提言 TPPが拓く日本経済の可能性 ~日本が国際的ルールづくりの牽引役を~
2016.03.01 14:00
大田 弘子元経済財政担当相を座長とする有識者会議「経済成長フォーラム」(事務局:公益財団法人 日本生産性本部)は、この度、「TPPが拓く日本経済の可能性」と題する提言を取りまとめました。
同提言は、TPP協定を最大限活かすことで日本経済に新たな地平を切り拓くことができるとし、そのために日本は、オープンなイノベーション体系をつくって国際ルールづくりを牽引すること、TPPが定めるサービス分野の包括的な自由化を活用できるようサービス産業の生産性を高めることが必要だとしています。具体的な内容は下欄のとおりです。
【TPPによって国内にもたらされる新たな可能性とそのための改革】
(1) 国際ルールづくりにおいて日本が牽引役を果たす
アジアを主たる舞台とする自由貿易圏で、日本がルールづくりを牽引することを期待。そのためにも国境を越えて連携するクロスボーダー型イノベーション体制への転換を。また、米国と協調しTPPの成果である国有企業についてのルール化のさらなる促進をする。
(2) サービス産業のグローバル展開を加速する
サービス分野の包括的な自由化がなされたことは、TPPの重要な意義のひとつ。グローバル化によってわが国のサービス産業の生産性向上を目指す。
(3) インフラ整備への参入機会を拡げる
政府調達解放によってマレーシア、ベトナム、ブルネイへの参入機会が拡大。豊富な民間資金も活用し資金面を援助し、受注拡大をする。
(4) 農業を成長産業にする
農産物関税撤廃、検疫の透明性向上等は、農産物輸出拡大の好機。減反廃止や農協改革、農業への企業参入に思い切って取組み、農業の成長産業化を行なう。
(5) 日本がメガFTAのハブになる
日EU・EPA、日中韓FTA、RCEPにも参画している立場を活かし、メガFTAのハブとして交渉のリードをする。
<経済成長フォーラム・メンバー>
大田 弘子 政策研究大学院大学 教授(座長)
高橋 進 日本総合研究所 理事長
冨山 和彦 経営共創基盤 代表取締役CEO
浦田 秀次郎 早稲田大学大学院 アジア太平洋研究科 教授
木村 福成 慶應義塾大学 経済学部 教授
高田 創 みずほ総合研究所 常務執行役員
山下 一仁 キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹
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