ハネウェルとレシファーム、地球温暖化係数(GWP)がほぼゼロ...

ハネウェルとレシファーム、地球温暖化係数(GWP)が ほぼゼロの噴射剤を使用した吸入器の開発を加速

加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)のカーボンフットプリントを削減し、 温室効果ガス排出が少ない呼吸器治療薬への移行を加速するためのパートナーシップ

米ニュージャージー州モリスプレーンズ/ストックホルム 2023年8月30日 - ハネウェル(Nasdaq:HON)と世界的な医薬品開発製造受託機関(CDMO)であるレシファーム(Recipharm)社は先日、地球温暖化係数(GWP)がほぼゼロのハネウェルの噴射剤を使用した加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)の開発の加速を図るため業務提携を締結したことを発表します。


慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者数は世界中で約3億8,400万人に及び、喘息は世界で約2億6,200万人が罹患しています[1]。現在これらの患者の多くが受ける治療に使用されるpMDIの噴射剤には、GWPの高いハイドロフルオロアルカン(HFA)が用いられています。


ハネウェルのSolstice(R) Air (ソルスティス(R) エア)(HFO-1234ze(E) cGMP*)は、現在pMDI用途で臨床開発中のハイドロフルオロオレフィン(HFO)噴射剤で、HFAに比べてGWPを99.9%低減します。さらに、ハネウェル ソルスティス エアは不燃性(注:国内では特定不活性**)でオゾン層を破壊せず、米国の連邦・州のガイドラインで揮発性有機化合物(VOC)規制対象外に指定されています。


ハネウェル、発泡剤&工業用途製品担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのローラ・ラインハードは「pMDIによる治療を必要とする患者の方々のニーズを満たしながら温室効果ガスを削減するために、ハネウェルは大きな一歩を踏み出しました。当社とレシファームとの提携を通じてGWPがほぼゼロのpMDI用噴射剤の使用が広がることにより、環境に与える影響を低減し、また、pMDIの性能を損なうことなく、患者の方々が必要とする、彼らの命を救う治療ができるようになります」と述べています。


レシファーム、アドバンスト・デリバリー・システム事業ユニット社長のクリス・ハースト氏は「当社はソルスティス エアの使用に関してハネウェル社と提携した初のCDMOです。この提携は、温室効果ガスを削減した次世代pMDIの開発に向けた我々の顧客が経る道筋を大幅に加速し、また簡素化するものです。この提携に伴いレシファームは、当社の英国ホルムズチャペル拠点にHFO-1234ze(E) cGMPを用いる製造設備に対する投資および、要求される水準の製品性能を確保するためにBespak(R)バルブシリーズのさらなる開発を行っています」と述べました。


ハネウェルとの提携は、レシファームが製薬会社向けの需要増加に応えるため、pMDI製品の開発・製造能力を拡張するとの発表( https://www.recipharm.com/press-releases/recipharm-offers-services-enable-switch-next-generation-pmdi-propellants )に続くものです。この製品の研究は、米ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パークにあるレシファームの吸入器専用開発施設で行われます。


また、市場をリードするレシファームのBespak(R)バルブは、ハネウェル ソルスティス エアを噴射剤として含有する製品に向け、その性能を確実に発揮できるよう最適化されており、レシファームの顧客は同シリーズのバルブのメリットを十分享受することができます。


ハネウェルは冷媒、発泡剤、エアゾール噴射剤、溶剤として用いられるソルスティス製品技術の研究開発および製造設備の新設に既に10億ドル以上の投資を実施しました。これまでに世界で導入されたソルスティス製品群によって削減されたCO2排出量は3億2,600メトリックトンを超え、この量は1年あたり自動車7千万台分の排出量削減に相当します[2]。ハネウェル ソルスティス エアの詳細、用途や、使用によるメリットについては https://sustainability.honeywell.com/us/en をご覧ください。


ハネウェルは、2035年までに自社の事業と施設でのカーボンニュートラル達成にコミットしています。ハネウェルが2022年に実施した新製品に関する研究開発投資のうち約60%は、顧客のESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みに寄与するものです[3]。


レシファームはサステナビリティに注力するCDMOとして、科学的根拠に基づく目標イニシアチブ (SBTi)にコミットしており、2030年までに、自社の直接事業からの排出量42%削減、バリューチェーン全体からの排出量25%削減を達成するという意欲的で透明性の高い目標を設定しています。また、レシファームはCDPから気候に関するB評価を得ており、自社が気候に与える影響を管理していることが裏付けられています。サステナビリティに向けたレシファームの取り組みについて詳しくは、このレポート( https://www.recipharm.com/sites/recipharm-corp/files/recipharm/sustainability/sustainability-reports/Recipharm_Sustainability_Report_2022.pdf )をご覧ください。



注釈:

* cGMP:現行 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準 (Current Good Manufacturing Practices)、アメリカ食品医薬品局(FDA)の制度。

** 高圧ガス保安法による分類



■ハネウェルについて

ハネウェル( www.honeywell.com )は、航空宇宙分野の製品およびサービス、ビル・産業向け制御テクノロジー、パフォーマンスマテリアルズなどを世界中のお客様に提供しています。当社は、テクノロジーの力で航空機、ビル、工場、物流、作業者など、あらゆるヒトやものを「つなぎ」、よりスマートで、より安全で、より持続可能な世界を目指します。ニュースや詳しい情報は、 www.honeywell.com/newsroom をご覧ください。


■レシファーム(Recipharm)について

レシファームは、製薬業界をリードする医薬品開発製造受託機関(CDMO)であり、約9,000人の従業員を擁しています。当社は様々な投薬形態の医薬品や生物製剤の製造サービス、臨床試験材料や原薬(API)の製造、医薬品の製品開発、医療機器の開発・製造に従事しており、大手製薬会社から小規模の研究開発会社まで幅広い顧客に向けて、数百種類の製品を製造しています。フランス、ドイツ、インド、イスラエル、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国、米国で開発・製造施設を運営し、スウェーデンのストックホルムに本社を置いています。

レシファームおよび同社のサービスに関する詳細は www.recipharm.com をご覧ください。



1. 出典 The Global Asthma Network. The Global Asthma Report 2022. (グローバル喘息ネットワーク、「グローバル喘息レポート2022」) [オンライン] http://www.globalasthmanetwork.org/ World Health Organization.(The top 10 causes of death) (WHO世界保健機関、「死因トップ10」)[オンライン] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/the-top-10-causes-of-death

Adeloye D, et al. Global Health Epidemiology Reference Group (GHERG).(Global and regional estimates of COPD prevalence: Systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2015; 5 (2): 020415.) (「世界および地域別COPD有病率推定:システマティックレビューとメタ分析」)

2. 2010年1月から2022年12月までのソルスティス製品の販売実績(単位:インチ・ポンド)に基づき、米国EPA(環境保護庁) GHG換算シミュレータで換算した値。

3. ESGに寄与するソリューションを特定する方法の詳細は investor.honeywell.com (サイト内の"ESG/ESG Information/Identification of ESG-Oriented Offerings")に記載。

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