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【岡山理科大学】教材製作に着手 学生たちが思いを込めて手作り【いきものQOL #7続編】

獣工の連携#7続編

2024.10.03 12:50

岡山理科大学では動物たちにやさしい医療や動物たちの健康づくりに向けて、獣医学部と情報理工学部の工学分野が共同で、デバイス開発に取り組んでいます。総合大学の強みを生かし、学部の枠を超えた“獣工連携”による獣医療の新しいスタイルです。動物たちのQOL(Quality of Life=生活の質)向上は、ヒトのQOLにもつながります。動物とヒトの豊かな生活実現をめざす「いきものQOL」の研究現場を、シリーズでレポートします。
赤木教授の説明を聞きながら製作に取り組む山下さん

予備含めて20個

 獣医保健看護学科の実習の教材用として、利用が決まった包帯巻圧計測装置「まきよるONE」の製作が10月2日、岡山キャンパスでスタートしました。予備2個を含む20個の「まきよるONE」が10月下旬、今治キャンパスの実習現場にお目見えする予定です。

 製作にあたっているのは岡山理科大学大学院理工学研究科システム科学専攻の修士課程2年、山下隼平(しゅんぺい)さんら2人の学生です。装置を開発した赤木徹也・情報理工学科教授から説明を聞きながら、縦2㌢、横1.8㌢の小さな基板に、はんだ付けなどで部品を取り付けていきます。
まず最初は基礎となるプレート作り。レーザ加工機を利用しました

細密な作業の連続

 作業工程はこんな具合です。
 まずレーザ加工機で、基礎となるプレートを製作。続いて、マイコンに抵抗と圧力センサへの配線を直接、はんだ付けして回路を構成し、マイコンの背面にリチウムイオンフィルム電池と接続するケーブルをはんだ付け。さらにマイコンをプレート上に縫い付け、プレート上に設けた穴にケーブル類を通して、はんだ面に直接力が加わらない回路構成にしていきます。最後に、圧力センサを取り付けてテープで補強し、試作機ごとに、固有の番号を付けたプログラムを書き込むなどして完成させます。

「やりがいがあります」

 超小型のデバイスだけに細密な作業の連続です。山下さんは「専門はロボットなので、生き物とは無縁でした。この作業では、犬たちをなるべく傷つけないようにと、はんだ付けにも気を遣うなど、細心の注意を払っています。実際に獣医療の現場に役に立つデバイスを作っていると考えると、すごくやりがいがあります」と話しています。1つ仕上げるのに1時間~2時間はかかるそうです。
 岡山キャンパスで組み上げた「まきよるONE」は今治キャンパスに届けられ、装飾などの仕上げと検証・チェックを経て、実習の現場に登場する予定です。
細密な作業の連続です
「まきよるONE」の製作に必要な部品群
QOL Quality of Life(クオリティー・オブ・ライフ)の略で、本来は人間らしく生き生きと暮らしているかどうかを示す「生活の質」「生命の質」を示します。もともとは医療分野の末期がん患者などの終末期ケアの現場で、快適さなどを取り戻そうとして広がった試みです。福祉や介護の現場にも広がり、最近ではペットについても注目されています。

関連リンク

いきものQOL#7はこちら
https://newscast.jp/news/1001483

獣医学部
https://www.ous.ac.jp/department/veterinary/

情報理工学部
https://www.ous.ac.jp/department/info/

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