日本看護協会 復興フォーラム2014「被災地の看護は、いま」 東日本大震災から間もなく3年 被災地で活躍する看護職が震災を振返る
2014.02.13 16:00
公益社団法人 日本看護協会(所在地:東京都渋谷区/会長:坂本 すが)は、2月11日(火・祝)よみうりホール(東京都千代田区有楽町)にて、一般参加者、看護師、看護学生を含む参加者1,100名を対象に復興フォーラム2014「被災地の看護は、いま」を開催いたしました。
このフォーラムは、本会の東日本大震災復興支援事業の一環で行われ、被災3県(岩手、宮城、福島)から復興に向けて現場で活躍する看護職の方々をお招きし、被災当時の様子や日々の活動で大切に感じたことを、講演いただきました。
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サンドウィッチマン等の合唱
宮城県岩沼市の医療法人社団スズキ病院スズキ記念病院では、地震による津波の影響で電源を喪失した中、2週間で29件のお産を介助しました。看護部長 八木橋 香津代(やぎはし かつよ)さんは、「震災はどこでも起こりうる、被災時もお産は進行する。産科医療に関わるものは、どのような状況でも安全に出産できる環境を提供することが使命」と震災への準備と訓練の大切さを語り、当時出産した女性の感謝の手紙を紹介し、「安全を提供するという目的が災害下でも達成でき嬉しく感じた」と述べました。
また、宮城県気仙沼市の社会福祉法人キングス・ガーデン宮城 南三陸訪問看護ステーションは、津波で甚大な被害を受けた中、6日後に訪問看護を再開されました。主任 千葉 美由紀(ちば みゆき)さんは、7歳の難病患児の人工呼吸器のバッテリー切れが危惧されたエピソードを話し、在宅医療機器の緊急用電源を予め複数準備し、救急車の到着まで命を繋ぐ大切さをご紹介いただきました。
その他、相馬看護専門学校副校長・福島県看護協会相双支部長 認定看護管理者 堀内 由美(ほりうち ゆみ)さんは、被災直後に「何かお手伝いできませんか」と病院に訪れた入職前の新人看護師の言葉に心を動かされ、中断していた新人研修を再開したエピソード、岩手医科大学 いわて東北メディカル・メガバンク機構 臨床研究・疫学研究部門 地域住民コホート分野 特命助教 佐々木 亮平(ささき りょうへい)さんは、被災地で保健師としてできることを突き詰め、イベント等で人が関わり合える空間を提供するなど、心のケアに注力されたエピソードを披露されました。
4人の講演を受け、日本看護協会 常任理事 中板 育美(なかいた いくみ)は、「看護は正に命が生まれる瞬間に出会い、命を繋ぐお手伝いをさせていただいている。被災地の看護職たちが、看護の使命に突き動かされてとった行動と、三年の月日がもたらしたものを皆さんにお伝えしたかった。何かを感じていただき、看護師を目指す若い芽が育ってくれると幸い」と震災への想いと看護の役割や期待を述べました。
講演後には、登壇者、特別ゲストのお笑いコンビ・サンドウィッチマン、看護学生と参加者1,100名が、復興ソング「花は咲く」を共に合唱し、会場一体となり復興への想いを歌に乗せました。