クロスプラットフォームのソフトウェア開発ライフサイクルを包括的にカバーするソリューションを提供するQt Group(Nasdaq Helsinki：QTCOM)とLG Electronics(LG)は、LGのwebOS搭載車内エンターテインメントプラットフォーム(Automotive Content Platform、以下 ACP)を対象に、Qt Groupのソフトウェア開発フレームワークをアプリケーション開発に組み込むため協業します。この両社の取り組みによって、自動車OEMの開発者と設計者がより革新的で没入感のあるコンテンツストリーミングサービスを開発することを可能にします。

今回の協業は、家電分野を中心に採用されている高度なカスタマイズに対応したLGのオープンソースwebOSに対するQtの既存のサポートを基盤としています。LGはこれまで、スマートTV、サイネージ、スマートモニター、家電製品の各種デバイスを対象に、簡単かつ直感的なユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)を実現するためQtフレームワークを活用してきました。一方、今回のACPは車内のコンテンツストリーミング体験に特化しています。LGはすでに、大手自動車メーカーの最新の自動車モデル向けに車内エンターテインメントプラットフォームを展開しており、ACPプラットフォームに最新のエンターテインメントを提供するため、グローバルなストリーミングサービス企業と提携しています。

この車内コンテンツプラットフォームがより多くの自動車ブランドのインフォテインメントシステムへの搭載が拡大されるにつれ、Qtは今後、ACPの将来的な開発の原動力となります。Qtフレームワークの強みは、開発プロセスを加速させる初期設定不要の機能性にあります。Qtは起動時間とパフォーマンスが高速で、動作時のメモリ使用も効率的なため、各種機能に対する信頼感をもたらします。

LG Electronics VS CompanyのR&Dラボ担当シニアバイスプレジデントのSang-Yong Lee(リー・サンヨン)は、次のように述べています。「高度なソフトウェアの開発は、車内体験の向上に不可欠な要素であり、LGとQt Groupの協業により、モビリティイノベーションという非常に重要な分野における私たちの能力を高めるでしょう。Qt Groupのような革新的なパートナーと協業することで、LGは今後も没入感のある車内体験を創造し、自動車メーカーとユーザーのさまざまな需要に応えていくことができます。」

今回のニュースに先立ち、発表された最新の調査( https://www.whatech.com/og/markets-research/transport/828649-in-car-infotainment-market-projected-to-hit-35-4-billion-by-2030 )によると、車内インフォテインメントの世界市場規模は、2030年までに354億米ドルに達すると予想されています。より広義では、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)は2030年までに6,500億ドル以上の潜在価値を自動車業界にもたらす見通しです。( https://www.bcg.com/press/7september2023-software-defined-vehicles-create-650-billion-value-potential )こうした成長を後押しするため、Qt Groupは最近、ゼネラルモーターズやメルセデス・ベンツなどの自動車ブランド向けの設計・開発ツールの提供を拡大しています。2024年初めには、同社のヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)開発プラットフォームがAWS Marketplaceに公開しました。

Qt Group最高経営責任者であるJuha Varelius(ユハ・ヴァレリウス)は、次のように述べています。「LGはこれまで長年にわたり、Qt Groupの信頼できるパートナーであると同時に、インフォテインメント分野のイノベーションをリードしてきました。没入感ある車内体験の向上を後押しできることは、当社にとって大きな喜びです。こうした車内向けのWebベースアプリケーションには、大規模な開発者のエコシステムが存在しています。そして、QtがLGのwebOS搭載ACPで不可欠な役割を果たすことで、開発者はアプリケーションをOSにネイティブに構築し実行することがより容易になります。自動車企業の大半はすでにQtベースのアセットを自社のソフトウェアに採用しており、今回の発表もまた、自動車業界における Qt Groupにとってのさらなる重要なマイルストーンです。」

Qt Groupの設計、開発、品質保証の各種ツールは、開発者と設計者のより緊密な連携の促進を目的としています。これらの製品は、同一フレームワーク内での同時作業を可能にすることで、ワークフローを合理化します。Qt Groupのツールは、低消費電力の組み込みデバイスなど、クロスプラットフォーム開発に最適です。

※本リリースは、Qt Groupが2024年6月26日(現地時間)に配信した英文リリース( https://www.qt.io/press/qt-features-lgs-advanced-automotive-content-platform?hsLang=en&page=1 )に基づき作成した日本語抄訳です。

【Qt Groupについて】

Qt Group(Nasdaq Helsinki：QTCOM)はグローバルなソフトウェア企業です。産業界のリーダーと150万人を超える世界中の開発者が信頼を置き、ユーザーに愛されるアプリケーションやスマートデバイスを作成しています。UIデザインやソフトウェア開発から品質管理と導入まで、製品開発サイクル全体を通してお客様の生産性向上を支援します。Qt Groupのお客様は70以上の業界で180か国以上に広がっています。Qt Groupの従業員数は世界で約800名、2023年の売り上げは1億8,070万ユーロでした。

公式ホームページ： https://www.qt.io/ja-jp/