世界初!遺伝子解析技術で洗濯槽の悪臭の原因菌を解明 悪臭の主原因はマイコバクテリウム属の菌
ライオン株式会社(代表取締役社長・濱 逸夫)は、生活者が“カビ臭い”と気にしている洗濯槽の悪臭とその原因について研究を進めた結果、その悪臭は洗濯槽裏のバイオフィルム※1に存在するマイコバクテリウム属の菌※2が主原因であることを、最先端の遺伝子解析技術を用いて世界で初めて解明しました。
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図1:洗濯槽裏のバイオフィルム
※1 菌が作り出す粘膜状の複合汚れ
※2 マイコバクテリウム属の中でも病原性の低い種類の菌
■研究の背景
近年、家の中のイヤなニオイを気にする人は多く、なかでも「洗濯槽の“カビ臭い”ニオイ」は、生活者の約4割の人が気にしています(当社調べ)。長年使用した洗濯機の洗濯槽の裏には、菌がタンパク質などを栄養源とし、増殖の過程で作り出す多糖などを含む“バイオフィルム”が存在し、菌やカビのすみかであることが知られています(図1)。生活者は洗濯槽の裏にこのような汚れがあると、「洗濯槽が臭う」、「洗濯槽のニオイが衣類に移る」ことに繋がると考えています。しかしながら、これまで洗濯槽裏の汚れと悪臭の関係について詳しく研究した事例はほとんどありません。
そこでこの度、当社ファブリックケア研究所と分析技術センターは、洗濯槽からの悪臭の発生原因を明らかにするための研究を行いました。
図1:洗濯槽裏のバイオフィルム
http://www.atpress.ne.jp/releases/61191/img_61191_1.jpg
■研究の結果
(1)“カビ臭い”と感じる悪臭の原因物質は、硫黄化合物
洗濯槽の悪臭の実態を明らかにするため、家庭で2~15年使用した洗濯機14台を対象に、ニオイの専門家による官能評価※3と、ニオイ成分の解析※4を行いました。
当社香料技術研究所の研究員がニオイを嗅いで評価した結果、主に野菜の腐敗臭や生ゴミ臭に含まれる硫黄化合物の様なニオイが多いことがわかりました。また、ニオイ成分の解析の結果、悪臭のする洗濯機からは共通して、主に硫黄化合物が検出されました。これらの結果より、生活者が感じている洗濯槽の悪臭の原因は、主に硫黄化合物のニオイであることが推察されました。
また、実験に用いた洗濯機の中には、カビの発生は認められないものの“カビ臭い”と感じるものもありました。このことから、“カビ臭い”といわれる洗濯槽の悪臭の主原因は、カビではないと考えられます。
※3 洗濯機内の気体をにおい袋に捕集後、官能評価
※4 SPME(Solid Phase Micro Extraction)捕集ファイバーを洗濯機内に一晩設置し、捕集したニオイ成分をGC-MS(Gas Chromatograph Mass Spectrometer)測定
(2)洗濯槽裏のバイオフィルムに“マイコバクテリウム属の菌”が存在することを、世界で初めて発見
洗濯槽裏にはカビの他に菌が存在しますが、洗濯機の中には、カビの発生は認められないものの“カビ臭い”と感じるものもあることから、悪臭には菌が大きく関与していると考えられます。
そこで、次世代シークエンサー法※5という最先端の遺伝子解析技術を活用し、洗濯機裏に存在する菌の実態解析を行いました。
家庭で2~15年使用した洗濯機14台から回収したバイオフィルムに存在する菌を解析※6した結果、すべてのバイオフィルムから、マイコバクテリウム属の菌(図2)が検出されました。マイコバクテリウム属の菌は、主に土壌や河川などの環境中に幅広く存在することが知られており、これまでに、洗濯槽のバイオフィルムにマイコバクテリウム属の菌が存在していることを突き止めた例はなく、世界で初めての発見です。
図2:マイコバクテリウム属の菌
http://www.atpress.ne.jp/releases/61191/img_61191_2.jpg
※5 菌の遺伝子配列を読み解くことで菌の種類を特定する解析法で、菌のDNA鑑定のようなもの。この方法の活用により、これまで検出が困難だった菌の特定も可能となり、腸内細菌などの人体の常在菌等、様々な環境に存在する菌やその機能等の実態解明が可能となってきている。
※6 洗濯槽の穴から綿棒を通して採取したバイオフィルムから菌のDNAを抽出し、次世代シークエンサーにて解析
(3)洗濯槽の悪臭の主原因は、マイコバクテリウム属の菌
次に、マイコバクテリウム属の菌と洗濯槽の悪臭の関連性を検証する実験を行いました。マイコバクテリウム属の菌を培地上で培養※7したところ、バイオフィルムの構成成分である多糖の量が増えると共に、悪臭の原因物質である硫黄化合物の発生量も増加することがわかりました。
これらの結果から、マイコバクテリウム属の菌は増殖してバイオフィルムを作りますが、同時に、洗濯槽の悪臭成分を発生していると考えられます。
※7 タンパク質を含む市販の培地を用いてマイコバクテリウム属の菌を増殖
以上、洗濯槽裏のバイオフィルムにはマイコバクテリウム属の菌が存在し、その菌が洗濯槽の悪臭の主原因であることを最先端の遺伝子解析技術を用いて世界で初めて解明しました。
(1)(2)の結果については、日本農芸化学会2015年度大会(開催日:2015年3月26~29日、会場:岡山大学)にて発表しています。
菌はカビよりも増殖速度が速いことから、洗濯槽の悪臭を抑制するには「数ヵ月に一度の定期的なお手入れ」に加えて、日々のお手入れで「バイオフィルムを分解・除去・発生抑制」することが効果的と考えられます。
<参考資料(1)>
洗濯槽の悪臭を抑えるには、バイオフィルム対策が効果的!
