アパレル業界では日々様々な新商品がリリースされています。
その商品について世間に広く知ってもらいたい時、プレスリリースは最初のきっかけとして非常に有効な手段です。
特にアパレル関係の記事は、消費者に直接関係することが多く、興味関心も高い傾向にあるため、メディアにも比較的記事として取り上げられやすいテーマです。
目次
プレスリリースの事例紹介
ここからは、実際に「@Press(アットプレス)」から配信され、反響の大きかったプレスリリースをご紹介します。
事例1. ブランド・ラインのローンチ
様々なアウトドアフィールドでの活用を想定した<DAIWA>は、新ライン名を<DAIWA LIFESTYLE>と変え、<DAIWA>が新たに提案する マルチフィールドライン<DAIWA LIFESTYLE>が 11月23日(水)よりローンチしますというタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
- キーカラーを“ダークネイビーブルー”で統一し、フィッシングやキャンプなどの従来の概念に固執しないデザイン性を意識
- 素材には透湿防水性に優れたGORE-TEXと、<DAIWA>オリジナル透湿防水素材RAINMAXを採用した2ラインをラインナップ
- 11月23日より全国の様々なショップにて取り扱いがスタート
さらに、リリースされるプロダクトについての詳細な説明も記載されていました。
本記事では特に、業界外のメディア担当者が読んでも内容が理解できるか、業界用語を使っていないか(その解説は書かれているか)を意識して書かれています。
特に本記事が直接消費者の目に触れる可能性も高いため、誰が読んでも理解できる内容にするといった配慮は必要不可欠です。
事例2. BtoBサービス(OEM)
続いては株式会社プチボヤージュが発表した企業様向けOEM受注に関するプレスリリースです。
たった5秒で簡単着脱!大人のための携帯食事用エプロン 「eptenu(R)」を企業様向けにOEM受注開始! ~ソーシャルプロダクツ・アワード2022受賞商品~
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
- 大人のための携帯食事用エプロン「eptenu(R)(えぷてぬ)」の説明
- 環境負荷を低減する「デジタル捺染機」を使用することによるエコ・サステナブルなポイント
- eptenu(R)を取り入れてほしい企業様
- デザイン・カラー・サイズ展開
このプレスリリースの特長は、「大人のための携帯食事用エプロン」が「たった5秒で簡単着脱」など、便利で簡単といったことが分かる「社会性のある有益な情報」だとメディア側が認識できるタイトルを付けている点です。
もし、これから認知拡大したい商品やサービスが従来と異なる特徴や珍しい機能を持っている場合は、商品名ではなく特徴や機能面を押し出すタイトルにしてみることをお勧めします。
事例3. クラウドファンディング(OEM)
株式会社ダイコープロダクトは、「12の特徴と機能を持つ「呼吸するグローブ」登場! Makuake公開初日で600%超達成!」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
- クラウドファンディングサイト「Makuake」のページ案内
- リリース当時のクラウドファンディング達成率(公開後1週間時点で900%超)
- 呼吸するグローブの特長
こちらのプレスリリースは、「公開初日で600%超達成」など、具体的かつインパクトのある数値をタイトルに入れることで、「多くのユーザーが関心を寄せている」ということがメディアの方が見ても一目で分かるタイトルになっています。
また、タイトル冒頭に「12の特徴と機能を持つ」と入れたことで、一般的なグローブと何が違うんだろう?とプレスリリース本文を読みたくなるような、興味を引くワードが含まれているのもポイントです。
具体的な数字で示された情報は信頼度が高く、情報の信頼性を重要視しているメディアの目に留まる可能性も高まるため、公表できるインパクトのある数字データがある場合は、タイトル作成のポイントとして覚えておきましょう。
事例4. DtoCサービス
株式会社創喜は「自転車を漕いでオリジナルソックスがつくれる!奈良県の靴下工場が 開発した“チャリックス”のオンラインサービスが2月1日にスタート!」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
- ワークショップマシーン「チャリックス」の説明
- 「チャリックスONLINE」とはどういうシステムなのか
- チャリックスソックスの特徴
- チャリックスONLINE開始の背景
このプレスリリースは、送り先であるそれぞれのメディアに刺さるポイントを押さえて、「切り口」を使い分けているのがポイントです。
