観光・イベント業界の​プレスリリース事例集|書き方で良かったポイントも解説

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今年は、約3年ぶりにコロナ禍の移動規制がほぼ緩和され、夏の国内旅行者数はコロナ前の水準まで回復したと言われており、夏以降も観光・イベント業界はますます盛り上がりを見せています。

特に観光・イベント関連の記事は、消費者に直接関係することが多く、興味関心も高い傾向にあるため、メディアにも比較的記事として取り上げられやすいテーマです。

プレスリリースの事例紹介

ここからは、実際に「@Press(アットプレス)」から配信され、反響の大きかったプレスリリースをご紹介します。

事例1. 京成バラ園ライトアップイベント

京成バラ園芸株式会社が運営する京成バラ園は、夏バラの開花にあわせた大人時間を京成バラ園が提供  京成バラ園ライトアップイベント『イルミナイトガーデン』 7月9日以降の毎週土曜日及び3連休の6日間開催!というタイトルのプレスリリースを配信しました。

プレスリリースには、以下の内容が含まれています。

  • 夏バラや温室で行われるアート作品のライトアップについて

  • 普段ガーデナーしか入ることの出来ないバックヤードエリアが開放されること

  • そして、バックヤードエリアでは特設バーカウンターでの飲食や手持ち花火の体験が楽しめること

  • 特に注目のアトラクションとして、メリーゴーランドが新登場し、初のライトアップと夜間運営を実施すること

メディアは記事のネタを探す際、「記事を書く時期」がある程度決まった状態で情報収集しています。タイトルにイベントの日程を記載していることで、「今すぐに出せるネタ」だったり「何月の何週目のタイミングで出せるネタ」など、「記事を書く時期」に合致しているメディアの目に留まる機会が増えます。比例して、プレスリリースの開封率が高くなるのも特徴です。

また、タイトルに「夏バラの開花」という季節性が含まれていることもポイントです。
季節性を入れることにより、日程に加えて「特定の季節に開催されるイベントや取り組みであること」を、直感的に伝えることができます。

さらに、ファーストビューで表示される画像はもちろん、プレスリリースの中に盛り込んでいる写真もこだわっているものが多く、映える画像を使っていることもポイントです。
プレスリリースで使われている画像は、記事に転用されることが多いので、「サムネイル画像として映える、目を引きやすい画像」というのは、メディアからしても扱いやすいです。

最後に挙げるポイントは、企画毎に項目を分けている点です。
実は、プレスリリースで意外と多いのが、「イベント概要」として一つの段落に全ての企画内容を詰め込む、という書き方です。

簡潔にまとまる分、読みやすくはなりますが、企画内容が多ければ多いほど文章が長くなり読みづらさが出てきます。企画がいくつかあって、それぞれ内容にボリュームがある場合は「見出しで分ける」もしくは「プレスリリース自体を2本にする」など情報を分割することは、決してNGではありません。

むしろ、読み手・メディアが読みやすいように、内容を理解しやすいように、原稿を書くことがおすすめです。

事例2. 韓国ドラム缶焼肉×ビアガーデンin京都八坂

続いてはイコン株式会社が発表した期間限定のビアガーデンに関するプレスリリースです。

京都・祇園に韓国風にドラム缶で焼肉を楽しむビアガーデンが 期間限定オープン!ビールやチャミスルなどドリンク類も充実

プレスリリースには、以下の内容が含まれています。

  • 京都の夜景を一望できる最高のロケーションで楽しめるビアガーデンであること

  • 100種類の豊富なのドリンクが用意されていること

  • 77日までの来店で500円オフの割引があること

このプレスリリースの特長は、タイトルに京都・祇園」​という地域性が含まれていることです。
イベント開催場所の近くに住んでいる人は、地域のニュースやイベントに関心を持つことが多いので、地域の情報に特化している地方紙は、このようなタイトルの場合だと目を通すことが多いです。

あわせて、「期間限定」という希少性を持たせていることで、限られた期間だけ訪れることができるという特別感を出すことも、切り口の一つとして使えます。

また、今回の場合は本文内に「関西を中心に30店舗もの飲食店を展開している企業」という実績数値を入れたことで、プレスリリース自体の信頼性が高くなった、ということも良かった点といえます。

続いてのポイントは、サブタイトルや本文内で「低価格・お得感」を訴求していることです。
このプレスリリースの場合、オープニング割引として500円オフのキャンペーンを行うことや、飲み放題付きコースのコストパフォーマンスが高いことを記載しています。

