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リアルタイム映像伝送等を利用した災害医療体制の強化に関する実証を開始

 ドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開するNTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、株式会社NTTデータ経営研究所(以下 NTTデータ経営研究所)が設立したコンソーシアム(以下 本コンソーシアム)が実施する「徳島県におけるリアルタイム映像伝送等を利用した災害医療体制の強化に関する実証」(本実証)に参画します。本実証では、徳島県における災害時の医療体制強化を図るため、リアルタイム映像の連携などを通じて情報連携体制の構築をめざします。なお、本実証は総務省「令和6年度 地域デジタル基盤活用推進事業(実証事業)」に採択され実施するものです。

 

1.背景

 徳島県は、南海トラフ地震※1が発生した際に甚大な被害が想定される地域に位置しています。徳島県では人口の70.7%、医師の77.5%が東部医療圏※2に集中しており、地震や津波により交通網が分断された場合、東部医療圏以外の災害想定エリアにおいて医療資源が不足する恐れがあります。

 このような現状に加え、大災害では複数箇所で同時に傷病者が発生するため、災害現場と災害司令本部などが連携を行い、医師やドクターヘリなどを適切に運用することで、医療資源を効率的に分配することが求められます。

 

2.本実証の概要

 そこで本実証では、災害時の医療資源の最適な分配と災害現場におけるトリアージと処置の迅速化をめざして、リアルタイム映像の連携などを通じて複数の災害現場と医療機関などの間における情報連携体制の構築をめざします。

 キャリアLTE、キャリア5G、ローカル5G※3、Wi-Fi 6E※4などの通信回線および高精細カメラ、スマートフォン、タブレットなどを活用し、災害時にも高品質なリアルタイム映像伝送を可能とする「高精細映像伝送システム」(以下 本システム)を構築し、2024年11月から4つの病院と2つの消防本部で災害時における本システムの機能検証を行います。

災害現場~病院~ドクターヘリ/ドクターカー~災害司令本部などの間で映像などの伝送を行える医療体制を構築することで、処置や搬送先の選定を正確に行い、災害時の救命率向上をめざします。

 本システムには、「LTE上空利用プラン※5」、「docomo MEC(R)※6」と、「Smart-telecaster(TM) Zaoウェアラブル / Zao Cloud  View(TM)※7」を活用しており、キャリアネットワークとローカル5G間でのセキュアで低遅延な相互接続と、高画質のリアルタイム映像伝送を実現します。

                                                                      


<実証内容>

・災害現場~病院~ドクターヘリ/ドクターカー~災害対策司令本部間のリアルタイム映像伝送連携 

・ドクターヘリ/ドクターカー出動前に災害現場と複数病院間で高精細映像などを共有することによってドクターヘリ/ドクターカーの出動適格性を検証。

・移動中は災害現場および傷病者の高精細映像などを共有することで遠隔トリアージを行い、医師の災害現場到着後の医療処置の迅速化を検証。

 

<実証時期>

2024年11月~2025年2月

 

<各者の役割>

株式会社NTTデータ経営研究所(本コンソーシアム代表)

実証実験のシナリオの策定

本システムの効果検証

実証モデルの社会実装・普及展開の検討

 

NTTコミュニケーションズ株式会社

・「Smart-telecaster(TM) Zaoウェアラブル / Zao Cloud View(TM)」の機能検証と本実証に向けたカスタマイズ

・実証における飛行計画の策定、飛行ルートでのエリアシミュレーション、実際の飛行における映像伝送の検証

 

ケーブルテレビ徳島株式会社

ローカル5Gシステムの機器接続・運用支援

 

中日本航空株式会社

実証に使用するヘリコプターの運航サービスの提供

ヘリコプター離発着に関するステークホルダーとの調整

 

徳島県

実証フィールド(病院、救急車)の提供

 

徳島県立中央病院

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

 

徳島赤十字病院

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

 

徳島県立海部病院

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

 

JA徳島厚生連阿南医療センター

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供


 

※1:南海トラフ地震とは、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)および昭和南海地震(1946年))が発生してから70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきています。

(参考)「南海トラフ地震」  https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/nteq/index.html

※2:東部医療圏とは、主に徳島市、鳴門市、吉野川市、阿波市、佐那河内村、石井町、神山町、松茂町、北島町、藍住町、板野町、上板町を指します。

(参考)「徳島県東部医療圏」 https://jmap.jp/cities/detail/medical_area/3601

※3:ローカル5Gとは、企業などが通信事業者に頼らず自社の建物や土地において独自の5Gネットワークを構築することができる仕組みのことです。

※4:Wi-Fi 6Eとは、Wi-Fi6を拡張した無線通信の規格で、これまでの2.4GHz帯/5GHz帯に加え、6GHz帯の利用が可能な通信方式です。

※5:「LTE上空プラン」は、NTTドコモとNTT Comが連携して提供する、無人航空機(ドローンなど)および、飛行機を除く航空機(ヘリコプターなど)向け専用料金プランです。ドローンおよびヘリコプターなどに本プラン対応のSIMカードを挿入、もしくは同SIMカードを挿入したLTE対応端末を搭載することで、上空のモバイルネットワークをご利用になれます。

※6:「docomo MEC」は、株式会社NTTドコモの商標です。「docomo MEC」は、NTTドコモとNTT  Comが連携して提供する国内初の「MEC」(Multi-access  Edge Computing)サービスです。5Gの特長を最大限に活用できる「MEC」により、リモートをよりリアルに、リアルを楽しく・快適にする、最先端ソリューションを創出できます。日本全国複数個所に拠点があり、地域の課題解決に寄与します。

(参考)「docomo MEC ポータルサイト」 https://www.mec.docomo.ne.jp/index.html

※7:「Smart-telecaster Zaoウェアラブル」と「Zao Cloud View」は、株式会社ソリトンシステムズが開発した、携帯電話回線などを利用して高画質の映像を伝送・配信するシステムです。独自の圧縮伝送技術である「RASCOW」を「RASCOW2」へと進化させ、映像伝送最大の課題だった遅延の問題も解消、超短遅延の映像伝送を可能にしています。

(参考)「Zao-X」  https://www.ntt.com/business/services/stzx.html

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