エンビプロHD、レアアース磁石のリサイクル技術を持つ HyProMag社とMOUを締結
2024.06.17 09:00
この度、株式会社エンビプロ・ホールディングス(以下「当社」)は、イギリスのHyProMag Limited(以下「HyProMag」)と、レアアース磁石のリサイクルに関してMOUを締結し、連携を開始しました。
当社グループが日本国内における金属リサイクルの大手であり、NdFeB焼結磁石(以下「ネオジム磁石」)のリサイクルに着手し、またイギリスに拠点を構えていること等からMOU締結に至りました。
■ 本連携の目的
・HyProMagのリサイクル技術ならびにリサイクル磁石を日本で共同販売
・当社が供給するネオジム磁石スクラップのリサイクル試験をイギリスおよび日本で実施
・日本におけるネオジム磁石スクラップの市場調査
・日本におけるHyProMagのリサイクル技術の開拓に関する協力
ネオジム磁石は、風力発電設備や電気自動車の駆動用モーター、家電のコンプレッサーやHDD等に使われています。日本は、世界有数の磁石生産国ですが、技術、コスト面の課題によりリサイクル率は低いです。
国内では、ネオジム磁石含む永久磁石が、政府により特定重要物資に指定されています。原料となるレアアースは輸入することが多く、本連携により再生素材を国内で循環することで、限りある資源の有効活用を進めます。
当社グループは、モノづくり、地域を支えるサーキュラーエコノミーの2つのアプローチを通して、これからも価値が循環し続ける仕組みづくりに取り組んでいきます。
詳細についてはMkango Resources Limited*の英文資料をご覧ください。
■ HyProMag Limitedについて
HyProMagは、バーミンガム大学冶金・材料学部の磁性材料グループによる長年の研究を経て実証された「水素脆化廃磁石リサイクル技術」(以下「HPMS」) を実用化する為に2018年に設立されました。同社は、希土類磁性材料、合金、水素技術の分野で世界をリードする企業です。現在、イギリスに量産化工場を設立し、ドイツに集荷拠点を持ち、アメリカでも商業利用に向け活動しています。HPMSは、レアアースのみを水素脆化する為、脱磁工程や破砕が必要なく、化学的な処理も不要です。環境負荷が極めて少なく、効率の良いレアアース磁石のリサイクルが可能です。
■ 各社コメント
◆ 株式会社エンビプロ・ホールディングス NEWSCONイギリス支店 支店長 立花 忍
当社は、総合リサイクル企業として優れたリサイクル技術とノウハウを蓄積してきました。それらの技術とノウハウは、資源循環を通じてサーキュラーエコノミー社会への移行に活かす事が、当社の進む方向性であると考えています。
日本には、ネオジム磁石を使う多くの産業があります。しかし、ネオジム磁石のリサイクルは殆ど行われていません。その理由は、一般的なネオジム磁石のリサイクル方法である脱磁、破砕、選別、湿式製錬はエネルギー効率が悪く、コストがかさむだけでなく、大きな環境負荷を伴う為です。HPMSでのリサイクルと再生磁石の製造は、これらの問題を解決できる画期的な技術です。当社は、日本のお客様にHPMS技術を認知していただき、この技術をレアアースの資源循環に活かせると期待しています。
(Envipro is a global-scale recycling company, developing state-of-the-art-technologies and know-how in the recycling sector. Our goal is to help transform the societies from a linear economy to a circular model. Japan has many industries that use NdFeB magnets in their products, however, recycling of NdFeB magnets has been very limited to date because conventional recycling processes for NdFeB magnets, being de-magnetising, shredding, sorting, and wet metal smelting, are very costly, inefficient and environmentally unfriendly. HPMS is a revolutionary technology for both recycling and re-manufacturing of NdFeB magnets, which provides solutions for these cost and efficiency challenges. Envipro and HyProMag will collaborate on engagement with potential Japanese customers to further the development of HPMS technology in Japan and adopt it for the recycling of rare-earth materials in their products.)
◆ Will Dawes, Chief Executive of Mkango Resources Limited*
This is the first step in the roll out of HyProMag’s rare earth magnet recycling technology into Japan and other Asian markets, and we are very excited to work with Envipro. We see Japan as a major growth opportunity for Mkango and HyProMag, given its substantial and longstanding rare earth market presence and strategic alignment with the development of more robust rare earth supply chains and the objectives of the Minerals Security Partnership, of which Japan is a member.
(HyProMag のレアアース磁石リサイクル技術を日本およびその他のアジア市場に展開する第一歩であり、エンビプロ・ホールディングスと協力できることを非常に楽しみにしています。Mkango Resources Limitedは、日本の長年にわたるレアアース市場での実質的な存在感と、日本が加盟している鉱物資源安全保障パートナーシップの目的に沿ったより強固なレアアースサプライチェーンの開発との戦略的連携を考慮すると、日本がMkango Resources LimitedとHyProMagにとって大きな成長の機会であると考えています。)
◆ Dave Kennedy, Director of HyProMag
Japan has been at the forefront of developments in the application of sintered NdFeB magnet applications since the invention of this magnet type by Sagawa at Sumitomo Special Metals in 1983. Very little end of life recycling has been achieved in the intervening years and we are pleased to be working with Envipro to unlock the potential for recovering critical resources in Japan.
(1983年に住友特殊金属の佐川氏がこの種類の磁石を発明して以来、日本はネオジム磁石の応用開発の最前線に立ってきました。End of Lifeのリサイクルはほとんど達成されていません。それまでの間、私たちはエンビプロ・ホールディングスと協力して日本で重要な資源を回収する可能性を開拓できることを嬉しく思います。)
* Mkango Resources Limitedは、Maginitoを通じてHyProMagに間接的に79.4%の権益を持っています。
■ 会社概要
社名 : 株式会社エンビプロ・ホールディングス
代表者 : 代表取締役社長 佐野 富和
所在地 : 〒418-0075 静岡県富士宮市田中町87番地の1
設立 : 2010年
事業内容: 傘下事業会社(総合リサイクル、トレーディング、障がい福祉、
環境コンサルティング他)の経営管理、並びにそれに付帯する業務
資本金 : 15億5,034万7,836円(2024年5月31日時点)
URL : https://www.envipro.jp/
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