グローバル調査: ソーシャル、モバイル、クラウド、ビッグデータというトレンドは企業にとって課題であり、かつビジネスチャンスでもあることが明らかに
日本はこの変化に適応できず苦戦していると判明
2014.09.03 13:00
ビジネス・テクノロジー・ソリューションおよびマネージドサービスプロバイダであるアバナード株式会社(以下、アバナード)は、ソーシャル、モバイル、クラウド、ビッグデータといったIT変革を促すトレンドへの企業の対応に関するグローバル調査の結果を発表しました。調査によると、企業の多くはマネージドサービスプロバイダ(以下、MSP)との連携を通じてプライベートクラウドまたはパブリッククラウドのソリューションへの移行を進めており、現時点でMSPと提携している企業は37%、12カ月以内にMSPの利用への移行を計画している企業は41%にのぼることが分かりました。これは、信頼のおけるMSPを自社のIT戦略の一環として活用し、ITアウトソーシングを進める「ハイブリッドIT戦略」の採用が進んでいることを示しています。調査は、日本、米国、中国をはじめとする9カ国のIT部門の上級意思決定者(以下、ITDM)750名を対象に、インタビュー形式で実施されました。
調査の結果、ITの変革を促す4つのトレンドの融合は、大多数の企業にとって、もろ刃の剣であると考えられており、課題であると同時にビジネスチャンスとも捉えられていることが明らかになりました。それらのトレンドを課題と見なす回答者は83%、ビジネスチャンスと見なす回答者は93%に達しています。また、企業で新しいテクノロジーの活用が進まない大きな要因は、導入後に積極的かつ効果的に利用できていないためであることが分かりました。
グローバル調査結果の概要
- 4社に1社は、新しいテクノロジーに投資したものの、まだ実際は稼働環境で展開されていません。
- 既存のテクノロジーの最新バージョンを利用するためのライセンスに時間とコストを費やしながら、その試験導入さえ行っていないと回答した企業は5分の1近く(18%)に達しています。
- 導入済みのテクノロジーの最新バージョンを使用している企業は22%にとどまり、そうした既存のテクノロジーも十分に活用しきれていないと感じている企業が3分の1近く(31%)にのぼりました。
- 最新バージョンを評価中だと回答した企業を除いて4分の1超(28%)が、導入済みのテクノロジーの最新バージョンを使用しておらず、アップデートのための予算が不足していると答えました。さらに、迅速なROIを証明できないことから必要な投資を要求できない、という回答もほぼ同数に達しています。
日本における調査結果の概要
- 経済規模が大きい米国と中国は「ベストプラクティス」国としてこの4つのトレンドの採用を進めている一方で、日本は適応できず苦戦している5カ国のうちの1つです。
- BCP導入は急務ですが、クラウドテクノロジーを利用するマネージドサービスに割り当てられるIT予算の前年比の平均成長率は、日本企業が最も低い結果となっています(16%)。
- 日本のITDMがMSPの将来性を見出すのはこれからですが、現時点でMSPを戦略的パートナーにしたいと望むITDMは34%にとどまっています。
世界的に見ると、MSPを利用することで、クラウドや社外運用型(オフプレミス)のソリューションに移行する企業が増えています。しかしその場合、既存のインフラの放棄または適合の必要性という大きなチャレンジが生じます。企業の大半においては導入済みのテクノロジーを最新バージョンへアップデートするのにトラブルがつきものですが、本当に問題視するべきことは古いバージョンの利用に特に問題を感じていないITDMも存在していることです。旧式のテクノロジーを利用しながらソリューションを移行すれば、かえって複雑さが助長され、結果としてリスクも高まります。
調査に参加した企業の多くが、MSPの利用は問題解決に有効な戦略だと回答しています。しかしながら、MSPは厳格な基準を満たす必要があります。まずMSPの利用が、IT部門だけでなく、企業全体にメリットがあることを証明できなくてはなりません。また、MSPと顧客企業とがビジネス戦略を互いにしっかり共有しかつ理解しており、できればマイクロソフトとも綿密な関係を築けていることが望ましいといえます。調査に参加したITDMの75%がMSPとマイクロソフトとの関係を非常に重要あるいはかなり重要と答えています。
本グローバル調査について
アバナードは、独立系テクノロジー市場調査専門会社Vanson Bourneに調査を委託し、2013年3月から4月にかけて、9か国のIT部門の上級意思決定者を対象として750回のインタビューを実施しました。企業が4つのトレンドによってもたらされるビジネスチャンスを活用する際に採用している戦略を、コラボレーション/メッセージングアプリケーション、ビジネスアプリケーション、アプリケーション開発と管理、インフラの最適化という4つの重要なテクノロジー分野について調査しています。調査対象企業の規模別構成は、従業員数1,001人~3,000人の企業が42%、3,000人超の企業が58%でした。インタビューは、米国、オーストラリア、中国、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、スペイン、英国で実施されました。
アバナードについて
アバナードは、マイクロソフトの技術に特化したインサイト、イノベーション、高い専門性を組み合わせたビジネス・テクノロジー・ソリューションと管理サービスを通じて、デジタル世界における顧客の成功を支援しています。当社は様々な業界に属する数千社に対して企業を即応性、従業員の生産性、顧客ロイヤリティの向上を高めるお手伝いをしてきました。アバナードは、世界中のビジネス、技術、業界の専門家ネットワークと工業化された提供モデルを組み合わせることにより、柔軟性の高いクラウド型もしくはアウトソース型のオンプレミス導入モデルと実績ある新しい技術を活用した高品質なソリューションを提供しています。アクセンチュアが株式の過半数を保有するアバナードは、2000年にアクセンチュアLLPおよびマイクロソフト社により設立され、20カ国以上において21,000人の従業員が所属しています。詳しくは、http://www.avanade.com/jpをご覧ください。
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