弊社がメディアからフィードバックを受けるときによく言われるのが、「低価格」のネタが欲しい、という言葉です。物価高の影響もあり、低価格などのお得な情報の記事が生活者の注目を集めやすいとのことで、もしお得感を謳えるイベント・商材だった場合、プレスリリースの内容に盛り込めると、メディアの目に留まりやすいプレスリリースになっていきます。

また、ビアガーデンを始め野外イベントの場合、天候の心配があります。
このプレスリリースのように、あらかじめ雨天時の対応や中止時の連絡方法など、「雨天時の対応」を明示しておくことで、プレスリリース自体が実現可能性と信頼性を伝える役割を果たしました。

そして最後に、こちらのプレスリリースが更に良かったポイントは、メディア用に文字が入っていない画像をダウンロードできるように追加していることです。

普段皆さんがご覧になっているニュースメディアを想像してみて欲しいのですが、ニュースメディア以外でも、各メディアによって記事の書き方など特徴や色が異なります。
記者が記事として取り上げる際、メディアイメージに合わせて加工し易いように、文字が入っていない画像は必ず入れるようにしてください。また、画像サイズが小さくないか、画像解像度が低くないかなども、あわせて確認することを忘れずに。

事例3. 今昔!古地図浅草巡り

雷門一之宮商店会と雷門東部商店会は、伝統文化が色濃く残る浅草で 浮世絵のポイントを巡るARフォトフレームラリー 『今昔!古地図浅草巡り』を12月1日(木)からスタート!​というタイトルのプレスリリースを配信しました。

プレスリリースには、以下の内容が含まれています。

  • 商店街の活性化を図るためのイベントであること

  • イベントに参加することで、浅草の伝統文化と最新テクノロジーの融合を楽しむことができること

  • 参加後にアンケートに回答すると、景品として浅草の有名土産を受け取ることができること

こちらのプレスリリースは、まずタイトルに「浮世絵」「AR」という、伝統文化と最新テクノロジーのキーワードを組み合わせることで、タイトルを見た人の想像力を掻き立て、記事の価値を高めています。

そして、サブタイトルに含まれている「外国人観光客」というキーワードですが、観光・イベント系で記事掲載を狙いたい場合、入れられるなら入れた方がいいキーワードです。

ご存じの通り、今年はコロナによる規制が緩和されたこともあり、外国人観光客が急増しています。国外の方も、WEBのまとめ記事などを見ている方が多いようで、メディアからも今回のプレスリリースのような訪日観光客に刺さる「日本ならでは」が伝わるプレスリリースが欲しい、という声がとても多いです。

プレスリリース本文では、ARフォトフレームの素材だけでなく、利用した時のイメージ画像も並べて載せることで、具体的な利用イメージを提供できています。
このプレスリリースの企画は「写真」がメインとなるもので、SNSに載せることも前提となっており、国籍や年齢を問わず参加できる手軽さが訴求できているのも良いポイントです。

また、このプレスリリースの場合、商店街の活性化を図る施策であることが明記されているのも良かったポイントです。地域経済への取り組みや地元の活性化への意欲など、社会的意義のある内容は新聞社から好まれる傾向があるため、覚えておきましょう。

事例4. ​ 2022立山黒部・雪の大谷フェスティバル

立山黒部貫光株式会社は「2022立山黒部・雪の大谷フェスティバル」について、以下2回のプレスリリースを配信しました。

「立山黒部アルペンルート 2022年4月15日(金)より、 2022立山黒部・雪の大谷フェスティバルを開催!」
「富山県と長野県とを結ぶ「立山黒部アルペンルート」、 2022年の「雪の大谷」の高さは18メートル!」

毎年本イベントについてプレスリリース配信をしていただいている企業ですが、その中でも1つのイベントについて複数回プレスリリースを配信した時の事例です。

1回目のプレスリリース【「立山黒部アルペンルート 2022年4月15日(金)より、 2022立山黒部・雪の大谷フェスティバルを開催!」】は、イベント1ヶ月前の告知リリースで、以下の内容が含まれています。

