約半数が結婚前後で食生活が変化 いつまでも「いい夫婦」でいられるための 食空間の一工夫
2023.11.07 12:45
積水ハウス株式会社は、11月22日の「いい夫婦の日」に向けて、よりよい夫婦の暮らしのご提案を目的に、全国の20~60代の既婚男女を対象に「いい夫婦の日に関する調査」を実施しました。
積水ハウスの研究機関の住生活研究所では、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求のために「住めば住むほど幸せ住まい」研究として様々な調査を実施しています。今年の「いい夫婦の日」に向けて、結婚前後で最も大きく変化したことを聞いたところ、「食生活」であることがわかりました。今回はそんな「食生活」について、結婚前後での変化や、食事の準備の家事分担状況、夫婦の食生活における要望などを調査しました。
~調査サマリー~
・45.8%が結婚前後で「食生活」に変化あり。自宅で食事をする回数や、品数が増加する傾向に。
・77.6%の夫婦は主に妻が料理。まだまだ女性が料理を担っている一方、20-30代男性の約半数は「料理好き」。
・8割以上の夫婦が「休日の夕食」をよく一緒に食べている。 |
結婚前後での食生活の変化や、夫婦の食事に関する調査結果をはじめ、夫婦の「食」をより幸せにするために住まいに盛り込みたい「幸せTips」もご紹介します。
結婚前後で最も変化するのは食生活 自宅での「食」がより豊かに
結婚前後で最も変化が大きいのは食生活であることがわかりました。結婚前後の概ね1年間を比較して大きく変化したことを聞いたところ、「食生活」が45.8%で1位でした。2位以下は、「買い物」38.6%、「金銭感覚」33.4%が続きます。
食生活は、結婚前後でどのように変化するのでしょうか。自宅で食事をする回数と、自宅での食事の品数は、4割以上の人が結婚後に「増えた」ようです。さらに、自宅でおやつやお茶を楽しむ回数は32.7%、お酒を楽しむ回数も24.8%が「増えた」と回答しており、結婚後は食生活が豊かになった人が多いといえるでしょう。夫婦団らんの時間として、自宅で食を楽しむ機会が増えた人もいるのではないでしょうか。
結婚後の「食」に関するメリットは、それだけではないようです。結婚してよかったと感じる食事の変化では、1位が「一緒に食事をするようになった」26.6%、2位が「食事の時間が楽しくなった」22.8%と、誰かと一緒に食事をする楽しさを感じている人が多いことがわかりました。とくに「自宅で食事をする回数が増えた」人はその傾向が大きく、「一緒に食事をするようになった」が38.3%、「食事の時間が楽しくなった」が30.1%でした。他にも「料理のレパートリーが増えた」「健康管理ができるようになった」等も全体の約2割が回答し、様々なメリットがあることが読み取れます。また、夫婦が自宅で会話をするタイミングは「食事をしているとき」が67.4%で最多でした。食事の時間は夫婦のコミュニケーションのためにも大切といえそうですね。
77.6%の夫婦は「主に妻が料理」をする一方、20-30代男性の約半数は「料理好き」
料理を作る人を聞いたところ「主に妻が作る」が77.6%と、料理はまだまだ妻に任せっきりの夫婦が多いことがわかりました。年代別では若いほど分担が進んでいることも読み取れ、「主に妻が作る」割合は20代で60.0%、30代で73.0%、40代以上は約8~9割でした。働き方別では、フルタイム共働き夫婦では「主に妻が作る」が61.6%、「主に夫が作る」が15.2%でしたが、妻がパート・アルバイトや、片働き夫婦では、「主に妻が作る」が8割以上。妻の働く時間が長くなるほど夫の料理参加率が高まっていることから、仕事の負担と家事分担のバランスを上手に調整し、助け合っていることが予想されます。「主に2人で一緒に作る」「主に交代で作る」は全ての年代や働き方で1割以下でした。
