無料会員登録

3月22日は世界水の日 「水のトレーサビリティや安全性に関する調査」実施

食品偽装で高まる安全性への意識  食品の安全性は意識しても、水の安全性は意識していない?

“水”の安全性や選び方、活用方法を改めて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」では、3月22日の「世界水の日」を前に、改めて飲み水に関する意識を明らかにするため、10代から60代の男女600人を対象に、「水のトレーサビリティや安全性に関する調査」を実施しました。
※トレーサビリティ:生産、処理、加工、流通、販売等の段階で、食料品の移動を把握すること。


グラフ1

今回の調査結果から、食よりも水に対する安全性やトレーサビリティの意識が低いこと、実際に食品や飲み水を選ぶ際に最も重要視しているのは「価格」であることが分かりました。そこで「水を考えるプロジェクト」では、医学博士で管理栄養士でもある井上正子先生に調査結果について検証頂きました。


【調査トピックス】
1 ・食品の安全性は気にするけど、水の安全性は気にしない!?
  食品の安全性やトレーサビリティを意識している人「62.0%」
  水の安全性やトレーサビリティを意識している人はわずか「37.8%」
 ・食品の安全性を気にするようになったきっかけで最も多いのは
  「異物混入問題」
 ・安全性が気になる食品食材 1位「牛肉」、2位「野菜」、3位「豚肉」

2 ・食品も飲み水も安全性は二の次?
  食材を選ぶ際に気にしているのは 1位「価格」、2位「鮮度」、
  3位「安全性」
  飲み水を購入する際に気にしているのは 1位「価格」、2位「安全性」、
  3位「味・おいしさ」

3 ・飲み水に不安がある人は「36.5%」
  不安に感じている点 1位「給水槽や水道管の汚れ」、2位「水源の汚染」、
  3位「排水による汚染」


■医学博士・管理栄養士の井上正子先生より解説
かつて、わが国では「水と空気はただ」という日本の環境の良さを誇る考え方が当たり前でした。しかし、最近では水の汚染を気にしたり、水のおいしさにこだわる人々が増加し、水に対する考え方に変化が生じ、水道水は主に生活用水と考え、飲み水はペットボトルで好むものを買って飲むものという感覚が多くなってきました。そこで、こうした中で行われた調査の結果を解説させていただきます。

トレーサビリティや安全性を意識している食材・食品として多かった1位の「牛肉」2位「野菜」3位「豚肉」は、数年おきに問題の発生が報じられていますので、やはり注意は必要です。しかし、私たちの生命を維持する「水」は欠かさず常時摂取し続けますので、より注意して見守るべきです。それには「水」の生理機能と安全に対する認識をもち、「水」を選ぶための知識を高めていただきたいと思います。

飲み水を選ぶ際に気にしているのは1位「価格」2位「安全性」3位「味・おいしさ」となりました。毎日、必ず摂取するものですので摂取頻度が高い程「価格」が気になるのは当然でしょう。そして摂るなら安全でおいしい水であることが求められることも重要なポイントになります。
また、飲み水に対して不安がある人は、1位「給水槽や水道管」2位「水源」3位「排水」の汚れを心配していました。飲料水を提供する方々は、商品の告知とともに消費者が健康のために求めているものが何かを理解し、水源や汚染に関する情報をはじめそれぞれの水の特徴、水と人体の関わりなどの基礎をわかりやすく知らせる工夫が必要でしょう。今後、安全・安心な水を作っていくために水に関する社会環境を良くして行くことも課題でしょう。


・食品の安全性は気にするけど、水の安全性は気にしない!?
 食品の安全性やトレーサビリティを意識している人「62.0%」
 水の安全性やトレーサビリティを意識している人はわずか「37.8%」
・食品の安全性を気にするようになったきっかけで最も多いのは
 「異物混入問題」
・安全性が気になる食品食材 1位「牛肉」、2位「野菜」、3位「豚肉」

Q.あなたは食品・水のトレーサビリティや安全性を意識していますか?また意識している場合きっかけは何ですか?
 (複数回答)(n=600)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_1.jpg

まず、食品のトレーサビリティや安全性を意識しているかどうか聞いたところ、「特に意識していない」と回答した人が約4割の38.0%でした。
対して、水のトレーサビリティや安全性を意識しているかどうか聞いたところ、「特に意識していない」と回答した人が半数以上の62.2%にもなりました。
食品と水の安全性に対する意識を比較した際に、食品に対して水の安全性やトレーサビリティへの意識が低いことがわかりました。

そこで低いながらも、「意識している」と回答した人は、なぜ安全性やトレーサビリティを気にするようになったのか見てみますと、「食品」に関しては、「異物混入問題」が最も多く24.3%、次いで「原子力発電所の問題」22.8%、「食品偽装問題」21.3%という結果になりました。20代と30代は「妊娠・出産」に関して、20代が19.0%、30代が16.0%と、他の年代よりも高い割合になりました。
「水」に関しては、「原子力発電所の問題」が最も多く15.8%、次いで「よりよい栄養を摂取するため」9.0%、「ダイエット・美容」4.3%という結果になりました。


Q.トレーサビリティや安全性を意識している食材・食品は何ですか?
 (単数回答)(n=600)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_2.jpg

