2023年度上原記念生命科学財団 上原賞受賞者及び各種助成金受領者決定のお知らせ
2023.12.13 16:00
公益財団法人上原記念生命科学財団(東京都豊島区、理事長:上原明/大正製薬ホールディングス株式会社代表取締役社長)は、12月13日(水)に開催した理事会において、2023年度上原賞・各種助成金贈呈対象者を決定しましたので、お知らせいたします。
今年度の上原賞は2名、各種助成件数は324件、助成金総額(上原賞副賞を含む)は12億9,705万円となりました。
今年度の上原賞は2名、各種助成件数は324件、助成金総額(上原賞副賞を含む)は12億9,705万円となりました。
上原賞 2名 副賞1件 3,000万円
※掲載は五十音順
○岩坪 威 氏 東京大学 大学院医学系研究科 神経病理学分野 教授
対象となった研究業績
「アルツハイマー病・認知症性疾患の分子病態解明と治療薬の実用化」
「アルツハイマー病・認知症性疾患の分子病態解明と治療薬の実用化」
○西川 博嘉 氏 国立がん研究センター 研究所 腫瘍免疫分野 分野長
対象となった研究業績
「がん遺伝子異常がもたらす免疫抑制機序の解明と治療への応用」
「がん遺伝子異常がもたらす免疫抑制機序の解明と治療への応用」
各種助成金 324件 12億3,705万円
○特定研究助成金: 20 件 7,000 万円
○研究助成金(1 件 500 万円): 80 件 4 億円
○研究推進特別奨励金(1 件 400 万円): 10 件 4,000 万円
○研究奨励金(1 件 200 万円): 90 件 1 億 8,000 万円
○海外留学助成金 : 55 件 3 億 510 万円
○若手海外留学支援金: 35 件 1 億 8,730 万円
○その他
・国際シンポジウム開催助成金: 24 件 2,000 万円
・来日研究生助成金: 10 件 3,465 万円
公益財団法人上原記念生命科学財団は、1985 年の設立以来、今年度で 39 年目となります。2023 年度までの生命科学に関する諸分野の研究に対する助成(上原賞含む)は約 11,500 件、約 371 億円になります。
○研究助成金(1 件 500 万円): 80 件 4 億円
○研究推進特別奨励金(1 件 400 万円): 10 件 4,000 万円
○研究奨励金(1 件 200 万円): 90 件 1 億 8,000 万円
○海外留学助成金 : 55 件 3 億 510 万円
○若手海外留学支援金: 35 件 1 億 8,730 万円
○その他
・国際シンポジウム開催助成金: 24 件 2,000 万円
・来日研究生助成金: 10 件 3,465 万円
公益財団法人上原記念生命科学財団は、1985 年の設立以来、今年度で 39 年目となります。2023 年度までの生命科学に関する諸分野の研究に対する助成(上原賞含む)は約 11,500 件、約 371 億円になります。
上原賞受賞者
◆受賞者氏名: 岩坪 威(イワツボ タケシ)博士(医学)
◆所属機関および役職: 東京大学 大学院医学系研究科 神経病理学分野 教授
◆生年月日:1960年 2月14日生
◆略歴:
1984年 3月 東京大学 医学部 卒業
1984年 6月 東京大学 医学部附属病院 内科 研修医
1986年10月 東京大学 医学部附属病院 神経内科 医員
1987年 1月 日本赤十字社医療センター 神経内科 医師
1988年 1月 東京都老人医療センター 神経内科 医師
1989年12月 東京大学 医学部附属脳研究施設 脳病理学部門 助手
1992年10月 東京大学 薬学部 機能病態学教室 客員助教授
1996年 8月 東京大学 薬学部 臨床薬学教室 助教授
1998年 9月 東京大学 大学院薬学系研究科 生命薬学専攻臨床薬学教室 教授
2007年 9月 東京大学 大学院医学系研究科 神経病理学分野 教授
2020年 4月 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 所長(兼)
◆受賞対象となった研究業績
「アルツハイマー病・認知症性疾患の分子病態解明と治療薬の実用化」
