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葉加瀬太郎『THE SHOW TIME』全国44公演 コンサートツアー開幕!

 葉加瀬太郎、年末まで続く秋のコンサートツアーが9月8日(金)神奈川:よこすか芸術劇場で幕を開けた。タイトルは『葉加瀬太郎 コンサートツアー 2023 THE SHOW TIME』。
 このツアーは8月2日に発売されたニュー・アルバム『THE SHOW TIME』を携えて行なわれる。ニュー・アルバムは、葉加瀬太郎にとって初のライヴ・アルバムであり、2022年のコンサート・ツアー [BEAUTIFUL WORLD] より、厳選された音源をセレクト。お馴染みのスーパーバンド(羽毛田丈史:Pf、大島俊一:Key,Sax.etc、柏木広樹:Vc、田中義人:Gt、天野清継:Gt、八巻誠:Manip、屋敷豪太:Dr、渡辺等:Ba、田中倫明:Per)との名演が収録されている。
 今年の春のコンサートは「NH&K TRIO」(ヴァイオリニストの葉加瀬太郎、ピアニストの西村由紀江、そしてチェリストの柏木広樹という3人)をフィーチャーし、スーパーチェンバーミュージック~Adagio~と銘打たれていた。大ホールでアコースティックな室内楽をパフォーマンスするという新しい試みは話題となり、大きな評価を得たことはまだ記憶に新しい。一転して秋の本ツアーは例年の通り、エレクトリック楽器やコンピューターも使ったハイブリッドなサウンドでのパフォーマンスが展開される。メンバーはこの3年、不動のスーパーバンドの面々。この豪華なメンバーを4カ月にもわたって押さえるのは大変だ。それを可能にしているのは葉加瀬太郎というアーティストの求心力に違いない。
 コンサートは「The Mission to Complete」でスタート。ギターのリフが007的な “スパイもの” である。このようなアレンジの幅の広さも葉加瀬太郎の音楽に楽しさを添えている。続いてニュー・アルバムにも収録されている「Trip of Dream」「オルクドール~プラチナの風」「To Love You More」「Feather and Leaf」。まず哀愁漂うメロディが印象的な「Trip of Dream」。そして心地よいテンポ感と爽快なアレンジがヴァイオリンのメロディを引き立てる「オルクドール~プラチナの風」。この曲では大島の操るテルミンが素晴らしい味を出していた。飛び道具的な扱いを受けがちなテルミンが、これほどまでにヒューマンな音色で楽器として奏られているのは感動的ですらある。さらに、95年の葉加瀬太郎とセリーヌ・デュオンとの共演で広く知られる名曲「To Love You More」。続いては、バンドの音楽監督である羽毛田と葉加瀬の共作であり、前半はピアノの伴奏だけをバックに後半はバンド全体で壮大に盛り上げるバラード「Feather and Leaf」。そしてこれまでに何度もリテイクされてきた人気曲「Wild Stalloins」で前半を終える。

 休憩をはさんで始まった後半は、ニュー・アルバムでも聴ける「瑞風~MIZUKAZE~」「ひまわり」でスタート。葉加瀬太郎本人も特にお気に入りの曲たちである。爽やかなこの2曲は、長丁場になるコンサートの中で一服の清涼剤として作用していた。そして、お馴染み “ヴァイオリンを弾こう” のコーナーは、挙手で選ばれたヴァイオリン初心者のお客様が1名、客席からステージに上がって葉加瀬太郎にヴァイオリンの弾き方を指導してもらうという、ヤラセなしのぶっつけ本番。このようなハプニング性の強いコーナーも綺麗にまとめてしまう、司会者としての力量も流石である。さあ、いよいよコンサートも終盤を迎え「エトピリカ」「Asian Roses」「新世界」と続く。ニューアルバムには収録されていないが、ファンには人気の高い曲たちだ。そして、いつもコンサートのハイライトとなるノリノリの「情熱大陸」が始まる。なんと今回より、これまでコロナ禍の影響で自粛されてきた、コンサート・グッズである “はかせんす” が復活。曲に合わせて4色の “はかせんす” 客席を舞う華やかな光景を見るのは久しぶりのことである。
 一旦終了したステージではあるが、客席では「情熱大陸」の興奮の余韻も覚めやらぬ大声援の嵐。再びメンバーがステージに現れ、始まったアンコールは「博士ちゃん」。ダンサブルなアレンジのこの曲では踊りのパフォーマンス、メンバー全員のソロもフィーチャーされ、コンサートはいよいよクライマックスを迎える。客席で振られていた “たろちゃんタオル” も曲を盛り上げていた。突き抜けんばかりの派手派手でノリノリのアレンジと演出は、葉加瀬太郎のコンサートの魅力の一つである。