いったい、どんな食材・食品を買う時に安全性やトレーサビリティを意識して購入しているのでしょうか。
「トレーサビリティや安全性を意識している食材・食品は何ですか?」と聞いたところ、最も多かったのは「牛肉」で29.3%となりました。続いて「野菜」23.3%、「豚肉」13.3%となりました。上位5位は食材が選ばれたのに対し、「飲み水」と回答した人は、わずか7.7%でした。


・食品も飲み水も安全性は二の次?
 食材を選ぶ際に気にしているのは 1位「価格」、2位「鮮度」、
 3位「安全性」
 飲み水を購入する際に気にしているのは 1位「価格」、2位「安全性」、
 3位「味・おいしさ」

Q.食事・食材を選ぶ際に気にしているポイントは何ですか?
 (複数回答)(n=600)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_3.jpg

Q.飲み水を購入する際に気にしているポイントは何ですか?
 (複数回答)(n=600)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_4.jpg

では、食品や飲み水を選ぶ際にどのようなことを気にしているのでしょうか。
「食事・食材を選ぶ際に気にしているポイントは何ですか」と聞いたところ、「価格」と回答した人が最も多く77.2%になりました。次いで「鮮度」64.5%、「安全性」57.2%となりました。
食の安全性を意識している人が6割程度いるにも関わらず、実際に購入する際に優先していることは「安全性」ではなく「価格」が重要視されているようです。

年代別に10代と60代を比較すると、60代では「安全性」を気にしている人が44.4%に対し、10代では約半数の23.0%という結果になりました。
また、「飲み水を購入する際に気にしているポイントは何ですか」と聞いたところ、食品と同じく「価格」と回答した人が最も多く55.3%という結果になりました。2番目に多かったのが「安全性」38.8%、3番目が「味・おいしさ」33.2%となりました。
食品を選ぶ際や飲み水を購入する際に共通しているのは、安全性よりも「価格」が重視されているということが明らかになりました。


・飲み水に不安がある人は「36.5%」
 不安に感じている点 1位「給水槽や水道管の汚れ」、2位「水源の汚染」、 3位「排水による汚染」

Q.飲み水に対して不安はありますか?
(単数回答)(n=600)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_5.jpg

Q.飲み水に対して、どのような点に不安を感じていますか?
 (単数回答)(n=219)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_6.jpg

Q.飲み水の安全性を確認する場合どのようなことに注意しますか?
 (複数回答)(n=600)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_7.jpg

Q.飲み水に関して、自宅で実施していることは何ですか
 (複数回答)(n=600)
http://www.atpress.ne.jp/releases/58768/img_58768_8.jpg

「飲み水に対して不安はありますか」と聞いたところ、「ある」と回答した人は36.5%となりました。そして、どのような点に不安を感じているのか聞いたところ、最も多かったのは「給水管や水道管の汚れ」で58.4%、次いで「水源の汚染」48.9%、「排水による汚染」で31.5%という結果になりました。
また、飲み水の安全性を確認する場合にチェックするのは「水源・採水地」が54.5%で最も多く、次いで「メーカー」51.8%、「賞味期限」33.2%となりました。
さらに、「飲み水に関して自宅で実施していることは何ですか」と聞いたところ、「水道水をそのまま飲んでいる」が最も多い31.0%で、次いで「ペットボトル入りの水を購入している」が29.5%、「蛇口直結タイプの浄水器を設置している」が26.0%という結果となりました。


【調査概要】
調査方法  : インターネットリサーチ
調査対象  : 10代から60代の男女
回答数   : 600名(各世代男性50名、女性50名)
調査日   : 2015年02月10日(火)~2015年02月11日(水)
調査主体  : 水を考えるプロジェクト
ホームページ: http://www.mizu-kangaeru.jp/


【『水を考えるプロジェクト』 プロジェクト概要】
●プロジェクト名: 「水を考えるプロジェクト」
●設立年月日  : 2015年3月4日(水)
●活動目的   : 飲用水の安全性に興味を持ち、きちんと理解した上で
          飲用水を選ぶ・飲むことを啓発する。
●参画メンバー : 井上正子
          (医学博士・管理栄養士 日本医療栄養センター所長)
          橋本淳司
          (水ジャーナリスト/アクア・コミュニケーター/
          アクアスフィア代表)
          矢野一好
          (公立大学法人 首都大学東京 客員教授
          保健学博士(北里大学))
●サイトURL   : http://www.mizu-kangaeru.jp/


井上正子(いのうえ・まさこ)
医学博士・管理栄養士 日本医療栄養センター所長
女子栄養大学卒業。昭和大学医学部にて学位取得。
元北里大学保健衛生専門学院教授・順天堂大学医学部・日本大学松戸歯学部・女子栄養大学YSK講師。1989年日本医療栄養センターを設立。「医学」と「栄養学」の両見地から、「水と健康」及び「健康をつくる食生活」について情報発信している。主な著書に「現代生理学」、「ミネラルウォーターBOOK」、「栄養学と食のきほん事典」など。

報道関係者向け
お問い合わせ先

@Press運営事務局までご連絡ください。
ご連絡先をお伝えいたします。
お問い合わせの際はリリース番号「58768」を
担当にお伝えください。