加齢性神経変性・認知症性疾患の病態を解明し、アルツハイマー病疾患修飾療法の標的と作用メカニズムを明示した。アルツハイマー病では、老人斑の主要成分がアミロイドβ( Aβ)42ペプチドであることを証明し、家族性アルツハイマー病遺伝子プレセニリンの病因変異が Aβ42の産生を高めることを発見した。更に、プレセニリンを活性中心に有するγセクレターゼ複合体の形成機構と構造機能連関メカニズムを解明した。これら成果の実用化に向け大規模臨床研究J-ADNIを組織し、治療薬の治験・実用化体制を築き上げ、抗アミロイドβ抗体薬レカネマブの治験を成功に導いた。近年では、アクアポリン 4 分子が神経細胞内タウ蓄積の進展と細胞変性を防御する機能を有することを発見し、グリンパティッククリアランスを新規の神経変性予防治療の標的メカニズムと位置づけた。また、パーキンソン病ならびにレビー小体型認知症についてもα-synuclein を病因タンパク質として確立した。今後も神経変性病因タンパク質の抑制を通じたより有効性の高い新規治療法の開発と実用化が大いに期待される卓越した研究業績である。
◆所属機関および役職: 東京大学 大学院医学系研究科 神経病理学分野 教授
◆生年月日:1960年 2月14日生
◆略歴:
1984年 3月 東京大学 医学部 卒業
1984年 6月 東京大学 医学部附属病院 内科 研修医
1986年10月 東京大学 医学部附属病院 神経内科 医員
1987年 1月 日本赤十字社医療センター 神経内科 医師
1988年 1月 東京都老人医療センター 神経内科 医師
1989年12月 東京大学 医学部附属脳研究施設 脳病理学部門 助手
1992年10月 東京大学 薬学部 機能病態学教室 客員助教授
1996年 8月 東京大学 薬学部 臨床薬学教室 助教授
1998年 9月 東京大学 大学院薬学系研究科 生命薬学専攻臨床薬学教室 教授
2007年 9月 東京大学 大学院医学系研究科 神経病理学分野 教授
2020年 4月 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 所長(兼)
◆受賞対象となった研究業績
「アルツハイマー病・認知症性疾患の分子病態解明と治療薬の実用化」
加齢性神経変性・認知症性疾患の病態を解明し、アルツハイマー病疾患修飾療法の標的と作用メカニズムを明示した。アルツハイマー病では、老人斑の主要成分がアミロイドβ( Aβ)42ペプチドであることを証明し、家族性アルツハイマー病遺伝子プレセニリンの病因変異が Aβ42の産生を高めることを発見した。更に、プレセニリンを活性中心に有するγセクレターゼ複合体の形成機構と構造機能連関メカニズムを解明した。これら成果の実用化に向け大規模臨床研究J-ADNIを組織し、治療薬の治験・実用化体制を築き上げ、抗アミロイドβ抗体薬レカネマブの治験を成功に導いた。近年では、アクアポリン 4 分子が神経細胞内タウ蓄積の進展と細胞変性を防御する機能を有することを発見し、グリンパティッククリアランスを新規の神経変性予防治療の標的メカニズムと位置づけた。また、パーキンソン病ならびにレビー小体型認知症についてもα-synuclein を病因タンパク質として確立した。今後も神経変性病因タンパク質の抑制を通じたより有効性の高い新規治療法の開発と実用化が大いに期待される卓越した研究業績である。
上原賞受賞者
◆受賞者氏名: 西川 博嘉(ニシカワ ヒロヨシ)博士(医学)
◆所属機関および役職: 国立がん研究センター 研究所 腫瘍免疫分野 分野長
◆生年月日: 1970 年 8 月 12 日生
◆略 歴:
1995 年 3 月 三重大学 医学部 医学科 卒業
1995 年 4 月 三重大学 医学部附属病院 研修医
1995 年 10 月 松阪中央総合病院 研修医
1997 年 4 月 鈴鹿中央総合病院 内科医員
1998 年 4 月 三重大学 大学院医学研究科 入学
2002 年 3 月 三重大学 大学院医学研究科 修了
2002 年 4 月 三重大学 医学部附属病院 内科医員
2003 年 4 月 Memorial Sloan Kettering Cancer Center リサーチフェロー
2006 年 4 月 三重大学 大学院医学系研究科 病態解明医学講座 講師
2010 年 4 月 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学 特任准教授
2012 年 4 月 Roswell Park Cancer Institute, Adjunct Associate Professor(兼)
2015 年 4 月 国立がん研究センター 研究所 腫瘍免疫研究分野 分野長/先端医療開発センター 免疫トランスレーションリサーチ分野 分野長