一方で、若い世代を中心に男性でも料理好きは多いようです。料理好きが最も多かったのは20代男性で、「好き」「どちらかといえば好き」の合計は50.0%でした。また、男性の30代、女性の20代も約半数が料理好きであることがわかりました。女性の30代、50代、60代の女性のうち「嫌い」「どちらかというと嫌い」と回答した人は4割以上でした。「料理嫌い」は女性の方が多い傾向のようです。主に女性が料理を担っていることを考えると、義務感で料理をしていることも推察されます。
平日の夕食準備担当は妻の勤務形態で大きな差が 働き方の変化とともに家事分担は広がるのか
夫婦がよく一緒に食事をするタイミングを聞いたところ、最も多いのは「休日の夕食」81.5%で、「休日の昼食」66.3%、「平日の夕食」65.5%が続きました。一方で、平日の朝食は一緒に食べている割合が3割以下に。朝は準備で忙しく、食事の時間を合わせられない夫婦もいるのではないでしょうか。
よく一緒に食事するタイミングの上位の3つの回答について、誰が準備することが多いかを聞いたところ、休日の夕食は「妻が10割」準備している夫婦が45.2%、「妻8-9割:夫1-2割」が23.0%でした。休日の昼食も、半数以上の夫婦は「妻10割」または「妻8-9割:夫1-2割」でした。平日の夕食も、半数以上の夫婦は「妻が10割」準備しているようですが、その割合は夫婦の勤務形態によって大きな差がありました。共働き世帯は、妻がフルタイム勤務の夫婦は「妻が10割」が32.6%でしたが、妻がパート・アルバイトと専業主婦の夫婦ではその割合は半数以上です。女性の働き方の変化とともに、少しずつ料理分担も進んでいくのかもしれませんね。
夫婦の食生活において求めることは人それぞれ 夫婦にあった食空間づくりがポイントに
夫婦の食生活に求めること1位は「できるだけ食費を節約したい」36.8%で、昨今の物価上昇の影響が結果に表れていることも予想されます。2位の「栄養の偏りを減らしたい」32.8%や、「相手の健康を思いやりたい」26.8%など、自身や大切な人の健康を気に掛ける声も多く挙がりました。「調理、後片付けの時間を短くしたい/簡単にしたい」といった家事関連、「なるべく自宅で食事をしたい」「自宅に心地よい食事空間を作りたい」といった自宅での食にこだわる人もそれぞれ約2割と、夫婦の食生活において求めることの多様さが読み取れます。
4つの「幸せTips」で、夫婦の「食」をもっと幸せに
調査では、約4割の人が結婚前後で自宅で食事をする回数や、食事の品数が増えており、自宅での「食」がより豊かになっていることがわかりました。また、若い世代や共働きでは料理を分担している様子がうかがえた一方、まだまだ妻に任せっきりになってしまっている人が多いことも読み取れました。夫婦がいつまでも元気で暮らしていくためにも、食生活は大切な要素です。これからは夫婦で協力しながら料理をしてみてはいかがでしょうか。一緒に作って食べることで、自宅の食事の時間がより豊かで楽しいものになるかもしれません。
積水ハウスでは、より「食」の時間を楽しいものにするためのキッチンやダイニング空間を提案しています。ここでは、住まいの食空間に盛り込みたい4つの「幸せTips」をご紹介します。
1)夫婦で料理しやすいキッチン:夫婦一緒に料理の時間を楽しめるように、それぞれが作業しやすいキッチン空間が大切です。ポイントとなるのは作業台。夫婦それぞれの作業場所を設けることが重要です。今お住まいのご自宅でも、ワゴンや置き型のカウンターを活用すれば、キッチンの作業スペースを確保することができます。
2)一緒に食べられなくても同じ空間に:忙しい平日の朝は夫婦揃って食事をするのは難しい人も多いですよね。そこで、朝の身支度やお弁当詰めをダイニングテーブルで行ってみてはいかがでしょうか。同じ空間にいるだけで自然とコミュニケーションが生まれ、孤食を防ぐことにもつながります。ダイニングテーブルは大きめのサイズを選ぶことがおすすめ。食事以外に仕事や趣味でも活用できますよ。
