近年、AI(人工知能)の技術が急速に進化し、様々な業界で活用されています。
その中でも広報業務においては、AIを活用することで効率的な情報発信やコンテンツ作成が可能になりました。
特に「ChatGPT」と呼ばれるAIツールは、プレスリリースの作成において有効活用できると考えます。
本記事では、ChatGPTを活用したプレスリリースの書き方について紹介します。
目次
「ChatGPT」とは何か
ChatGPTとは、OpenAIというアメリカの「人工知能の研究機関」が開発したツールです。
テキストメッセージを入力すると、それに応じた答えを返してくれるAIです。
開発段階で数十億の単語を使用してトレーニングされており、人間のような文章をリアルタイムに生成することができます 。
私たちが普段使っているチャットボットや、文章生成、機械翻訳など、さまざまな用途で使用されています。
ChatGPTを使ってプレスリリースを書く方法
ChatGPTは、プレスリリースの作成においても有用なツールとなります。
ここからは、ChatGPTを活用してプレスリリースを書く方法について、その手順をご紹介します。
①プレスリリースの書き方の基本を抑える
プレスリリースは、企業が開発した新製品の発表や重要なニュースを一般の人々に伝える際に「媒体となるメディア」へ向けて届ける公式文書です。
ChatGPTを活用して書くとしても、基本的な構成と書き方を知らなければなりません。
メディアや記者の目に留まりやすくするためには、良い切り口の使い方を知っておくことも大切です。
下記資料では、プレスリリースの基本的な書き方を学ぶことが出来ます。
②プレスリリースのテーマを設定する
プレスリリースを出す目的、その対象となる情報をテーマとして設定します。
新製品の発表や業界のトレンドに関する情報など、具体的なテーマを選びましょう。
今回は「新商品発売」について、以下の内容でプレスリリースを作成します。
- 販売元:ソーシャルワイヤー株式会社
- 商品名:Yum Yum Meal
- 新メニュー:アクアパッツァ
③ChatGPTに指示文を入力・対話
ChatGPTに、プレスリリースのテーマや概要、重要な情報を入力します。
今回は初心者編のため、以下のように簡単な問いかけ形式にします。
株式会社●●が開発しているミールキット「Yum Yum Meal」の新メニュー(アクアパッツァ)発売に関するプレスリリースを書いてください
会社名を●●にしている理由は、社名と新商品が紐づいて学習されてしまうのを防ぐためです。
ChatGPTの無料版を利用する場合、入力した内容を学習データとして扱われる可能性がありますので公開前の商品などはなるべく名称を置き換えることをおすすめします。
この方法で指示を出し、生成された文章は以下となります。
ChatGPTが学習済のデータ(大量のプレスリリース)には、発売日や価格についてが記載されているものが多いため、同じ形になるように情報が追記されています。
商品内容や開発背景についても、筆者からは何も伝えていないですがそれなりの内容で生成されました。
しかしその内容は憶測のものが多く、キャンペーンなど実際は予定していないことも追加されています。
タイトルと冒頭文の区別もあいまいな情報で書かれていますので、筆者からの返答として条件を付け加えます。
上記プレスリリースを、タイトル→冒頭文→本文(開発背景、商品特徴、商品概要)の順に分けて書きなおして。
すると、以下のように返答されました。
今回の指示により、プレスリリースの基本構成をある程度おさえた状態で生成できました。
では次に、もう一つ大事なポイント「社会的意義」を盛り込んでいきましょう。
環境に配慮して、商品パッケージにバイオマスプラスチックを使用しました。この内容も商品特徴に加えて、最初から書き直して
皆さんが商品やサービスを開発する場合、「なぜそれを開発するに至ったのか」開発背景やこだわりが必ずあると思います。
このこだわりを社会的意義が伝わる切り口として、プレスリリースに盛り込む指示を与えます。
すると、以下のように返答されました。
タイトルや内容に「環境に配慮していること」が盛り込まれた形で生成されました。
このようにAIと対話形式でやり取りしながら適切な文章やフレーズを生成し、テンプレートに当てはめることでプレスリリースの土台となる文章を作ることができます。
④生成したプレスリリースの土台を校正する
出来上がった土台に対して、企業名や企業情報を入れ込み形を整えていきます。
企業情報や商品の正式名称など、入力時に伏せていた情報を加筆・内容の修正を行います。
内容の修正とは、例えばバイオマスプラスチックは生分解性と非生分解性のものがある原料のことを指しますが、「バイオマスプラスチック=自然分解される素材」と誤認識される可能性がある書き方になっています。
メディアの担当者は「記事の元になる情報が信頼できるものかどうか」というのを細かくチェックしてから記事にしますので、文章の整合性チェックは必須事項と言えます。
⑤ChatGPTを活用してブラッシュアップする
ここで再びChatGPTを使い、タイトルや言い回しの変更を行います。
今回はあくまでも新商品発売のプレスリリースなので、メインタイトルは新商品発売についてのみ記載し、環境に配慮したパッケージについてはサブタイトルに控えめに記載します。
知名度の高くない企業であれば、タイトルに企業名を入れるよりも商品名を入れた方が具体的なイメージがしやすくなります。
こういったトータルで見たときのバランスを調整する場合は、最初から書き直す指示を与えるのではなく、各項目ごとにブラッシュアップしていくことをおすすめします。
ChatGPTでできること
プレスリリースを書く際にChatGPTを活用することは、プレスリリースのクオリティ向上に大いに貢献します。
ここからは、ChatGPTができることについて、プレスリリースを書く場合に得意とすることを紹介します。
プレスリリースに必要な情報の整理
完成イメージが明確に定まっていないときや、言い回しが上手く思い浮かばないときに、ChatGPTに対して今ある情報を投げるとそれらの要点を絞ったテキストが生成されます。
また、情報を整理する際に外部情報もリサーチされ、組み合わせた内容で返答がされるため、思いがけない発見だったり、ヒントとして得られる情報があります。
テンプレートに沿った文章構成
ChatGPTが学習済のデータには、ネット上にある大量のプレスリリースも含まれています。
プレスリリースを書く際の文章構成はある程度決まった型があるので、ChatGPTに「プレスリリースを書く」ことを伝えるとそれに沿った形で回答をもらうことが可能です。
豊富な語彙の使用
ChatGPTは人間の記憶よりも多くのデータを把握しています。
そのため、特定の文章の言い回しを変えたい、となった時により自然な表現や適切な言葉を提案してもらうことが可能です。
作業時間の短縮
これが一番のメリットとも言えます。
文法的なミスの修正など、今まで人の手でおこなっていた細かいチェックをする時間が省けるため、業務を効率化することが可能になります。
さいごに
AIの進化により、広報業務においても効率的かつクオリティの高い情報発信が可能になりました。
特にChatGPTを活用してプレスリリースを作成する場合、短時間で効果的な文章が生成できます。
ただし、AIが生成した文章をプレスリリースで使用する場合は、適切に編集・カスタマイズし関係者のコメントや引用などの信頼できる情報を追加することが重要です。
プレスリリースを発信する際は、読みやすく正確な情報を提供することを忘れずに作成しましょう。
AIの力を借りつつも、人間の編集力や応用力が重要であることを忘れずに、効果的なプレスリリースを作成しましょう。