秋から冬の食中毒対策に!汚れをしっかり落とす「手洗い」のコツ
秋から冬にかけては、ノロウイルスによる食中毒が気になる時期ですね。特に今年は新型のノロウイルスが流行するおそれがあるとも言われています。厚生労働省が感染予防のポイントの一つに「手洗い」をあげているように、ウイルスを体の中に入れないために、普段より丁寧に手を洗うことが重要です。
そこで、ライオン株式会社ヘルスケアマイスター 山岸 理恵子が手の汚れについて行った実験の結果を紹介、解説するとともに、「正しい手の洗い方」や「適切な手洗いのタイミング」について紹介します。
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図1 汚れの残りやすい場所
<山岸ヘルスケアマイスターの紹介>
ボディソープやその他スキンケア商品の開発に約20年携わる。現在は、ヘルスケアマイスターとして製品開発の経験を活かし、健康で快適なくらしのための情報を発信している。
(1) 手を洗っても汚れが残りやすい部分は「指先」「指と指の間」「手首」
手を洗った後に残った汚れについて、どの部分に汚れが残りやすいか実験(※1)してみました。
キレイに洗ったつもりでも、意外に汚れが残っているのが「指先」「指と指の間」「手首」でした。手を洗う際には、念入りに洗うようにしましょう。
小さな子どもは指先を口に入れてしまいがちです。子どもには、これらの部位を丁寧に洗うように指導してあげて下さい。
図1 汚れの残りやすい場所
https://www.atpress.ne.jp/releases/76195/img_76195_1.jpg
(2) 正しい手の洗い方でキチンと手を洗うと最低30秒は必要
手洗いをキチンと行うと、泡を立てた後から洗い流す前までの工程だけで最低でも30秒はかかります(図2 「正しい手の洗い方」工程4~9)。しかし、自分の手洗い時間をアンケートで自己申告により調べたところ、30秒以上かけて手を洗っている人は、小学生が28.4%、中学生が14.9%、保護者(大人)が10.6%と少ないことがわかりました(ライオン調べ)。また、大人のほうが手を洗っている時間は短いこともわかりました。洗い残しを防ぐためにも、正しい手の洗い方を覚えて実践するようにしましょう。
また、手を拭くタオルにも注意が必要です。汚れたタオルで手を拭くと、その汚れが手についてしまうこともあります。手を洗った後は、必ず、乾いた清潔なタオルかペーパータオルで拭き取るようにしましょう。
グラフ1 手洗いの時間(自己申告)
https://www.atpress.ne.jp/releases/76195/img_76195_2.jpg
<図2 正しい手の洗い方>
https://www.atpress.ne.jp/releases/76195/img_76195_3.jpg
(3) 水だけでは不十分。ハンドソープを使った手洗いが大切!
通勤後の手を水だけで洗ったときとハンドソープで洗ったとき、それぞれの手に残った汚れを比べてみました(※2)。その結果、水だけでは十分に汚れが落ちていないことがわかりました。
石けんやハンドソープの洗浄成分である界面活性剤には、汚れを包みこんで手から引き離す働きがあります。界面活性剤自体にはノロウイルスを直接失活する効果はありませんが、ウイルスを手指から洗い流して体の中への侵入を防ぐ効果が期待できます。
また、手洗いの際には石けんやハンドソープをよく泡立てることも大切なポイントです。泡と泡のすき間には汚れを吸い寄せる作用があるからです。上手に泡立てができない小さな子どもには、初めから泡で出てくるタイプのハンドソープがおすすめです。
グラフ2 水だけで手洗いした後とハンドソープで手洗いした後に手に残った汚れの量
https://www.atpress.ne.jp/releases/76195/img_76195_4.jpg
(4) 手洗いは適切なタイミングで!
ノロウイルス対策として、以下の場合には必ず手を洗うようにしましょう。
・調理を行う前後
・食事の前
・トイレに行った後
・下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後
これらに加えて、普段は手指の衛生を保つためにも、「外出から帰った後」、「動物に触った後」、「咳・くしゃみを手でおさえた後」にも、洗うようにしましょう。
ただし、洗いすぎには注意してください。キレイにしたいからといって洗いすぎると、手あれなどの原因になる場合もあります。
洗いすぎを防ぐためにも、「適切なタイミング」で「正しい手洗い」を心がけましょう。
(※1) モデル汚れを両手にまんべんなく塗布した後に、普段と同じ方法で手洗いを実施(手洗い指導なし)。その後、手に残ったモデル汚れを着色した。
(※2) 朝、出社直後の手を水及びハンドソープで洗った後の汚れ具合をATPふき取り検査法で検査した。この検査法は清掃度検査として普及しつつあり、微生物や食物の細胞に存在するATPを計測する方法で、生物由来の汚れを検出できるため、手指や器物の汚染調査、清浄度調査に使用される。(この測定法は、生物由来の汚れの測定は可能であるが、特定の菌の測定はできない)
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