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司馬文学の金字塔『坂の上の雲』遂に電子化決定  没後20年となる2016年元旦から配信開始

2015.11.30 10:00

 株式会社文藝春秋(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:松井清人)は、2016年元旦から、司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』全8巻を電子書籍化して配信します。『坂の上の雲』は、総発行部数2,000万部を超える司馬文学の金字塔です。一部書店では、2015年11月30日に電子版の予約も始まります。


『坂の上の雲』書影

 俳句改革に命をかけた正岡子規、日露戦争を勝利に導いた秋山好古・真之兄弟。伊予松山出身の三人を中心に、明治という時代の明暗と、近代国家誕生にかけた人々の姿を描きます。

 司馬遼太郎作品は、2013年に『竜馬がゆく』が、弊社から初めて電子書籍化されました。文藝春秋の配信作品合計で15万DLを超えており、司馬作品は時代を超えて読み継がれています。『坂の上の雲』は、読者からの電子化リクエストが非常に多かった作品で、待望の電子化となります。流通が止まる元旦から配信できるのも、電子書籍ならではの利点です。

 来年は司馬遼太郎さんが亡くなられて20年になります。命日にちなんで開かれてきた「菜の花忌」のシンポジウムも、没後20年の節目の会として開催されます(2月20日、日比谷公会堂)。その他、さまざまな記念事業、フェアなども予定されています。その年の初めに、『坂の上の雲』の電子版を配信できるのは、とても意義深いことだと思います。


<司馬遼太郎記念館 上村洋行館長のコメント>
「司馬遼太郎が亡くなりまして20年になります。この1年、改めてデビュー作『ペルシャの幻術師』から『この国のかたち』までの作品を振り返る企画展「司馬遼太郎の軌跡」を記念館(東大阪市)で開いています。司馬遼太郎は『竜馬がゆく』『燃えよ剣』『菜の花の沖』といった多くの作品を通じて、人間について、日本人あるいは、日本について考え続けました。なかでも『坂の上の雲』は今の時代へのメッセージとして執筆したのではないか、と思うほどそのことが浮かび上がってくるように思います。混迷の時代、多くの人に読んでもらいたいと考えてこの作品を電子化しました。読書を通じてご自身でこれからのことを考えてくだされば、と願っています」


■著者紹介/司馬遼太郎(しば・りょうたろう)
 大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語部卒業。昭和35年、『梟の城』で第42回直木賞受賞。41年、『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。47年、『世に棲む日日』を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、『ひとびとの跫音』で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、『街道をゆく“南蛮のみち”』で日本文学大賞受賞。62年、『ロシアについて』で読売文学賞受賞。63年、『韃靼疾風録』で大佛次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。平成5年、文化勲章受章。著書に『司馬遼太郎全集』『司馬遼太郎短篇全集』『坂の上の雲』(文藝春秋)ほか多数。平成8(1996)年没。


■書誌情報
『坂の上の雲』全8巻
販売価格/各700円
発売日/2016年元旦

関連ホームページ
http://bunshun.jp/pick-up/sakanouenokumo/outline.html
司馬遼太郎記念館ホームページ
http://www.shibazaidan.or.jp

*注意!司馬遼太郎「遼」は正しくは、「にてんしんにょう」になります。

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