スマートフォンのGPSデータから 自転車での移動を判定できる可能性を示唆、 インフラ計画やGX領域での活用に期待 ブログウォッチャーが交通工学研究発表会にて論文を発表
―オリエンタルコンサルタンツとの共同研究―
位置情報データを使った広告・分析サービスを提供する株式会社ブログウォッチャー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:新村 生、以下「ブログウォッチャー」)と株式会社オリエンタルコンサルタンツ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:野崎 秀則、以下「オリエンタルコンサルタンツ」)は2024年8月8日(木)、交通工学研究発表会にて、スマートフォンのGPSデータからどの手段で移動しているのかを判定する手法において、自転車モードの判定(自転車判定)の可能性を示唆する論文を発表しました。
スマートフォンのGPSから取得した位置情報データを、移動手段別に、より詳細に分析できるようになることで、データに基づいたスマートシティにおける交通管理やインフラ計画の最適化などに貢献することを目指しています。
■論文の概要
道路交通分野では、スマートフォンから取得した位置情報データの活用が進んでいます。GPSデータを用いた人流ビッグデータは、移動手段の推定に高い期待が寄せられています。一方で、日本では、GPSデータの分析で自転車による移動だと判定できる企業は少ないのが現状です。
本論文では、ブログウォッチャーとオリエンタルコンサルタンツが、スマートフォンのGPS機能を通じて取得された位置情報データを用いて、自転車を含む移動手段の判定手法を検証し、その実務分野への展開を提案しました。
■論文・研究詳細
<研究目的>
国によって行われる道路交通量調査における自転車交通量の把握や、シェアサイクルサービス導入の効果検証などで、自転車による移動の量や移動経路を可視化したいニーズの高まりを感じていました。従来ブログウォッチャーで活用してきた、電車/車/徒歩の3つの移動手段を予測するロジックから、電車/車/自転車/徒歩と4つの移動手段を予測できるロジックにアップデートすることを目指します。
<研究内容>
自転車での移動を判定できるようにするにあたって、自転車での移動ログの正解データが存在しないことや、自転車とその他の移動手段を上手く他の移動手段と判別できるロジックや特徴量などがわからないことが課題でした。この課題への解決策として、ブログウォッチャーのデータサイエンティストが自転車での移動を行い、実際の位置情報データ(正解データ)を集め、自転車の位置情報データにどのような傾向があるのか仮説を立て、ロジックを改善するという動作を繰り返し実施しました。
<研究成果>
ブログウォッチャーでは、従来判定することのできなかった自転車を含めた移動手段の判定を、十分に収集した正解データを元に、滞在判定や移動手段の変化点検出、誤差が顕著なデータの除去、隣接する測位点間を結ぶ直線への特徴量付与などの多くの前処理を行った後、機械学習を用いて自転車を含む移動手段ラベルの付与を行うことにより、全体で8割ほどの高い精度で予測可能なロジックを確立、高い精度で判定することが可能となりました。
■ブログウォッチャー プロダクト本部 データサイエンスグループ 秋山 晃伸のコメント
環境省や建設コンサルタントの方々から直接ニーズを伺い、まだ多くの企業が取り組んでいない、スマートフォンのGPSデータによる自転車移動判定技術を開発することで、社会をより良くできるのではと考えたことが研究のきっかけでした。自ら自転車を何百キロと漕いで正確なデータを集め、何度も測定ロジックの改善を重ねました。その結果、スマートシティやインフラ計画、GX領域での活用が期待できる自転車移動判定システムを開発できたと自負しています。
■株式会社オリエンタルコンサルタンツ 関東支社 交通政策部 渡部 数樹様のメッセージ
外部観測に基づく移動手段判定は交通計画・都市計画の分野における重要課題と認識しており、一般的に車載器等の媒体が設置されていない自転車モードの判定は着目度の高い技術分野と認識していました。本論文では、自転車移動を比較的高い精度で判定できたこと、また、そのために数多くの実データを取得して精緻に検証を行っている点が非常に意義あるものと感じています。論文中にも触れていますが、この技術の確立により様々な分野での活用が想定されることから、さらなる精度向上と技術確立にも期待しております。
■今後の展望
スマートフォンのGPS機能を通じて取得された位置情報データにより、電車/車/自転車/徒歩の4つの移動手段を判定できることで、様々な社会課題の解決に貢献していく所存です。
二酸化炭素の排出量は、移動手段によって異なります。移動手段ごとに移動量や経路を把握することで、それぞれの排出量を推計し、エリアごとに詳細な二酸化炭素の排出量を可視化できると考えております。また、交通データを基にしたインフラ整備や交通政策の改善、高精度なデータ分析を通じた政策立案(EBPM)やその効果の定量的な評価を行うことで、柔軟かつ迅速な都市計画の修正や改善が可能になると信じています。
<利用する位置情報データについて>
ブログウォッチャーが活用しているデータは、提携アプリをダウンロードしていて、かつ位置情報取得を許可したユーザーの情報のみを利用しています。
データの取得・活用について、詳しくはこちらをご覧ください: https://www.blogwatcher.co.jp/terms/
<会社概要>
会社名 :株式会社ブログウォッチャー
代表者 :代表取締役社長 新村 生
所在地 :〒104-0061 東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル4F
設立 :2007年4月
URL :https://www.blogwatcher.co.jp/
事業内容:位置情報データプラットフォームによる位置情報関連サービス開発・提供
●サービスラインナップ
「Profile Passport SDK」スマートフォンアプリ開発ツール
「Profile Passport DMP」大規模なデータを保有するプラットフォーム
「Profile Passport AD」位置情報データを活用した広告
※このプレスリリースに記載されている情報は発表日時点のものであり、予告なく変わる可能性があります。あらかじめご了承ください。
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