理工学部・小野弓絵准教授と穂翔会村田病院が 脳卒中リハビリテーション技術を開発 ―麻痺した手を動かすために―
明治大学理工学部・電気電子生命学科(生命理工学専攻)の小野弓絵准教授と穂翔会村田病院(大阪市生野区)の村田高穂院長、富永孝紀リハビリテーション室長らは、手に麻痺をもつ脳卒中患者の「手を動かしたい」という意思を脳波から検出し、患者の手に取り付けた装具を動かすことで、タイミングよく手の動作感覚をフィードバックする技術「Digital Mirror Box」を開発しました。
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▲イメージ図
この技術は、手の動きを想起することで手の運動野の活動が変化する現象を利用した、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の医療応用を目指したものです。動作の想起が困難な麻痺患者の方でもイメージしやすいように、ボールを握る手の実物大の映像を、患者の麻痺した手を覆うように設置したタブレット越しに見てもらいながら実施する点が特長となっています。自身の手が運動しているような視覚フィードバックにより動作の想起が促進され、患者の脳波の変化として検出されることで、装具が同時に動くことから、疾患で失われた「動かす意思」→「手の動き」→「手の動作感覚」からなる一連の運動ー感覚経路が刺激され、運動機能の早期の再構築が期待されます。
2015年5月に村田病院の入院・外来患者のべ16名へ行った予備実験では、20分ほどの単回訓練で全ての患者が装具を自らの意思で動作させることができ、訓練後に指の動きが回復する患者も複数みられました(動画)。今後さらに研究を続け、適応のある障害の種類や程度、リハビリテーションとしての手法の開発につなげていく予定です。
なお本研究は、株式会社 エルエーピーから装具を提供頂き実施しています。
<参考動画>
https://youtu.be/4LTSzjud2Yo
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