atpress

近畿大学中央図書館がデジタルアーカイブをリニューアル公開 近畿大学所蔵の貴重資料1,687点をウェブサイト上で閲覧可能

サービス
2025年3月31日 14:30
FacebookTwitterLine
リニューアルした「近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ」
リニューアルした「近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ」
近畿大学中央図書館(大阪府東大阪市)は、近畿大学所蔵の貴重資料が閲覧できる「近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ」をリニューアルし、令和7年(2025年)4月1日(火)から公開します。新規資料139点のほか、7つのテーマに沿って資料を紹介する新たなコンテンツを追加します。

【本件のポイント】
●新規資料139点を加え、7つのテーマに沿って資料紹介を行う新たなコンテンツを公開
●全国の大学や公共図書館等159機関が所蔵する多様な史資料が、横断的に検索・利用可能に
●外部データベースである「NDLサーチ(国立国会図書館サーチ)」「JAPAN SEARCH」とも連携し、本学所蔵の貴重資料の利活用を促進

【本件の内容】
近畿大学中央図書館では、文化遺産の継承という図書館の役割を果たすため、幅広い領域における東西の名著を数多く収集し所蔵しています。「近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ」は、本学が所蔵する「貴重書」「準貴重書」「特別コレクション」の一部をデジタル化し、目録情報とともに広く一般に公開するもので、フリーワード検索機能と、高精細画像ビューアによって快適な閲覧環境を提供しています。
リニューアルに伴い、従来登録していた1,548点に加え、ナポレオン『エジプト誌』、ゲスナー『動物誌』、『平家物語図会』など139点を新たに公開します。また、「西洋の初期印刷本~インキュナブラ~」「日本の初期印刷本~五山版・古活字版~」「おおさかむかし案内」など7つのテーマに沿って資料を紹介するコンテンツも新たに追加します。
デジタルアーカイブシステムは、TRC-ADEAC株式会社(東京都文京区)が制作・運用するプラットフォームシステム「ADEAC®(アデアック)※1」を活用して構築しており、ADEAC®で公開されている全国の大学や公共図書館等159機関(令和7年(2025年)3月12日現在)が所蔵する多様な史資料を、横断的に検索・利用できるようになります。また、デジタルアーカイブにおける画像共有のための国際規格IIIF※2 にも対応しており、「Universal Viewer」「Mirador」などIIIFに対応したビューアを利用することで、近畿大学所蔵の資料と他機関の資料を同時に比較・閲覧することができます。さらに、国会国立図書館の「NDLサーチ(国立国会図書館サーチ)」や「JAPAN SEARCH」といった外部データベースからも本アーカイブを検索できるようになり、近畿大学所蔵のコンテンツの利用価値がさらに高まることが期待されます。
今後も、希少性の高い貴重資料を順次公開し、デジタルコンテンツの充実を図るとともに、文化、教育分野における研究支援や文化的資産の有効活用にも貢献していきます。
※1 ADEAC®:A System of Digitalization and Exhibition for Archive Collections の略
※2 IIIF:International Image Interoperability Frameworkの略。国際的な画像相互運用のための枠組み。

【近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ】
公開日    :令和7年(2025年)4月1日(火)9:00
登録コンテンツ:1,687点(令和7年(2025年)4月1日時点)
URL     :https://adeac.jp/clib-kindai/top/

【登録コンテンツ例(抜粋)】
<ナポレオン『エジプト誌』>
ナポレオンがエジプト遠征時に随行させた学術調査団の綿密な調査研究の成果で、近代エジプト学の成立に大きく寄与した大変貴重な資料です。内容は「古代篇」「現代篇」「博物篇」「地図篇」に分かれ、古代篇および博物篇には色刷り手彩色仕上げの図版があります。

<ゲスナー『動物誌』>
スイスの医師、博物学者、言語学者のゲスナーが16世紀までに観察され記述された動植物に関する著作を集大成するという構想に基づき刊行したもの。本文は約3,500ページで1,045点の木版画を収録し、デューラーの作品を模したインドサイの挿図は特に有名です。

<『平家物語図会』>
『平家物語』を簡略に記述した絵入りの読本(よみほん)です。前編は平家一門の興隆と栄華、それに反発する反平家勢力の策謀など、後編は源氏勢の進攻と源平合戦、そして平家の滅亡が記述されています。挿絵を描いた有坂蹄斎は、蹄斎北馬(葛飾北馬)の雅号も持ち、葛飾北斎の門人の中でも筆頭にあげられる人物です。

<クルムス『解剖図録』仏版初版>
身体の各部の名称について28枚の図表を用い解説した医学書。日本では安永3年(1774年)に杉田玄白や前野良沢らが蘭訳本である通称『ターヘル・アナトミア』を底本として『解体新書』を出版し、わが国の近代医学の発展に大きく貢献しました。所蔵本は享保19年(1734年)に出版されたフランス語訳の初版です。

<『大坂物がたり』>
当初は関ヶ原の戦、冬の陣の直後に完結したものとして出版され、更にその後夏の陣において大坂城が落城すると、その戦況を書き加えて冬の陣までを上巻とし、夏の陣以降を下巻として出版されました。そのため、1冊本、上下2冊本などいくつかの異本が見られます。速報を目的としたニュース的出版物としては最初のもので、評判になりました。

【関連リンク】
中央図書館
https://www.clib.kindai.ac.jp/