さいたまの農家と連携「農業支援システム」を考案
~学生のアイデアで、栽培から販売までの流通をソフトで管理~
2015.02.20 10:30
芝浦工業大学(東京都江東区/学長:村上雅人)では、このたび企業と一緒に地域の問題を解決する授業『産学・地域連携PBL』および『地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)』の一環で、6名の学生チーム(大学院生 1名・学部3年生 5名)が、地域の中規模農家の支援を目的に「農業支援システム」を開発しました。
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現地農家にて課題調査をする学生たち
これは、さいたま市の「さいたまヨーロッパ野菜研究会」と連携し、野菜の栽培、出荷、受注などのデータを記録することで、農家やその関係者間での情報共有をはかり、安定供給が可能となるシステムの開発を目指すプロジェクトです。学生たちは研究会のメンバーであるさいたま市内の農家、卸売業者、種苗会社、レストランの協力を得て課題を調査し、4ヶ月間でプロトタイプを制作しました。2015年4月からさいたま市内での試験運用の開始を予定しており、今後は全国の農業関係者にも応用可能なシステム開発をめざしています。
芝浦工業大学では、今回のように社会が抱える課題に対し、チームで実際に課題解決に取り組むPBL(Project Based Learning:課題解決型学習)教育に力を入れており、知識や技術だけでなく社会で活躍できる実践的な技術者の育成を推進しています。
※主な協力・連携団体…さいたまヨーロッパ野菜研究会、トキタ種苗株式会社、公益財団法人さいたま市産業創造財団、ベジュール合同会社(珠洲市)
■開発までの流れ
学生たちは、さいたま市内の農家、シェフ、種苗会社などが連携してヨーロッパ野菜を地産地消する「さいたまヨーロッパ野菜研究会」に協力を依頼し、野菜の生産過程で抱える課題の調査を行いました。農家内では、栽培や出荷の実績データの記録が紙ベースで行われていたり、農家間やレストラン、種販売者との間で栽培から収穫までの一貫した情報共有ができておらず、必要以上に収穫して廃棄野菜を出してしまったり、逆に必要とされる時期に不足してしまったりする現状を確認しました。
学生たちは、これらを解決するために、農家内での野菜の栽培状況の管理をはじめ、関係者間でも必要なデータを一元管理・情報共有でき、栽培・出荷・受注までのスムーズな農産物の流通が可能となるシステム開発に取り組み、2014年10月から約4ヶ月間でプロトタイプを開発しました。
■今後の展開
今後は、さいたま市の産業創造財団や見沼区のトキタ種苗などに協力を仰ぎながら、次の栽培が始まる4月頃を目途にさいたま市内でのシステムの試験運用を開始する予定です。また、このシステムを埼玉だけでなく全国の中規模農家で利用可能な汎用的なシステムとするために、石川県珠洲市での現地調査や連携活動も実施しています。
芝浦工業大学では、今後も企業・地域の課題を学生のアイデアや技術で解決し、社会に貢献できる人材の育成を目指し、さまざまな取り組みを進めていきます。
芝浦工業大学: http://www.shibaura-it.ac.jp/
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