2016年春季特別展「かざり ― 信仰と祭りのエネルギー」
≪鳥獣花木図屏風≫×≪樹花鳥獣図屏風≫ 伊藤若冲「桝目描き」の競演!!
2016.02.16 13:00
MIHO MUSEUM(所在地:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300、館長:辻惟雄)は、2016年(平成28年)3月1日(火)~ 5月15日(日)までの期間、春季特別展「かざり ―信仰と祭りのエネルギー」を開催いたします。
本展覧会は、当館館長・辻惟雄監修により、煌びやかな仏教荘厳の世界、伎楽や舞楽の色彩と歌舞の世界、信仰の中の動物たち、祭りの賑わいなどを展観し、神仏への信仰に根ざした「かざり」の精神を読み解いていきます。
なかでも、深く仏教に帰依した伊藤若冲の、「モザイク屏風」と呼ばれる「鳥獣花木図屏風」(P.1 図1 展示3/1~4/17)と「樹花鳥獣図屏風」(P.3 図6 展示3/1~3/13)との競演は見どころです。一双に8万個以上もある1cm各の桝目をひとつひとつ塗り込める「桝目描き」と呼ばれる奇想天外な手法で描かれた屏風は、この2件が現存するのみです。両者が揃う期間は開幕から2週間のみと短いですが、1997年(静岡県立美術館)以来の顔合わせを、ぜひお見逃しなくご覧ください。※会期中展示替えあり
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1.伊藤若冲筆「鳥獣花木図屏風」
■開催趣旨
本展覧会は、MIHO MUSEUM館長・美術史家の辻惟雄監修により、日本人の神仏への信仰と「かざり」との関連を主題に開催するものです。煌びやかな仏教荘厳の世界、伎楽や舞楽の色彩と歌舞の世界、信仰の中の動物たち、祭りの賑わいなどを展観しながら、日本人の「かざり」の精神を読み解いていきます。
「かざり」は、日常の単調な「ケ」の世界から、祭りや法会など「ハレ」の世界への転換と再生のエネルギーを得る装置であり、道具立てでもあります。とりわけ「祭り」の場は「かざり」と不可分の関係にあります。人の目を楽しませるだけでなく、神の目を楽しませ、神から授かった生命を寿ぐ、という祭りにおける神と人との関係性からも、「かざり」が深く宗教性に根差していることがわかります。
仏教もまた金・銀・宝石で「かざる」世界です。金銅の光輝く仏像や法具のさまざま、法会の場での僧の法衣などは、荘厳(仏国土や仏の説法の場を美しく飾ること) ―「かざり」の世界にほかなりません。
展示では、前記の伊藤若冲の「モザイク屏風」の他にも見どころ満載です。「大涅槃図」(P.3 図7 展示4/19~5/15)は、遷化する釈迦の周りに菩薩や明王,僧や大衆に加えて、100種類以上もの禽獣虫魚が描かれています。若冲の「モザイク屏風」にも通じる動物尽くしとともに、若冲生誕以前に象と鯨の対比が描かれていることも興味深いところです。併せて、滋賀県の水口曳山祭、大津祭、長浜曳山祭を彩る華麗な曳山懸装品や、日吉大社山王祭の活気を写す「日吉山王祭礼図屏風」など、日本人の神仏への信仰に根ざした「かざり」の世界をどうぞお楽しみください。
■開催概要
展覧会名: 2016年春季特別展「かざり ― 信仰と祭りのエネルギー」
開催期間: 2016年(平成28年)3月1日(火)~ 5月15日(日)
会 場: MIHO MUSEUM
〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
Tel:0748-82-3411 Fax:0748-82-3414 URL http://miho.jp
主 催: MIHO MUSEUM、日本経済新聞社、京都新聞
後 援: 滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、BBCびわ湖放送、
エフエム京都
監 修: 辻 惟雄 (MIHO MUSEUM館長)
担当学芸員: 桑原 康郎 (MIHO MUSEUM学芸員)
出展内容: 展示総数 約140件 ※会期中展示替えあり
うち指定物件数 国宝1件、重要文化財16件、重要美術品6件、
県・市・町指定文化財9件
講演会:1. 3月20日(日)14時~15時30分
「日本美術における『かざり』」
辻 惟雄(MIHO MUSEUM館長)