2016 年 4 月 名古屋大学 大学院医学系研究科 教授(クロスアポイントメント)
◆受賞対象となった研究業績
「がん遺伝子異常がもたらす免疫抑制機序の解明と治療への応用」
がん免疫は、PD-1 阻害剤などの成功により一挙にがん研究・がん医療の中心に躍り出たが、臨床的な有効性は未だ限定的で、がんと免疫が対峙するがん組織の微小環境での詳細な分子間相互作用の解明が喫緊の課題であった。生検組織の様な微量の検体から生きたまま免疫細胞を採取し、詳細な免疫解析を可能にする技術を独自に開発し、網羅的免疫応答解析およびゲノム解析を融合した新たな「免疫ゲノム研究」を創出した。これにより、がん免疫の分子基盤を次々と解明し続け、がん細胞が持つゲノム異常が免疫細胞の機能制御に直接かかわるという「Immuno-genomic cancer evolution:免疫ゲノムがん進化説」という新たな仮説を提唱し、世界のがん免疫学を牽引し続けている。PD-1 阻害剤治療での患者層別化バイオマーカーの発見と解析技術開発による臨床への応用、腫瘍浸潤 CD8+T 細胞および制御性 T 細胞における PD-1 の発現機序および機能の解明、がん細胞のゲノム変異による免疫制御環境構築の発見は特筆すべき研究成果である。基礎研究としての発展はもとより、臨床診断機器の開発やがん免疫ゲノムプレシジョン治療への展開といった臨床応用への発展が期待される、世界をリードする革新的な研究業績である。
◆所属機関および役職: 国立がん研究センター 研究所 腫瘍免疫分野 分野長
◆生年月日: 1970 年 8 月 12 日生
◆略 歴:
1995 年 3 月 三重大学 医学部 医学科 卒業
1995 年 4 月 三重大学 医学部附属病院 研修医
1995 年 10 月 松阪中央総合病院 研修医
1997 年 4 月 鈴鹿中央総合病院 内科医員
1998 年 4 月 三重大学 大学院医学研究科 入学
2002 年 3 月 三重大学 大学院医学研究科 修了
2002 年 4 月 三重大学 医学部附属病院 内科医員
2003 年 4 月 Memorial Sloan Kettering Cancer Center リサーチフェロー
2006 年 4 月 三重大学 大学院医学系研究科 病態解明医学講座 講師
2010 年 4 月 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学 特任准教授
2012 年 4 月 Roswell Park Cancer Institute, Adjunct Associate Professor(兼)
2015 年 4 月 国立がん研究センター 研究所 腫瘍免疫研究分野 分野長/先端医療開発センター 免疫トランスレーションリサーチ分野 分野長
2016 年 4 月 名古屋大学 大学院医学系研究科 教授(クロスアポイントメント)
◆受賞対象となった研究業績
「がん遺伝子異常がもたらす免疫抑制機序の解明と治療への応用」
がん免疫は、PD-1 阻害剤などの成功により一挙にがん研究・がん医療の中心に躍り出たが、臨床的な有効性は未だ限定的で、がんと免疫が対峙するがん組織の微小環境での詳細な分子間相互作用の解明が喫緊の課題であった。生検組織の様な微量の検体から生きたまま免疫細胞を採取し、詳細な免疫解析を可能にする技術を独自に開発し、網羅的免疫応答解析およびゲノム解析を融合した新たな「免疫ゲノム研究」を創出した。これにより、がん免疫の分子基盤を次々と解明し続け、がん細胞が持つゲノム異常が免疫細胞の機能制御に直接かかわるという「Immuno-genomic cancer evolution:免疫ゲノムがん進化説」という新たな仮説を提唱し、世界のがん免疫学を牽引し続けている。PD-1 阻害剤治療での患者層別化バイオマーカーの発見と解析技術開発による臨床への応用、腫瘍浸潤 CD8+T 細胞および制御性 T 細胞における PD-1 の発現機序および機能の解明、がん細胞のゲノム変異による免疫制御環境構築の発見は特筆すべき研究成果である。基礎研究としての発展はもとより、臨床診断機器の開発やがん免疫ゲノムプレシジョン治療への展開といった臨床応用への発展が期待される、世界をリードする革新的な研究業績である。
<参考資料>【いままでの上原賞受賞者一覧】(敬称略、所属・役職は受賞時)
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