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乳酸菌が産生する多糖に自己免疫疾患(乾癬)の症状を緩和する効果を確認

― 2015年3月26日~29日開催の日本農芸化学会2015年度大会にて発表 ―

 医薬品の製造販売を手がける日東薬品工業株式会社(本社:京都府向日市、代表取締役社長:北尾 哲郎、以下「日東薬品」)は、広島大学大学院生物圏科学研究科 田辺 創一教授(以下「広島大学」)との共同研究で、乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides NTM048株、以下「NTM048株」)の菌体外多糖(以下「EPS」)に、免疫機能の異常によって引き起こされる皮ふ疾患「乾癬(かんせん)」の症状を緩和する効果があることを確認しました。
また、本研究結果を、2015年3月26日(木)~29日(日)で実施された日本農芸化学会2015年度大会にて発表しました。


乳酸菌NTM048株のEPS(粉末)

■乾癬の症状を緩和させる乳酸菌の菌体外多糖
 近年、乳酸菌には整腸作用など様々な健康効果が報告されており、多くの関心が寄せられています。また、乳酸菌が産生する物質についても注目が集まっています。
 日東薬品は石川県立大学生物資源工学研究所 山本 憲二教授と松崎 千秋博士、広島大学との共同研究を通じ、エンドウマメから単離した乳酸菌NTM048株に、免疫力を高め、免疫疾患に起因する炎症を抑制する効果があることを既に明らかにしています。
 この度、NTM048株が産生する独特のネバネバ物質「EPS」にも同様の効果があり、免疫機能の異常によって引き起こされる皮ふ疾患「乾癬」の症状を緩和する効果がみられることを確認しました。

(松崎 千秋博士の「崎」は旧字であり、正式には山へんに立・可になります。)


■実験結果
 マウスを用いた実験で、NTM048株のEPSに以下の効果があることを確認しました。
・マウス皮ふの炎症性サイトカイン(IL-17)[※1]に関連する反応の抑制
・マウス皮ふの乾癬症状スコア[※2]の悪化を緩和

 以上の結果から、NTM048株のEPSには、乾癬の症状を緩和させる効果があることが示唆されます。


 日東薬品は引き続き、NTM048株のEPSが持つ効果の研究に取り組むとともに、乳酸菌NTM048株とEPSが持つ健康機能を活かした機能性食品などの実用化を目指します。


■乾癬とは
 慢性の皮ふ疾患のひとつ。乾癬にかかると、皮ふが赤く腫れ、盛り上がり、その表面に銀白色のかさぶたが厚く付着して、それがフケのようにぼろぼろとはがれ落ちるという症状が見られます。免疫機能が異常状態となることにより、自分自身の身体に炎症を引き起こしてしまう「自己免疫疾患」であることが近年の研究で明らかになりました。日本国内の患者数は10万人(1,000人に1人)程度と推定されます。

[※1] 炎症性サイトカイン(IL-17):
血管内皮細胞、マクロファージなど種々の細胞に作用して、様々な炎症性メディエーターの発現を誘導する分子のこと。

[※2] 乾癬症状スコア:
乾癬に感染させたマウスの症状を観察し、悪化の度合いを数値で示したもの。皮ふの紅斑、肥厚度、症状範囲から数値化しています。症状が悪化すると、スコアが高くなります。


■会社概要
名称  : 日東薬品工業株式会社
所在地 : 京都府向日市上植野町南開35-3
代表者 : 代表取締役社長 北尾 哲郎
事業内容: 医薬品の研究開発、製造販売、機能性食品の研究開発
URL   : http://www.nitto-pharma.co.jp/

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