3)シーンや気分に合わせた複数の食空間:夫婦一緒に食事やおやつ、晩酌をする際、その時の気分やシーンに合わせた空間だとより楽しい時間が過ごせますよね。天気が良い日はベランダにテーブルや椅子を持ち出してブランチ、晩酌は照明にこだわった雰囲気の良いキッチンカウンターで、などちょっとした工夫でそれぞれのシーンに合った空間になります。シーンや気分に合わせて使い分けができるよう、食空間を複数設けることで、普段のおうちごはんをより楽しく特別な時間にしてみてはいかがでしょうか。
4)たくさんの食品がストックできる収納:食費節約のために安い時にまとめ買いしたり、ふるさと納税の返礼品の食品が大量に届いたりと、食材のストックが増えることもあるのではないでしょうか。キッチンをすっきりとした空間にするために、キッチン周りに専用の収納場所を確保しておくとよいでしょう。今ある収納の一部を食料の収納場所にするのもおすすめです。扉付きの収納や、生活の裏動線に収納を作れば、居住スペースがすっきりした空間になります。
ぜひ皆様も4つの「幸せTips」を参考に、キッチンやダイニング空間の工夫を住まいに盛り込んで、もっと幸せなおうちごはんを楽しんでみてはいかがでしょうか。
住生活研究をはじめとする住まいの専門家 河崎由美子メッセージ
今回の調査で、結婚前後で1番大きく変化したのは、「食生活」でした。
コロナをきっかけに、家で食べるという日常の生活シーンに、改めて幸せを感じた人も多かったのではないでしょうか。食生活は、夫婦のコミュニケーションを高めるだけでなく健康づくりにも大切な習慣です。食事を作るときは、愛情的にもフードロス的にも、残さず食べたいものですが、幸せ太りには気をつけて、バランス良い食生活を目指してほしいと思います。
財団法人余暇開発センターが11月22日を「いい夫婦の日」と定め、夫婦で余暇を楽しむライフスタイルを提唱して制定してから、35年。いい夫婦の日は、家で作る・食べるだけでなく、スイーツを買ってみたり、外食を楽しんだりして、夫婦がお互いに感謝を伝えあえる日になるといいですね。
河崎由美子 フェロー R&D本部
1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。
執行役員、住生活研究所長を経て2023年4月より現職。一級建築士。
<「いい夫婦の日に関する調査」調査概要>
調査期間:2023年9月1日~4日
集計対象人数:500人
集計対象:全国の20~60代の既婚男女
<記事などでのご利用にあたって>
・引用元が「積水ハウス株式会社 住生活研究所」による調査である旨と、引用元調査「いい夫婦の日に関する調査(2023年)」の記載をお願いします。
・積水ハウス ウェブサイトの該当記事
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20231107/
へのリンク追加をお願いします。
<住生活研究所について>
積水ハウスが2018年に開所した、日本の企業として初めて「幸せ」を研究する研究所です。
人・暮らしの視点で、ライフステージ・ライフスタイル、そしてこれからの住まいのあり方の調査・研究を行っています。今後迎える「人生100年時代」には、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求が重要と考え、時間軸を意識した「住めば住むほど幸せ住まい」研究に取り組んでいます。研究を通して、幸せという無形価値、つまり「つながり」「健康」「生きがい」「私らしさ」「楽しさ」「役立ち」といった幸福感を高め、家族やライフスタイルの多様な変化に対応する幸せのかたちをお客さまへご提案することを目指しています。
ウェブサイト:https://www.sekisuihouse.co.jp/company/rd/humanlife/
これまでの調査リリース:https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/
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