洗うたび、衣類も洗濯槽も菌・カビ・ニオイからしっかり守る
超コンパクト衣料用液体洗剤『トップ HYGIA(ハイジア)』のご紹介
洗濯槽の悪臭を抑えるには、菌のすみかとなっているバイオフィルムを分解・除去したり、発生を抑えることが効果的であると考えられます。
バイオフィルム中の多糖を分解する酵素を配合した衣料用洗剤『トップ HYGIA』は、洗濯槽のバイオフィルムを直接分解・除去※し、また発生も防ぎます。さらに、洗濯槽の悪臭も低減します。
トップ HYGIAの効果
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<商品特長>
(1)洗濯槽の菌が作るバイオフィルムを分解・除去※することにより、洗濯槽を除臭。さらに、バイオフィルムの発生も防いで、洗濯槽のニオイを抑える。多糖分解酵素が、洗濯槽のバイオフィルムを直接分解・除去し、発生も防ぐので、衣類も洗濯槽も菌・カビ・ニオイからしっかり守ります。
(2)優れた抗菌性能を発揮するプラスイオン抗菌成分と、菌の栄養となるタンパク汚れをしっかり落とす確かな洗浄力を併せ持つことで洗うたび高まる抗菌力を発揮
(3)衣類の菌や洗濯槽のカビが、洗濯中に他の衣類に移るのを抑える
(4)衣類の菌の増殖を防ぐことで高い防臭効果を発揮
※ 繰り返し洗うことで、バイオフィルムは徐々に除去されます
<容量・価格>
容量:本体 450g
つめかえ 360g
つめかえ大 660g
価格:オープン価格
商品画像
http://www.atpress.ne.jp/releases/61191/img_61191_4.jpg
ブランドサイト: http://top.lion.co.jp/products/hygia/
<参考資料(2)>
洗濯槽の悪臭を抑えるには、バイオフィルム対策が効果的!
洗濯槽の悪臭対策には日頃のお手入れが重要
~洗濯機内の湿度を下げ、汚れを残さないことがポイント~
ライオン株式会社 お洗濯マイスター 山縣 義文
春から梅雨にかけて、気温と湿度が高くなる時期は菌やカビも増殖しやすくなるので、洗濯槽内の菌・カビ対策が必要になってきます。当社の研究により、多くの人が感じている悪臭の主原因は、“マイコバクテリウム属の菌”であることがわかりました。菌は増殖速度が速いので、洗濯槽の悪臭を防ぐためには定期的なお手入れに加えて、日頃のお手入れも重要です。
~ 洗濯槽の悪臭を抑える方法 ~
【定期的なお手入れ】
■洗濯槽クリーナーで洗濯槽をキレイにする
定期的に洗濯槽クリーナーを使用して、すでに付着している洗濯槽の裏側の菌・カビや、これらのすみかとなるバイオフィルム汚れを取り除きましょう。2~3ヵ月に一度は行うようにしましょう。
【日頃のお手入れ】
■バイオフィルムを分解・除去する効果のある洗剤を使用する
定期的なお手入れに加えて、菌やカビのすみかとなるバイオフィルムを分解・除去する効果のある衣料用洗剤『トップ HYGIA』を使用して、毎日の洗濯で洗濯槽をキレイに保ち、悪臭の発生を防ぎましょう。
■洗濯機内の湿度を下げる
普段は、洗濯機のフタを開けっ放しにして洗濯機内の湿度の上昇を抑えて、洗濯槽裏にバイオフィルムが発生しにくい環境にしましょう。
また、多くの家庭では洗濯機を脱衣所に置いているようですが、脱衣所は入浴後、お風呂の湿った空気が入ってくるため湿度が上がります。そうすると、その湿度以上に洗濯機内の湿度は上り、入浴後のお風呂と同じくらいになります。入浴後は、脱衣所の扉や窓を開けたり、お風呂場の換気を良くして湿度を下げるなどして、脱衣所の湿った空気を逃がす通り道を作ることで洗濯機内の湿度を下げるようにしましょう。
イメージ図
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その他、くず取りネットを洗ったり、洗剤や柔軟剤の投入口も掃除するなど、日頃からこまめにチェックして洗濯機内をキレイに保ちましょう。
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