2. 5月8日(日)13時30分~15時30分
「かざり極まる神々の乗物 ―唐鞍を中心に―」
片山 寛明(MIHO MUSEUM学芸部長)
●いずれも当日先着100名様(美術館棟受付にて10時より整理券配布)
●南レクチャーホール ●参加無料(入館料は必要)
ギャラリートーク:
4月9日(土)13:00~14:00 4月23日(土)13:00~14:00
担当学芸員による展示解説ツアー
●当日美術館棟受付にて整理券配布 ●参加無料
イベント: 4月15日(金)18:30開演 夜桜特別開館
「WINDS, MUSIC & MAGIC
―リコーダーの巨匠 エヴァ・レジェーヌと仲間たち―」
◎一般 ¥8,500 ◎MIHO MUSEUM友の会会員 ¥7,500
※事前予約要 詳細はお問合せください
開館時間: 午前10時~午後5時 【入館は午後4時まで】
休館日: 月曜日【※ 3/21は開館、3/22は休館】
入館料: 一般1100円、高・大生800円、小・中生300円
【20名以上の団体は各200円割引】
次回予告: 2016年6月4日(土)~7月31日(日)
夏季特別展「極 大茶の湯釜展 ―茶席の主―」
■お問い合わせ先
MIHO MUSEUM (ミホ・ミュージアム)
〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
TEL.0748-82-3411 FAX.0748-82-3414 URL. http://miho.jp
■作品写真
1.伊藤若冲筆「鳥獣花木図屏風」六曲一双(上:右隻 下:左隻)
江戸時代 18世紀 エツコ&ジョー・プライスコレクション
展示 3/1~4/17
2.重要文化財「紫紙金字金光明最勝王経巻第二」(部分)
奈良時代 8世紀 MIHO MUSEUM 展示 全期間
3.「金銀鍍透彫光背」(部分)鎌倉時代 個人 展示 全期間
4.「宇賀弁才天像」(部分)鎌倉時代 13-14世紀
MIHO MUSEUM 展示3/1~3/27
5.国宝「唐鞍」 鎌倉時代 奈良市・手向山八幡宮
展示 4/26~5/15
6.伊藤若冲筆「樹花鳥獣図屏風」六曲一双(上:右隻 下:左隻)
江戸時代 18世紀
静岡県立美術館 展示 3/1~3/13
7.海北友賢筆「大涅槃図」(部分)江戸時代 正徳3年
京都市・清浄華院 展示 4/19~5/15
■MIHO MUSEUMについて
MIHO MUSEUMは1997年11月に、琵琶湖の南、自然豊かで風光明媚な湖南アルプスの山中に誕生しました。
建築設計は、フランス・ルーブル美術館のガラスのピラミッド、ワシントンのナショナルギャラリー東館、北京、香港の中国銀行ビル等で世界的に知られるI.M.Pei氏によるものです。設計のテーマは「桃源郷」、東晋の詩人、陶 淵明の「桃花源記」にある仙境の楽園 ~桃源郷の物語を、構想・設計・建設に6年の歳月をかけて、信楽の地に実現したのです。
所蔵品は、エジプト、ギリシア・ローマ、西アジア、中央アジア、南アジア、中国、朝鮮、古代アメリカなどの古代美術と、仏教美術や、茶道美術をはじめ、絵画、漆工、陶磁器などの日本古美術をあわせて、約2,000点からなり、季節により内外からの出陳を加えて、常時250~500点を展示しています。
その質の高いコレクションは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、オーストリア・ウィーン美術史美術館、オランダ・ライデン国立古代博物館などで公開され、海外からも高く評価されています。
美術館本館は「自然と建物と美術品」「伝統と現代」「東洋と西洋」の融合をテーマに、建築容積の80%以上を地中に埋設し、建物の上にも自然を復元しています。幾何学模様が織りなすガラス屋根からは、明るい太陽の光が降り注ぎ、訪れる人をやさしく包み込んでくれます。
施設としては、2つのホール、オリジナルグッズをそろえた3つのショップ、無肥料・無農薬の厳選された食材を使用したレストランと、喫茶各1店舗があります。レストラン別室では、団体様用の昼食も提供しています。
MIHO MUSEUMは30万坪の敷地に、信楽の大自然、建築、美術品、すべてが融合した感動の空間です。
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