 彼の作る曲は、どの曲もとにかく力強いメロディが印象的だ。以前、ご本人へのインタビューで聞いた話であるが、彼の曲は作曲されたばかりの時点ではもっと複雑なメロディやリズム・アレンジであることが多いそうだ。それらを削ぎ落としながら、誰もが口ずさめるような曲に仕上げるのである。シンプルでありながら人の心を打つメロディは、そのようにして生まれる。
 クラシックをルーツに持ちながらもジャンルを超えたクロスオーバーな活動にチャレンジし、ヴァイオリンという歴史ある楽器の美しい音色を現在のポピュラー音楽の中でフィーチャーする。これが葉加瀬太郎の世界である。

 本日9月8日よこすか芸術劇場を皮切りに、ツアー初日に発表になったNHKホールの追加公演を含む全国34箇所、44公演におよぶこのツアー。葉加瀬太郎は12月30日&31日の日本武道館までを全力で駆け抜ける。これだけの数をこなした最後が日本武道館2Daysというのが、現在の葉加瀬太郎のアーティストとしての勢いを表している。葉加瀬をはじめメンバー全員が奏でる素晴らしい演奏と音色、軽快なトーク、そして楽しさ満点の演出。誰もがハッピーな気分になれる葉加瀬太郎流のエンタテインメントを是非、このツアーで体験していただきたい。
葉加瀬太郎 プロフィール
1990年KRYZLER&KOMPANYのヴァイオリニストとしてデビュー。 セリーヌ・ディオンとの共演で世界的存在となる。 1996年にKRYZLER&KOMPANYを解散後、ソロでの活動を開始。 2002年、自身が音楽総監督を務めるレーべルHATSを設立。 2007年秋から、原点回帰をテーマにロンドンへ拠点を移す。 自身のコンサートツアーに於いてはワールドツアーや全都道府県ツアー、オー ケストラコンサートツアーを行うなど、1年を通して100本近い公演を毎年休むことなく開催し、日本全国、そして世界に向け葉加瀬太郎の音楽を発信し続けている。また、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションも数多く、年々支持層も拡大している。令和4年4月1日付で、東京藝術大学客員教授に就任。今後も公演を中心に多方面に活動の場を広げ、唯一無二、独自の世界を作り上げていく。


9月8日(金) 神奈川:よこすか芸術劇場
9月10日(日) 群馬:高崎芸術劇場 大劇場
9月12日(火) 新潟:新潟県民会館
9月16日(土) 山形:やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)
9月17日(日) 福島:けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)大ホール
9月22日(金) 大阪:フェニーチェ堺 大ホール
9月24日(日) 香川:レクザムホール 大ホール
9月30日(土) 富山:富山オーバード・ホール 大ホール
10月1日(日) 長野:キッセイ文化ホール
10月4日(水) 神奈川:神奈川県民ホール 大ホール
10月6日(金) 宮城:東京エレクトロンホール宮城
10月7日(土) 宮城:東京エレクトロンホール宮城
10月9日(月・祝) 静岡:アクトシティ浜松 大ホール
10月14日(土) 大阪:フェスティバルホール
10月15日(日) 大阪:フェスティバルホール
10月17日(火) 東京:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
10月21日(土) 和歌山:和歌山県民文化会館
10月22日(日) 兵庫:アクリエひめじ 大ホール
10月28日(土) 熊本:熊本城ホールメインホール
10月29日(日) 熊本:熊本城ホール メインホール
11月2日(木) 兵庫:神戸国際会館 こくさいホール
11月4日(土) 広島:広島文化学園 HBGホール
11月5日(日) 広島:広島文化学園 HBGホール
11月11日(土) 大阪:オリックス劇場
11月12日(日) 埼玉:大宮ソニックシティ
11月15日(水) 茨城:水戸市民会館 グロービスホール
11月18日(土) 山梨:YCC県民文化ホール 大ホール
11月19日(日) 神奈川:神奈川県民ホール 大ホール
11月23日(木・祝) 北海道:苫小牧市民会館
11月24日(金) 北海道:札幌文化芸術劇場 hitaru
11月26日(日) 千葉:松戸・森のホール21
12月1日(金) 愛知:愛知県芸術劇場 大ホール
12月2日(土) 愛知:愛知県芸術劇場 大ホール
12月3日(日) 愛知:愛知県芸術劇場 大ホール
12月13日(水) 三重:三重文化会館
12月14日(木) 大阪:フェスティバルホール
12月16日(土) 京都:ロームシアター京都 メインホール
12月17日(日) 岡山:倉敷市民会館
12月23日(土) 福岡:福岡サンパレス
12月24日(日) 福岡:福岡サンパレス
12月30日(土) 東京:日本武道館
12月31日(日) 東京:日本武道館

― 追加公演 ―
12月9日(土) 東京:NHKホール
12月10日(日)東京:NHKホール
キョードー東京 0570-550-799

全公演チケット料金:全席指定¥9,900(税込)※4歳以下入場不可

公式ホームぺージ https://taro-hakase.com

本文:近藤正義 photo:スージー
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