大阪工業大学発表の粉末状粘着剤、国内外から注目 ~虫がヒントとなった新時代の粘着剤~
大阪工業大学(所在地:大阪市旭区、学長:西村 泰志)は、本大学工学部応用化学科の藤井 秀司准教授、中村 吉伸教授らのグループが開発した粉末状の粘着剤が、2015年度に世界で注目を集めたことをご報告いたします。
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粉末状粘着剤について
これまでフィルムに塗った粘着テープかスプレーによる噴霧の形態しかなかった粘着剤の全く新しい利用形態で、べたつきによる扱いにくさを克服して保存・運搬が容易になることから工業分野での広範な応用が期待されています。2015年9月に発表して以来、国内外のメディアや学術専門誌などで数多く取り上げられ、国内外の企業からの問い合わせも数多く寄せられています。
キーワードは液体を固体粒子で覆う「リキッドマーブル」と、生物の形状や機能をヒントにする「バイオミメティック材料技術」。
アブラムシ(アリマキ)は、自ら排出する蜜の表面を固体ワックス粒子で覆い団子状(リキッドマーブル)にして、巣の中で蜜によって溺死することを防いでいます。藤井准教授らはこの仕組みをヒントに、高粘度液体状高分子の表面を固体粒子で覆った「リキッドマーブル」の作製を実現。この「リキッドマーブル」は必要な場所で圧力を加えることで、粘着剤として働きます。
<粉末状粘着剤について>
https://www.atpress.ne.jp/releases/95152/img_95152_1.jpg
モノとモノをくっつける粘着剤は、いつの時代の産業でも必要な基本技術です。粘着剤は我が国の重要産業である自動車、電子材料などの先端分野でも不可欠な材料ですが、べたつきという難点によって利用範囲が制限されるという課題がありました。
粉末状にすることでこれまで塗布できなかった微小空間や入り組んだ場所への粘着剤の運搬を実現し、目的箇所の選択的接着が容易になります。形状が複雑化する自動車や電子製品の部材の接着も可能になります。
なお本研究は、ドイツのマックスプランク研究所との共同研究でもあります。
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