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『省エネおじさんカード』完成 近畿経済産業局所属の省エネ技術指導員(通称:省エネおじさん)がトレーディングカードに

行動経済学「ナッジ」でマニアックな中小企業の省エネ事例を楽しくわかりやすく理解可能

技術・開発
2025年2月3日 16:15
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 近畿経済産業局は、企業のカーボンニュートラル促進に向けた研修ツールとして、企業の省エネに取り組む当局所属の省エネ技術指導員4名が登場するトレーディングカード『省エネおじさんカード』を行動経済学者として活躍される竹林 正樹 様(青森大学客員教授)に監修いただき制作しました。


1.概要

近畿経済産業局エネルギー対策課では、近畿管内の企業(主に中堅・中小企業)のカーボンニュートラル促進をミッションとしており、金融機関や中小企業に向けて研修を行っています。研修で理解は促進されるものの、「コンプレッサ」や「インバータ」など、技術系職員以外にはマニアックな用語が度々登場するため、実際の現場で一歩進んで実際の省エネアクションに進んでもらうことに課題がありました。そこで、各企業とのネットワークを持つ金融機関の皆さんに向けて、実際の省エネ事例とその効果をわかりやすく紹介するツールを制作することで、企業への省エネ提案の伝道師となっていただけるよう、本カードの制作を企画しました。 

 

近年、茨城県の「女将カード」「研究者カード」、青森県の「漁師カード」など、実在する人物をトレーディングカードにする取り組みが注目されています。『省エネおじさんカード』は、行動経済学「ナッジ」理論から、ゲーミフィケーションや損失回避バイアスの要素を取り入れ、「会社の照明を高効率照明に交換」「コンプレッサの吐出圧力を減らす」などの省エネ対策によって、CO2がどのくらい削減されるか、コストが何円削減されるかをわかりやすくデザインしています。また、火・水・風・光などの属性と、カードに記載されたCO2削減量で誰でも簡単にカード対戦ができ、コミュニケーションが取れることも大きな特徴です。

 

近畿経済産業局では、この『省エネおじさんカード』を地域の金融機関・中小企業向け研修イベントやカーボンニュートラルのプロモーションに活用し、企業の脱炭素実現に貢献してまいります。 

 

2.カードデザイン

デザイナー: 壽山 吉隆 様 (HAREBARE inc.)


3.監修:竹林 正樹 様 (行動経済学者)

カーボンニュートラル促進は、面倒が発生するのは今、効果が発生するのは将来」という性格を持つため、つい後回しにされやすいのです。このカードゲームでは、人間心理を踏まえ、終わった後に「現場の声を聞いてみるか」「見積もりを取ってみるか」と踏み出したくなるような設計にしています。特に工夫したのは、「対策しない時の具体的な損失額」を紹介したことです。これは「損失回避バイアス(得した時の喜びより損した時の苦痛を強く感じる心理)に訴求したものです。ただし、カードの最初に損失表現があると、全体の印象が悪くなる可能性が高まるため、カードの下半分に記載しました。現場の経験と研究の知見を組み合わせてできたカードゲーム。ぜひ手に取ってみませんか。


竹林 正樹 (たけばやし まさき)

青森県出身。青森大学客員教授。行動経済学を用いて「頭ではわかっていても、健康行動できない人を動かすには?」をテーマにした研究を行う。ナッジで行動促進を紹介したTED(テッド)トークは、YouTubeで80万回以上再生。代表作は「心のゾウを動かす方法」(扶桑社)、「保健活動で使える! ナッジ」(医学書院)。


4. 登場する省エネ技術指導員について

近畿経済産業局では、電力会社など第一線の現場で、長年省エネ診断士として活躍された方々を、省エネ技術指導員として採用しています。今回登場する4名はその省エネ技術指導員として現在当局に所属しているメンバーになります。

令和5年から省エネ法の改正があり、少し複雑な書類の提出を企業に求めております。そのような中で、省エネの仕組みや方法を中小企業や地域の金融機関の担当者にさらに理解していただき、カーボンニュートラル促進に協力いただきたいというより強い思いを持たれており、本プロジェクトにも積極的に参加いただいております。

第二の人生を省エネ指導にささげた「省エネおじさん」の活躍に是非ご期待ください。



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