<自転車の安全利用促進委員会レポート> 山形県教育委員会主催 「令和6年度 山形県高等学校交通安全教育指導者研修会」にて 「自転車通学指導セミナー」を6月27日(木)開催 山形県内の高等学校等の教職員約40名が参加
2024.07.01 11:00
自転車の正しい利用方法や安全安心な自転車の選び方、メンテナンスの重要性を啓発する自転車の安全利用促進委員会と一般社団法人自転車協会は、山形県教育委員会主催のもと、2024年6月27日(木) 県立山形北高等学校で行われた『令和6年度 山形県高等学校交通安全教育指導者研修会』にて、自転車通学指導セミナーを実施し、県内の高等学校等の教職員約40名にご参加いただきました。
山形県は、高校生の自転車事故時に加害者となる割合が低いものの、1万人当たりの自転車事故件数はワースト19位と加害者割合に比べると高い結果となっています(当委員会調査による)。本講演では、山形県の高校生に自転車事故の多い要因について考えるほか、ヘルメット着用努力義務化によるヘルメットの重要性、他都道府県の自転車通学指導の好事例紹介、現在話題となっている特定小型原付についての定義や、特定小型原付と電動アシスト自転車との違いを交えて講演しました。また、見落とされがちな自転車自体の安全性(BAAマークについて)の大切さについても解説しました。
講師の遠藤 まさ子(自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト)は、「年間を通して自転車通学指導を行うことが重要。」と説明しました。春先は新入生ガイダンスにて指導、事故が増える5月、6月は実技を盛り込んだ安全教室を実施、安全な自転車を購入しても点検をしていないと事故につながる可能性も高くなるため、通学をしない夏休みには年1回の点検を推奨。日暮れが早まる秋口には、注意喚起も兼ねて小テストで交通ルールのおさらいを実施。年明けには進級ガイダンスの一環として、おさらいテストや定期点検の確認。と年間の指導を提案しました。
自転車事故を防ぐポイントとして「逆走や民地寄りの走行はドライバーからの死角が発生しているために起こることもあり、理論的に教えることが重要で理解につながります。万が一事故が起きた際には、ヘルメットの着用有無が被害の大きさの分かれ目になり、事故に遭わない・起こさないための教育のほか、事故に遭ってしまった・起こしてしまった場合の対処法についても考え、ヘルメット着用や自転車保険の加入はしっかりと指導していきましょう」と強調しました。
また、「通学自転車は毎日乗るため、BAAマークなどの安全マークが付いた自転車を選び、車検のように定期的にメンテナンスをすることが重要です」と解説しました。
講演後は「高校生の乗車マナーと交通指導について、ヘルメット着用に向けた指導取り組みについて」をテーマに各学校の教職員で話し合っていただき、発表していただきました。
交通ルールだけでなく、自転車の車体の安全性についても改めて理解いただき、他県の指導事例を参考に、教職員の皆様が自転車通学の安全指導について考える機会となりました。
【参加した教職員の感想】
・改めてヘルメット着用の重要性や法律について生徒へ伝える必要があると感じました。
・本日教えていただいた動画や、小テストを活用したいと思います。
当日の様子1
当日の様子2
■参考資料
≪講師略歴≫
遠藤 まさ子
自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い各誌に寄稿。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアで自転車の利活用、安全指導等解説を行う。
遠藤まさ子
≪自転車の安全利用促進委員会≫
自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送って頂くため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しています。
≪BAAマーク≫
BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。
BAAマーク1
BAAマーク2