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自動車の先進安全技術の理解度・運転に対する意識を調査  「令和5年度 ASV機能に関する調査」(国土交通省)分析結果 

「自動ブレーキ」でも運転者がブレーキを踏む必要がある~知らない人が半分以上  男性は年代が上がるほど運転に自信がある人が増える  ACCやレーンキープアシストを使っている人も知らない機能限界  高齢男性は取説派、女性は口コミ重視

株式会社住商アビーム自動車総合研究所(本社:東京)は、国土交通省が推進する第7期ASV推進計画*において、普及啓発活動を受託しております。その活動の一環として、国土交通省が行った「令和5年度ASV機能に関する調査」の調査結果を分析、ASV機能の理解度に見られる特徴などを明らかにしました。

 ※ASV=Advanced Safety Vehicle(先進安全自動車)



<要旨>

■ASV機能の普及状況 ~ASVの普及が進む

-自家用車に衝突被害軽減ブレーキを搭載している人は、全体の1/3。全車速ACC(Adaptive Cruise Control:車間距離制御装置)やレーンキープアシストを搭載している人は1/4となり、普及が進んでいる状況。

■利用状況 ~男性は積極利用、女性は消極的

-自家用車に全車速ACCやレーンキープアシストを搭載している人のうち、実際の利用率は男女で差があり、男性は積極的に利用している一方、女性は特に全車速ACCの利用率が低い。

■機能の理解度 ~「自動ブレーキ」でも運転者がブレーキ、ACCの機能限界-知らない人が多い

-衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置では、「どちらの機能も警告が鳴ったら、直ちに運転者がブレーキを自ら踏む必要がある」ことを知っている人は全体の半分以下。特に女性は男性よりも10ポイント低い結果に。

-全車速ACCやレーンキープアシストの機能は、「どちらの機能も『自動運転』ではなく、運転の責任はドライバーにあるため、よそ見をしてはいけない」ことを知っている人が、自家用車にこれらの機能を搭載している人では9割近くに達するが、トンネルの出口や急カーブでは作動・対応できないことがあるなどの具体的な機能限界については知っている人の割合は低い。

■男女別・年代別の運転タイプ ~高齢男性ほど運転に自信、女性は新しい機能は苦手

-運転への自信は男性がより強く、かつ年代が上がるほど自信がある人の割合が高い。また、男性は「新しい機能は試してみたい」人が多く、女性は「新しい機能は苦手」な人が多い。

-運転に自信がない人は、ASV搭載車に乗り換える意向が低い。

■ASV搭載車に乗り換えない理由 ~第1位は「買換え予定がない」、第2位は「金額が高い」

-「買換えようと思っていないから」が最も多く、特に男性では年代が上がるほど率が高い。男女とも、70代では「もうすぐ運転をやめるから」という人が多い。全体として2番目の理由は、「金額が高いから」。

■先進安全機能に関する情報源 ~高齢男性はトリセツ、女性は口コミ

-男性の60-70代では取扱説明書を読んでいる人が多い一方、若い世代はネットからの情報収集が多い。女性は、すべての年代を通じて「家族・友人」という口コミを情報源とする人が多い。



<所感>

ASV機能は、衝突被害軽減ブレーキがすべての新型車に搭載が義務付けられているほか、全車速ACCは軽自動車にも採用されるなど、近年大きく広がってきています。しかし、中には新しい機能への苦手意識からそれらを利用していなかったり、あるいは機能の理解が低く過信している傾向も見られることが本調査を通じて明らかになりました。また、年代や性別により各機能への理解度や運転への意識が異なることも調査結果として表れています。

今後ASVの普及に向けたコミュニケーションでは、メリットと機能限界を分かりやすく伝えていくことが大切です。また、理解度や意識の違いを考慮して、ターゲットグループに合わせた発信を行っていくことが効果的と考えられます。ASV/ADASに関するウェブサイト「Drive Safe!」(URL: https://drivesafe.jp/ を参照ください。)


*第7期ASV推進計画においては、「誰もが使用する技術となったASVの正しい理解・利用の徹底と効果的な普及戦略」というテーマを掲げ、

1. 現在有効活用されていないASV技術を正しく活用することによる事故防止

2. 機能の誤った理解・使用による事故防止(過信・誤解による事故防止)

