアルコールの種類を選ばれる方は、圧倒的に喫煙者の方が多いということがわかります。喫煙者にとっては煙草とアルコールは切っても切り離せない関係性にあるといえます。
また喫煙者は喫煙できることへのこだわりが強い一方、非喫煙者は、完全禁煙であることを望んでいる方が25%に留まりました。喫煙者への配慮、もしくはそれほどに完全禁煙へのこだわりが強いわけではないということがわかります。
(5) 喫煙環境について
飲食店における適切な喫煙環境については、喫煙者、非喫煙者の意識は次の通りとなりました。
<喫煙者>
喫煙室があるお店を選ぶ :35.2%
外で喫煙できるお店を選ぶ:12.4%
完全禁煙のお店を選ぶ :10.2%
<非喫煙者>
喫煙室があるお店を選ぶ :7.3%
外で喫煙できるお店を選ぶ:9.1%
完全禁煙のお店を選ぶ :46.4%
煙草が吸える環境がある場合には、圧倒的に店内で吸える環境の方が支持されていることがわかります。外で煙草を吸える環境というのは、飲食店側からすると分煙対策とはなっていますが、消費者側からすると満足できる対応ではないのかもしれません。
また非喫煙者からすると完全禁煙は絶対条件のようにも思われますが、その比率は50%を下回る結果となりました。
(6) 席での喫煙について
非喫煙者に喫煙可能店、喫煙目的店といった、お席で喫煙できるお店に対する印象を聞くと、非喫煙者約半数の45.5%が不快に感じており、更にその店には行かなくなっている傾向がみられました。分煙対策においては、あくまで喫煙者・非喫煙者の両者にとって快適な空間を提供することが大切であることが読み取れます。
(7) 完全禁煙対応による変化
完全禁煙対応をすることによって、お客様が足を運ばなくなったことがあるかを聞いたところ、喫煙者の45.1%の人、つまりおよそ2人に1人は、そのお店に足を運ばなくなったと言います。
一方、完全禁煙にすることにより、新たに足を運ぶようになった事があるかを聞いたところ、非喫煙者のうち、23.8%しかそのお店を選ぶことはしないということがわかりました。
完全禁煙対策というのは、常連の喫煙者及び喫煙者がいるグループのお客様が離れてしまう傾向がある一方、新規のお客様獲得という観点においては、あまり貢献できているとは言えないことがわかります
(8) 店内禁煙の配慮(非喫煙者)
非喫煙者に対して、喫煙者と一緒に飲食店に訪れた際に気になる点があるかを聞いたところ、下記2点の回答が特徴的なものとして挙げられました。
・非喫煙者のうち69.4%は席でのタバコを快く思っていない。
・非喫煙者のうち19%が席への持ち帰りタバコを快く思っていない。
煙草を吸うこと自体よりも、席で吸うということについては快く思っていないということがわかります。また非喫煙者はニオイにも敏感で、喫煙室や外で吸うなどしてきても、そのニオイが席に持ち込まれてしまうことについては、快く思っていないということが分かりました。席で煙草を吸わないように分煙にするため、喫煙室の設置を検討する場合には、席にニオイを持ち帰らせないようにすることも大切であるようです。
(9) 店内喫煙の配慮(喫煙者)
また喫煙者に対して、非喫煙者と一緒に飲食店に訪れた際に配慮する点を聞いたところ、下記2点の回答が特徴的なものとして挙げられました。
・席で吸えても、なるべく吸わないようにする喫煙者が39.5%いる。
・14.5%の喫煙者が、持ち帰りタバコに注意している。
仮に席で吸えたとしても、なるべく煙草を吸うことを我慢している方が39.5%にも上りました。これは席で吸えるような対策を取っていたとしても、喫煙者にとっては気を遣わせている状況を生み出してしまっているのかもしれません。喫煙ブースを設置している店長によると、この傾向は、接待の相手、上司、異性が非喫煙者である場合などは、席で煙草を吸える状況であっても、逆に煙草を吸う場所がなくなり、外などに行ってしまうこともあるようです。
またニオイについても非喫煙者が気にするのと同様に十分に配慮しており、ニオイがつかないという要因はとても大切な要素であることがわかります。最近、増えている加熱式タバコの愛用者の中には、紙巻きタバコのニオイが、服や髪につくことを好ましく感じていない人もいます。
(10) 分煙環境
最後に非喫煙者、喫煙者その双方に、理想の分煙環境を聞きました。特徴的な回答をまとめると次の通りになります。
<非喫煙者>
・非喫煙者のうち61.8%が完全禁煙を望んでいる。
・40%程度の人は、分煙を望んでいる。
まず非喫煙者にとっては完全禁煙を求める声が最も多いものの、分煙を求める人も40%いることがわかります。喫煙者への配慮や尊重の姿が見て取れます。
<喫煙者>
・喫煙者のうち85.2%が喫煙できる環境を望んでいる。
・更に、59%の人は、室内での喫煙(分煙)を望んでいる。
喫煙者にとっては喫煙できる環境を強く求めていることがわかります。ですが、その環境としては室内、また非喫煙者への配慮を大切にした分煙対策を求めていることがわかります。
今回、喫煙者、非喫煙者の双方のアンケート内容を比較することによって様々な意識の違いを発見することができました。
想定以上に消費者自身も「共存」することを大切にしながら、お互いへの配慮や気遣いを大切にしていることも読み取れました。
喫煙者また非喫煙者にとって、いずれにも快適となるようなそんな分煙環境が求められていることを改めて理解することとなりました。
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