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近畿大学農学部生が障がいのある方々と「近大ICTイチゴ」を収穫 農福連携で農業の楽しさを体験し、新たな農業人材の育成をめざす

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2025年2月19日 11:00
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令和6年(2024年)2月に実施した障がいがある方々と農学部生のイチゴ収穫体験
令和6年(2024年)2月に実施した障がいがある方々と農学部生のイチゴ収穫体験
近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、特定非営利活動法人エムワイピー農場(奈良県奈良市)と農福連携し、令和7年(2025年)2月28日(金)、奈良キャンパス(奈良県奈良市)にて、障がいがある方々と「近大ICTイチゴ」の収穫イベントを行います。
「なら近大農法」(ICT農法)を利用して「近大ICTイチゴ」の実践栽培を行っている農学部生も参加し、農業の楽しさを体験することで、新たな農業人材の育成をめざします。

【本件のポイント】
●障がいのある方々の農業参入をめざし、「近大ICTイチゴ」の収穫体験イベントを実施
●NPO法人と農福連携し、「なら近大農法」(ICT農法)による栽培管理を促進
●イチゴの栽培過程を学んだ農学部生が、農業の楽しさを参加者に伝える

【本件の背景】
近畿大学農学部は、少子高齢化に伴う農業従事者の減少や休耕地・耕作放棄地の増加などの社会問題を解決するため、奈良県と連携して「農の入口」モデル事業を展開し、「なら近大農法」(ICT農法)を利用した栽培管理方法の確立をめざしています。
一般的に、農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、所得確保の不安定さが問題とされています。農作物の栽培に必要な温度調整などの管理にICT(情報通信技術)を導入することで、農業初心者でも容易に栽培管理することが可能となります。「なら近大農法」では、「農の入口」から「農の出口」までの一連の過程にICTやIoTを導入することで、安全かつ安心な農作物を消費者に提供することをめざしています。また、「なら近大農法」を県内の各地に展開し、実用化を図ることで奈良県の若者をはじめとした農業初心者だけでなく、女性や高齢者、障がいがある方などによる農業参入を容易にし、農業を担う人材の育成に努めています。

【本件の内容】
特定非営利活動法人エムワイピー農場が運営する「MYPユニバーサル農園」は、農業を通じた障がい者などの社会参画をめざす「農福連携」の取り組みとして、令和4年(2022年)に設立され、同法人に関連する福祉作業所を利用する障がいのある方々が農作業に従事しています。令和5年(2023年)4月から近畿大学農学部と産学連携し、「なら近大農法」(ICT農法)を用いた「近大ICTメロン」の試験栽培を行っています。
本イベントでは、障がいのある方の農業参入を期待して、なら近大農法で栽培した近大ICTイチゴの収穫体験を行います。近畿大学農学部農業生産科学科(アグリ技術革新研究所兼務)教授 野々村照雄が「なら近大農法」について解説し、参加者は収穫方法を学んだうえでイチゴの収穫、パック詰め、試食を行います。なお、本イベントには栽培実習を通してイチゴ栽培の過程を学んできた農学部生10名も参加し、20名の障がいのある方々とコミュニケーションを取りながら一緒に作業をします。
イベントを通して、障がいのある方々に農業の楽しさを感じてもらうことで農業に興味を持ち、就農・社会参加への意欲を高めていただくとともに、農学部生は「なら近大農法」が目標とする農業を担う人材の育成や、さまざまな人と協力する大切さを学びます。

【開催概要】
日時   :令和7年(2025年)2月28日(金)10:00~12:00
場所   :近畿大学農学部奈良キャンパス 圃場
      (奈良県奈良市中町3327-204、近鉄奈良線「富雄駅」からバス約10分)
参加予定 :近畿大学農学部農業生産科学科植物感染制御工学研究室 学生10名
      特定非営利活動法人エムワイピー農場に関連する福祉作業所の利用者 20名
収穫物  :近大ICTイチゴ(とちおとめ、紅ほっぺ)
プログラム:10:00~10:10 「なら近大農法」の概要説明
      近畿大学農学部農業生産科学科教授 野々村照雄
      10:10~10:20 収穫の仕方説明
      10:20~11:35 収穫・パック詰め体験
      11:35~12:00 試食


【なら近大農法(ICT農法)】
近畿大学農学部は、少子高齢化に伴う農業従事者の減少や、「休耕地」や「耕作放棄地」の増加といった社会問題を解決するため、奈良県と連携して「農の入口」モデル事業を展開し、「なら近大農法(ICT農法)」を利用した栽培管理方法の確立をめざしています。一般的に、農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、所得確保の不安定さが問題とされていますが、農作物の栽培にICT(情報通信技術)を取り入れ、温度調整などの管理を自動化することにより、農業初心者でも容易に栽培管理することが可能となるとともに、一定以上の収穫量の確保が期待されます。
なら近大農法では土壌センサーと日照センサーを連動させた装置によって、作物に水分と液肥を自動的に供給します。これらの情報は蓄積され、スマートフォンなどで遠隔地からもデータを確認することができます。また、ハウス側窓の自動巻上げ機が温度センサーと連動しており、ハウス内の温度をほぼ一定に保つために自動的に開閉が行われます。このような完全自動化肥培管理システムの導入により、農作業の時間を大幅に削減するとともに、水や液肥の低減が可能となり、収穫量の増加と品質の安定化へと繋がることが期待されます。
平成29年度(2017年度)から、近畿大学農学部農業生産科学科(アグリ技術革新研究所兼務)教授 野々村照雄が中心となり、奈良キャンパス内にある最新のICT設置温室で、農学部生とともに「なら近大農法」を用いて「近大ICTメロン」を栽培しており、令和3年(2021年)9月からは、「近大ICTイチゴ」の栽培にも取り組んでいます。

【特定非営利活動法人エムワイピー農場】
所在地 :奈良県奈良市大宮町6-6-11
代表者 :理事長 増井義久 氏
事業内容:農福連携事業、MYPユニバーサル農園、MYP食品作業所(就労継続支援B型)
設立  :令和2年(2020年)12月2日
URL   :https://farm.myp7.com/

【関連リンク】
農学部 農業生産科学科 教授 野々村照雄(ノノムラテルオ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/162-nonomura-teruo.html

農学部
https://www.kindai.ac.jp/agriculture/