日本の教育を考える10人委員会 提言「教育格差の解消と教育の質向上を目指して」
報道関係者各位
プレスリリース 2007年11月30日
日本の教育を考える10人委員会
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「教育格差の解消と教育の質向上を目指して」
日本の教育を考える10人委員会 2007年度 提言
http://10nin-iinkai.net/
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日本の教育を考える10人委員会(以下 10人委員会)では、義務教育の目的を
達成するために、「教育格差の解消と教育の質向上を目指して」と題して
17の提言を策定しました。その概要は次のとおりです。
詳細な資料は日本の教育を考える10人委員会ホームページよりダウンロード
できます。( http://10nin-iinkai.net/ )
■■概要■■
(1) 義務教育の目的
・安倍政権以降も、様々な教育改革が進められていますが、「改革をすれば
教育はよくなる」とは限りません。今進めている改革には、むしろ負の影響
が大きいものが多すぎます。今必要なことは不適切な改革を性急に進める
ことではなく、今一度「将来を担う子どもにとって望ましい教育とは何か」
ということを十分に議論・検討し、必要かつ適切な改革を進めることです。
・義務教育は、地域社会や日本社会の将来にとって、欠くことのできない
ライフラインです。その維持のために、関係者が協力しながら、努力し
続けることが重要です。
・義務教育の目的は、「本人が居住する地域や保護者の所得等にかかわらず、
すべての児童・生徒が等しく、ナショナルミニマムとして考えられる基礎的
な学力と社会生活に必要な生きる力を確実に身に付けられるようにすること」
であり、そのための機会をすべての子どもに均等かつ十分に与えることが
必要です。
(2) 義務教育の目的を達成するための17の提言
1.義務教育の実施方法・内容に関する提言
提言 1:教育格差を助長する市場原理・競争原理主義的な政策は導入
しないこと!
提言 2:教育の成果を総体的に向上させるため、学力に加えて、多様な
個性や能力を育むことが重要!
提言 3:地域や学校の実情にあわせて、柔軟に少人数教育等に取り組める
ような環境整備を進めること!
提言 4:学力実態調査は、学校の格付・格差化ではなく、学校教育の改善、
充実に役立つものとすること!
2.教育財源の確保に関する提言
提言 5:公教育の予算を拡充すること!
提言 6:現状の義務教育費国庫負担制度を見直し、国の負担率を半分以上
にすること!
提言 7:教職員給与だけでなく、教材費/図書費/施設設備費/研修費など
教育の充実に必要な基礎的経費についても、国が責任を持って
予算を確保すること!
提言 8:家庭の収入格差により、子どもが十分な義務教育を受けられない
ようなことがないように必要な予算措置を行うこと!
提言 9:地方の教育予算編成については、首長と教育委員会の協議により
決定する仕組みを確立すること!
3.教育システムのあり方に関する提言
提言10:国は、義務教育における最低基準(ナショナルミニマム)の保障と
教育全体の基本的枠組みの提示及び諸情報の提供を行う役割に
徹することが望ましく、学校運営及び教育の実施については
地方に権限を委譲すること!
提言11:国や独立行政法人等の第三者機関による画一的な学校評価を
行わないこと!
4.地域・家庭の教育力の向上に関する提言
提言12:国や地方公共団体は、学校・家庭・地域の連携を促進し、保護者・
地域住民が学校運営・教育活動に参加・協働する取り組みを
支援・推進すること!
5.教職員を取り巻く環境の改善に関する提言
提言13:教育の質の向上をはかるために、教職員の増員や環境改善を
進めること!
提言14:教員免許更新制は、実施するからには教員の意欲や質を確実に
向上させるものとすること!
提言15:学校・教職員に対する要求・苦情などの対応については、必要に
応じて組織的・専門的に対応する体制を構築すること!
提言16:学校運営者を外部から採用する際には、教育に関する高い識見を
持った人材を対象として公募すること!
提言17:教職員の自己研鑽と力量形成を促進するためにも、研修環境を
改善・充実させること!
【参考:教育長向けアンケート調査結果】
本委員会では独自に全国の教育長を対象にアンケート調査を実施しました。
その結果概要は次のとおりです。
(1) 義務教育費国庫負担制度については国の負担を大きくする要望が多く、
義務教育国庫負担金以外についても財源確保が難しいという意見が多く、
教育を取り巻く財政状況は厳しいことが伺える。
(2)「学校選択制」や「教育バウチャー」の導入について否定的な意見が多く、
競争原理の導入は望ましくないと考えている。
(3) 教員免許更新制については既に導入が決まっているにもかかわらず、
約35%が「必要ない」と回答している。
(4) 制度変更により現場の混乱が危惧される等の理由から、週5日制について
は、「現状維持」という意見が多い。
(5) 教育長・教育委員会が教育を改善・充実する上で重要と考えていることは
「教職員の増員」と「給与財源の確保」。
詳細な資料は日本の教育を考える10人委員会ホームページよりダウンロード
できます。( http://10nin-iinkai.net/ )
■■委員会構成■■
日本の教育を考える10人委員会(2007年度メンバー 五十音順)
【委員長】
佐和 隆光 立命館大学政策科学研究科教授
京都大学経済研究所特任教授
【委 員】
市川 昭午 国立大学財務・経営センター名誉教授
尾木 直樹 教育評論家・法政大学教授
小野田 誓 元社団法人日本PTA全国協議会相談役
片山 善博 慶應義塾大学教授
黒崎 勲 日本大学教授
斎藤 貴男 ジャーナリスト
佐藤 学 東京大学教授
樋口 恵子 評論家・東京家政大学名誉教授
藤田 英典 国際基督教大学教授
宮崎 緑 千葉商科大学教授
渡邉 光雄 南相馬市社会福祉協議会常務理事、元福島県原町市教育長
■■本件に関するお問い合せ先■■
「日本の教育を考える10人委員会」
URL : http://10nin-iinkai.net/
E-mail: info@10nin-iinkai.net
TEL : 03-3288-4221
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