雪印メグミルク 超高温瞬間殺菌(UHT)牛乳の 風味特徴の可視化を実現 「日本農芸化学会2025年度札幌大会」にて発表
雪印メグミルク株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、 牛乳の風味特徴の可視化を実現し、その研究成果を2025年3月4日から8日まで開催された「日本農芸化学会2025年度札幌大会」において発表いたしました。
本研究では、超高温瞬間殺菌(UHT)牛乳を口に含んでから飲み込んだ後までの風味特徴(香り、甘味など)について、時間経過毎に評価することにより可視化しました。さらに、これらの風味特徴には牛乳を殺菌する際の加熱によって生じる香気成分が関与していると考えられることもわかりました。
風味を「見える化」することで、味わいの特徴やその変化をよりわかりやすくお客様にお伝えすることが可能になります。また今後、他の商品の風味設計にも応用することができます。
当社は、今後も乳(ミルク)に関する知見をさらに深め、お客様の健康と豊かな食生活に貢献できる商品作りを推進してまいります。
【発表内容の概要】
「Time Intensity法,Temporal Dominance of Sensation法および香気成分分析を用いたUHT牛乳の風味特性の検討」
<発表内容の要約>
時間経過毎の風味特徴の変化を記録する官能評価手法(Time Intensity法:TI法、Temporal Dominance of Sensation法:TDS法)を用いて、超高温瞬間殺菌(UHT)牛乳を口に含んでから飲み込んだ後までの風味を評価した。
その結果、UHT牛乳は比較に用いた高温短時間殺菌(HTST)牛乳、連続式低温殺菌(LTLT)牛乳と比べて、風味が強く、かつ持続性があることが分かった(図1)。
また、UHT牛乳は、前半にミルクの香り、甘味、コクを感じ、後半には濃厚感と甘味を感じる特徴が示された(図2)。
さらに香りの成分分析を行い、風味特徴との関連性について考察したところ、加熱により生じる複数の香気成分がこれらの風味特性と関与する可能性があると考えられる。
・演題名:Time Intensity法,Temporal Dominance of Sensation法および香気成分分析を用いたUHT牛乳の風味特性の検討
・発表者:花木麻里子1 持地恭子1 岡佳輝1 川井麻友美1 坂上麻子1 森繁直樹1
1雪印メグミルク株式会社
【「日本農芸化学会2025年度札幌大会」開催概要】
会期:2025年3月4日(火)~8(土)
会場:札幌コンベンションセンター
<用語説明>
●超高温瞬間殺菌(UHT) :Ultra High Temperature
●高温短時間殺菌(HTST):High Temperature Short Time
●連続式低温殺菌(LTLT):Low Temperature Long Time
●Time Intensity法:
時間の経過に伴って、1つの風味特徴の強度がどのように変化するかを記録する官能評価手法。
●Temporal Dominance of Sensation法:
時間の経過に伴って、最も注意をひく風味特徴がどのように変化するかを記録する官能評価手法。同時に複数の風味特徴を評価できる。