を目指しています。



<調査概要>

■目的

国土交通省が取り組んでいるASV推進計画の活動の一環として、ASV(先進安全技術車)の保有・利用状況や、機能に関する理解度を調査

■調査期間

2024年2月9-16日

■調査対象者

全国の運転免許保有者、男女10000人

・エリア:北海道・東北/関東/中部/近畿/中国/四国/九州・沖縄

・性年代:18歳~79歳 男女

※エリア(7区分)×(性別2区分)×年代(6区分)=84割付を行い均等回収

■調査方法

楽天インサイト アンケートモニターを利用した「インターネットリサーチ」

■調査項目

・対象のASV機能:

・調査対象の各ASV機能の保有・利用状況

・調査対象の各ASV機能の詳細に関する理解度

・運転についての意識(自信度、新しい機能への関心度など)

・自動車の機能に関する情報の入手方法



<報告書抜粋>

■普及状況 ~ASVの普及が進む

自家用車に衝突被害軽減ブレーキを搭載している人は、全体の1/3。全車速ACCやレーンキープアシストを搭載している人は1/4となり、普及が進んでいる状況。


質問:衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、全車速ACC、レーンキープアシストについて、当てはまるものをお答えください。

1_知っていて、現在の自家用車に当該機能が搭載されている

2_知っていて、レンタカーやカーシェアとして使用する車に当該機能が搭載されている

3_知っているが、現在の自家用車には当該機能が搭載されていない

4_知っているが、レンタカーやカーシェアとして使用する車には当該機能が搭載されていない

5_聞いたことはあるが、自分が使用している車に当該機能が搭載されているかどうかはわからない

6_当該機能について、全く知らない


図表1


■利用状況 ~男性は積極利用、女性は消極的

自家用車に全車速ACCやレーンキープアシストを搭載している人のうち、利用率は男女で差があり、男性は積極的に利用している一方、女性は特に全車速ACCの利用率が低い。


質問:(全車速ACC、レーンキープアシスト機能が搭載されている人への質問)あなたは高速道路・自動車専用道、一般道それぞれにおいて、それらの機能を利用していますか?


図表2


■機能の理解度 ~「自動ブレーキ」でも運転者がブレーキを踏む人は半分以下

・衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置では、「どちらの機能も警告が鳴ったら、直ちに運転者がブレーキを自ら踏む必要がある」ということを知っている人は全体の半分以下。特に女性は男性よりも10ポイント低い結果に。

・全車速ACCやレーンキープアシストの機能の理解度については、「どちらの機能も『自動運転』ではなく、運転の責任はドライバーにあるため、よそ見をしてはいけない」ことを知っている人は、自家用車にこれらの機能を搭載している人では9割近くに達するが、トンネルの出口や急カーブでは作動・対応できないことがあるなどの具体的な機能限界については知っている人の率は下がる。


質問:衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置について、あなたはそれらの機能をどの程度知っていますか?

1_衝突被害軽減ブレーキは、夜道や逆光の中では障害物を検知できないことがある

2_衝突被害軽減ブレーキが正しく作動していても、雨や雪道など走行状況によっては事故を回避できないことがある

3_ペダル踏み間違い時加速抑制装置(PMPD)は、アクセルを踏み続けていると解除される

4_ペダル踏み間違い時加速抑制装置(PMPD)は、車を停止させる機能ではない

5_どちらの機能も車種ごとに性能や作動する条件が異なる

6_どちらの機能も警告が鳴ったら、直ちに運転者がブレーキを自ら踏む必要がある


図表3


質問:全車速ACC/レーンキープアシストについてあなたはどの程度知っていますか?

1_全車速ACCの速度設定は、ドライバーの責任である

2_全車速ACCは、高速道路や自動車専用道での使用が前提である

3_全車速ACCで先行車の急ブレーキには対応できない場合がある

4_全車速ACCは、急カーブに対応できない場合がある

5_レーンキープアシストは、白線(黄線)がかすれていると、作動しない場合がある

6_レーンキープアシストは、トンネルの出入り口などの明るさが急に変わる時に作動しない場合がある

7_どちらの機能も「自動運転」ではなく、運転の責任はドライバーにあるため、よそ見をしてはいけない


図表4


報告書全文につきましては弊社サイトのリリースでご参照頂けます。

URL: https://www.sc-abeam.com/news/article/20240919-1/

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