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「くにおんフォルテピアノ」誕生  ~新たな世紀へ向けた研究・教育活用~

イベント
2025年4月9日 13:00
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国立音楽大学 楽器学資料館(東京都立川市)は、大学創立100周年記念事業の一環として、18世紀の名匠アントン・ワルター(Anton Walter)製フォルテピアノの複製を製作しました。この楽器は、2011年に完成した新校舎建設の際に伐採したキャンパスのシンボルツリーの木材を一部使用し、鍵盤楽器製作家であり、本学講師である太田垣至氏が手がけました。

記念事業のコンセプト「くにおん新世紀」のビジョンのもと、コンサートやサマースクール、企画展などで幅広く活用する予定です。また、展示室を訪れた見学者や学生に試奏できる機会を提供します。


楽器学資料館へ納品されたフォルテピアノ

楽器学資料館へ納品されたフォルテピアノ


【複製楽器の意義】

国立音楽大学 楽器学資料館は、19世紀のフォルテピアノを多数所蔵し、鍵盤楽器の歴史を学ぶ授業や演奏研究に活用してきました。しかし、モーツァルトやベートーヴェン初期の作品を研究するには、18世紀後半のフォルテピアノが不可欠です。一方でオリジナル楽器は数が少なく、長い歳月を経過しているため演奏使用を制約しなくてはなりません。そのため複製楽器は、教育・研究の場で活用できるとともに、多くの方々にもその魅力を伝えることができるという点で大きな意義があります。



【完成記念イベント】

くにおんフォルテピアノ お披露目コンサート

日程:2025年4月18日(金)18:30開演

会場:国立音楽大学 講堂小ホール

料金:無料(要申込)


レクチャーのテーマを『フォルテピアノでの演奏体験を現代のピアノ演奏に活かす』とし、ピアニストの久元祐子氏が、フォルテピアノならではの音色や奏法を通じて、演奏解釈の幅を広げ、作曲家の意図をより深く読み解く視点について解説します。また、ヴァイオリンの永峰高志氏、ソプラノの長島剛子氏とのアンサンブルにより、18世紀の音楽の響きを体感できます。


お申し込みはこちら: https://teket.jp/11944/44986

※座席数に限りがございますので、あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。


【特別リサイタル】

トマシュ・リッテル くにおんフォルテピアノリサイタル

日程:2025年6月27日(金)18:30開演

会場:国立音楽大学 講堂小ホール

料金:無料(要申込)


ポーランドのピアニスト トマシュ・リッテル氏によるリサイタルです。リッテル氏は、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール、そして世界的に権威あるブルージュ国際古楽コンクールでともに第1位を獲得した実力のある奏者です。本公演では「くにおんフォルテピアノ」を使用し、モーツァルト、ベートーヴェンなどの作品を演奏。リッテル氏の卓越した演奏を通じて、当時の音楽表現の魅力を味わうことができます。


お申し込みはこちら: https://teket.jp/11944/45435


【レクチャーコンサート】

フォルテピアノと探求する 古典派のピアノ作品

日時:2025年12月11日(木)18:30開演

会場:国立音楽大学 講堂小ホール

料金:無料(要申込)


フォルテピアノ奏者の平井千絵氏が、古典派の時代のピアノや作曲家をテーマに、解説を交えながら演奏します。使用するピアノは、ワルターのほか、楽器学資料館所蔵のブロードウッド(1820年頃)、グラーフ(1830年代)を予定しています。またピアノ製作家の太田垣至氏による、ピアノ製作についてのお話もあります。


申し込み方法等は随時楽器学資料館Webサイトに掲載いたします。



【その他の予定】

・企画展「ピアノ製作家たちの偉業 ~古典派の作曲家が求めたピアノと音楽~」

 期間:2025年4月16日(水)~7月30日(水)の間の展示室公開日

 展示室公開日の確認はこちら: https://www.gs.kunitachi.ac.jp/ja/guide/calendar/

 場所:国立音楽大学楽器学資料館 展示室

 料金:無料

 


・くにおんフォルテピアノサマースクール

 期間:2025年8月25日(月)~8月29日(金)

 場所:国立音楽大学楽器学資料館 展示室 他


本学学部生、院生、附属中高生を対象としたフォルテピアノのサマースクールと修了演奏会です。聴講生は広く受け付けます(多数の場合は抽選)。


イベントスケジュール表紙

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イベントスケジュール詳細

イベントスケジュール詳細


最新情報は随時、楽器学資料館Webサイトにて発表します。

https://www.gs.kunitachi.ac.jp/