ラー博史上最大のプロジェクト「あの銘店をもう一度」第19弾 昭和13年創業。京都最古参の中華そば専門店 京都「新福菜館」
2023年7月18日(火)~8月7日(月)ラー博に復活
2023.07.05 10:30
新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区、代表取締役:岩岡 洋志)は、30周年を迎える2024年へ向けた取り組みとして、過去に出店した約40店舗の銘店が2年間かけ、3週間のリレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を2022年7月1日(金)にスタートさせました。
佐賀・唐津「らぁ麺 むらまさ」に続く第19弾として、2023年7月18日(火)~8月7日(月)まで、京都「新福菜館」が出店します。
同店は、昭和13年創業の京都最古参の中華そば専門店として1997年8月1日~2002年11月30日の間、当館に出店いただきました。
全国各地のラーメン店を誘致している新横浜ラーメン博物館にとって、関西地区からの出店は「新福菜館」が初めてのことでした。
詳細は下記をご参照ください。
京都最古参の中華そば専門店
●京都「新福菜館」の歴史
JR京都駅の北口(中央改札)を出て東に数分歩くと、いつも行列の絶えないラーメン店があります。そのお店は1938年創業、京都ラーメンの最古のお店「新福菜館」です。
新福菜館の創業者は、浙江省から日本に渡ってきた徐永俤氏。徐永俤氏は大正13年5月に入国し、眼鏡や反物の行商を経て、昭和13年頃、京都駅前で妻の文子さんと共に屋台を始めました。開業当時は中華そばになじみのない時代だったため、1日5杯売るのがやっとだったとのことですが、そこから徐々にお客さんが増え、店を構えたのは昭和17年頃。現在の本店の場所でした。
戦後になると、もの凄い勢いで繁盛し、早朝から夜間までの営業で、多い日には1日2,000人近いお客さんが来店。繁盛とともに、従業員も常時12~13名が働いていました。屋台時代から中華そば一本で勝負しており、昭和20年代のメニューは並、小、肉なしの3種類だったようです。
徐永俤氏
徐文子氏と叔父の上田氏(昭和35年頃)
もう1つの名物の「ヤキメシ」は、創業者から引き継いだ山内勝氏が、昭和40年代後半に考案したものでした。山内氏は昭和38年頃から新福菜館の味に惚れ、通い詰めているうちに、創業者の娘であり現・新福菜館の代表である初子さんと結婚。修業を経て昭和46年に跡を継ぎました。
創業時から勝氏が継いだ昭和46年頃までは、スープに煮干しが使われていました。スープも今ほど黒くなかったようです。勝氏は、先代の味をブラッシュアップすべく、煮干しをやめ、鶏ガラと豚の旨みを増やしました。するとその味にやみつきになったお客さんがどんどん増え、再び大繁盛店となっていきました。
山内勝氏(1997年撮影)
山内氏が考案した「ヤキメシ」
●京都のラーメン事情
今でこそ、京都はラーメン激戦区と言われるようになりましたが、新福菜館がラーメン博物館に出店した当時(平成9年)、京都は和食のイメージが強く、京都=ラーメンというイメージがそれほどありませんでした。なおかつ、京都=あっさりというイメージがあったため、濃口醤油の黒いラーメンを見て驚く人も多くいました。京都には三大ラーメンと言われるスタイルが存在しますが、いずれも「あっさり」ではない、イメージと真逆なのが面白いところです。
下記が代表的な系統と店舗です。
1. 濃口醤油味系 …新福菜館(昭和13年)、第一旭(昭和31年)他
2. 背脂こってり醤油系…ますたに(昭和24年)、ほそかわ(昭和60年)
3. 鶏こってり白湯系 …天下一品(昭和46年)、天々有(昭和46年)
●新福菜館のラーメン
新福菜館のラーメン
平成9年の新横浜ラーメン博物館への出店時は、山内勝氏が陣頭指揮をとり運営していただきました。今回は、勝氏の長女夫婦が陣頭指揮をとり、この3週間、直系直伝の味を披露いただきます。
・スープ
スープは鶏ガラを主体に豚の旨みをうまく調合。タレは創業から使用している京都の老舗醤油製造所「五光醤油」の熟成濃口醤油をベースに豚の旨みが加わります。
「五光醤油」の熟成濃口醤油がベース
・麺
麺は、近藤製麺の中太のストレート麺。実はこの麺、創業者の徐氏が当時うどんを製造していた近藤製麺に指導をしてできたもの。新福菜館の麺は近藤製麺の一子相伝の技術で今も特注の麺となっています。
特注の中太ストレート麺
・具材
具は何と言っても表面を覆うチャーシューとネギ。創業時からこのスタイルを貫いています。1日に80kg近く使用するというチャーシューは「白身」と「赤身」をバランスよく配置。
表面を覆うチャーシューとネギ
・新福菜館名物「ヤキメシ」
新福菜館のもう1つの看板メニューが黒い「ヤキメシ」。
前述通り、このメニューは山内勝氏が昭和40年代後半に考案したメニュー。チャーシューの端が残るのがもったいないと考え、勝氏が大の玉子好きだったことが誕生経緯とのこと。ラーメン同様に黒味のかかったヤキメシの秘密は、ラーメンに使用する醤油ダレで味付けているからです。
新福菜館の名物「ヤキメシ」
「新福菜館」の更に詳しい情報はこちら
https://note.com/ramenmuseum/n/nf8f5c2c914cf
あの銘店をもう一度
京都「新福菜館」に続く20店舗目には、アメリカ・ニューヨーク「YUJI RAMEN」にご出店いただきます。
出店期間は、2023年8月8日(火)~8月28日(月)の3週間となっております。(※第21弾以降の出店スケジュールは、改めてお知らせいたします)
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