プレスリリースを出す際によく使われる切り口として、「季節性」「時事性」「地域性」「公益性」などが挙げられますが、こちらのリリースの場合は、奈良県という「地域性」、"自転車を漕ぐことで靴下が作れる"という珍しい体験サービスであるという「希少性」、しかもオンラインで自転車の漕ぎ手を選べるという考えもつかないような「新奇性」、そしてコロナ禍にも対応している「社会性」など、沢山の切り口がひとつのプレスリリースに上手くはまっています。
記事化を狙いたいメディアが普段からどのような記事を掲載しているのかをチェックして、担当者に刺さりそうな切り口を意識してプレスリリースを書いてみましょう。
事例5. 企業動向
リファインバース株式会社は、「「リファインバース株式会社」が「東レ株式会社」へ、漁網を 回収・生産した『再生ナイロン樹脂』の供給を開始」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
- 廃棄される漁網を回収して生産した再生ナイロン樹脂の供給を開始
- ケミカルリサイクルナイロンの用途展開
- 廃棄物を資源とする素材メーカーとしての今後の展望
ご紹介した事例は企業動向のリリースのため、書き方や文章が堅めですが必要不可欠な情報を簡潔に表しているので、ステークホルダーへしっかり情報が伝わるようなリリースになっています。
また、内容はサーキュラーエコノミーの構築についてがメインテーマとなっていますが、昨今では企業が「雇用」や「ESG関連」の情報開示を求められているという社会的な状況から、企業動向に関する情報は、今後メディア側から非常に注目視される内容であると考えられます。
ちなみに、新聞・報道番組からの取材依頼がくる場合、本リリースのような「企業動向」のプレスリリースが元となっていることが比較的多いです。
企業動向などの情報開示はステークホルダーへの配慮でもあるため、長期的な企業成長のために避けて通れない取り組みの一つです。このような情報を発信し続けて記事になったり、インタビューされたりすることが、企業の存在感を示すことに繋がるため、リリースの書き方も広報の戦略の一環という事で、戦略を落とし込んで考えていくということを覚えておきましょう。
「アパレル関連」のプレスリリースを作成するときに抑えたいポイント
メディア(記者・編集者)や、最終的に商品を購入する消費者の関心をつかむためには、プレスリリースの書き方を工夫する必要があります。
ここからは、アパレル関連のプレスリリースを書く上でのポイントをご紹介します。
商品開発の「背景」を説明する
企業が新規開発した商品には、「現行品を日頃使う上で、こういう点に困っているから」など、開発の動機が必ずあるはずです。
開発に至った背景=ストーリーをプレスリリースに盛り込み、前述した「新規性」や「社会性」などの切り口と関連付けられると、メディア担当者からの興味・関心を引くことができます。
「どのように社会に影響を与えられるか」を伝える
アパレル業界と言っても、洋服やバッグ、靴などのtoC向け商品を扱う企業だけではなく、生地や繊維などtoB向け商品を扱う企業まで幅広く該当します。後者の場合、toC向け商品のように「新商品発売」「新店舗オープン」など明確なテーマでプレスリリースを出すことが難しいかと思います。
その場合、先ほどご紹介した「企業動向」事例のように、自社の活動が世の中の動向・業界の動向と同じ目線で動けている、ということが受け手に伝わるような内容を、簡潔明瞭に伝えることが大切です。
「社会に対してどのような役目を果たせるのか」ということが伝わる内容でプレスリリースが書けると、価値の高い情報としてメディアから注目してもらうことができ、例えば「この企業は環境に配慮しているから、ここの製品を買っていれば安心」と記事を読んだ読者(消費者)にも社会的信頼や安心感を与えることができ、企業価値が高まります。
商品の基本情報や詳細は分かりやすく明記する
例え興味のある商品だったとしても、情報が不足していたり不明確な部分が多い場合、信頼性が高く消費者にとって有益な情報を求めるメディアは記事にすることを躊躇います。中には直接不明点を問い合わせてくれるメディアもいますが、色展開・サイズ・記事の素材・値段など、メディア担当者がそのプレスリリースを読めばすぐに記事に出来るように、基本的な商品情報は分かりやすく明記するようにしましょう。
さいごに
アパレルに関するプレスリリースは、単純に商品発売などの情報に留めず、その商品の持つ背景なども絡めて作成することで、メディアや消費者がより商品について関心を持つようになり、ひいては売り上げの上昇やブランド価値の向上にも寄与します。
そのためには、まずプレスリリース作成のポイントをしっかりと抑えて情報を効果的に発信していきましょう。
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