  • 雪の壁の間を歩く「ゆきの大谷ウォーク」の概要
  • パンフレットの画像
  • 新しい観光スポットの紹介

そして2回目のプレスリリース【「富山県と長野県とを結ぶ「立山黒部アルペンルート」、 2022年の「雪の大谷」の高さは18メートル!」】も、1回目と同じく「雪の大谷」について、イベント当日に配信したリリースです。
開催当日のリマインドという形で配信されていますが、タイトルからも見て分かるように、どちらかというと今年の結果発表のような内容になっています。

1つめのポイントとして、「2022年の「雪の大谷」の高さは18メートル!」と、その年の雪の壁の「高さ」について数字で明記している所がポイントです。実際の雪の壁の高さが分かる写真も使用しているので、字だけで見るよりもインパクトと数字の説得力が増しています。

他のイベントで応用するなら、数字ではなくても、その年のイベントゲストや、演目など、「前の年と違う」ところは「新規性」としてプレスリリースを出すことができます。
毎年恒例の情報は、「前の年と違う」新しい情報を盛り込むことが毎年安定した記事化数をキープするための、鍵になります。

​この記事を読んでいる方の中には、そもそも同じイベントに関するプレスリリースを何度も配信していいの?と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。

そこで次のポイントですが、「イベント系のプレスリリース」の傾向として、覚えていただきたいのが、1回目に周知しておいたことを「リマインドする」ことに意味がある、ということです。
1回目の周知によって、頭の片隅に記憶していたことを、イベントの日程近くにリリースを打つことで、そういえばこのイベントの開催もうすぐだ!と改めて思い出させることができます。結果、現地に訪問してくれるメディアが増えたり、「取材を集めやすい」といった効果がよく見られます。

「観光・イベント関連」のプレスリリースを作成するときに抑えたいポイント

メディア(記者・編集者)や、最終的に商品を購入する消費者の関心をつかむためには、プレスリリースの書き方を工夫する必要があります。
ここからは、観光・イベント関連のプレスリリースを書く上でのポイントをご紹介します。

日程をしっかり明記する

タイトルに日程が書いてあれば、「今すぐに出せるネタ」だったり「何月の何週目のタイミングで出せるネタ」など、「記事を書く時期」に合致しているメディアの目に留まる機会が増えます。

また、記事を読んだ生活者にとっても、出かける予定を立てる際に必ず確認する情報のため、忘れず明記しましょう。

「低価格」「インバウンド向け」などトレンドワードを盛り込む

昨今の物価高の影響により、生活者が娯楽にかけることができる金額も厳しいものになってきているため、低価格などのお得な情報は生活者からの関心も高い傾向にあります。

読者にニーズのある情報を届けることを目的としているメディアにとっても欲しい情報であるため、「低価格」「割引」などお得に観光・イベントが楽しめるキーワードがあれば、積極的に盛り込みましょう。

また、2023年以降は再び「インバウンド消費」もキーになってくるでしょう。

トレンドワードを上手く自社のプレスリリースに盛り込めると、メディア・生活者の目にも留まる機会が増えるため、世の中のトレンドを敏感に察知できるよう、情報のアンテナを張ることを意識しましょう。

映える写真を載せる

観光やイベントにおいて、今や「SNS映えする」という要素は切っても切れません。

メディアにとっても、映える写真は「サムネイル画像として映える、目を引きやすい画像」​として読者の関心を引ける要素の一つです。

映える写真素材がある場合は、是非プレスリリースにも使用し、メディアが加工し易いように、なるべく画像内への文字入れも控えるようにしましょう。

リマインド配信をする

同じイベントに関する内容であっても、例えば追加情報などがあれば、「新規性」のある情報としてプレスリリースを配信することができます。

リマインド配信をすることで、一度目のリリースを目にしたメディアの頭の片隅にあった記憶が、リマインド配信することで想起され、現地取材などに繋がる機会が生まれるなどの効果があります。

ちなみに補足ですが、イベント後に、集客数や反響などの結果を載せたプレスリリースを出すことも効果が出やすい傾向にあります。
何故なら
、取材に行けなかったメディアの方が、リリースを見て、実際にイベントに行ったかのように編集して記事を書くことも比較的あることだからです。

イベント系のリリースを出される際には、「リマインド配信」という方法を覚えておきましょう。

さいごに

観光・イベントに関するプレスリリースは、その土地に訪問しないとできない特別な体験や風景をしっかり伝えることで、メディアや消費者がより関心を持ってくれるようになり、ひいては観光客やイベント参加者の増加にも寄与するため、世の中の経済効果にも影響を与えます。

観光・イベント系のプレスリリース配信の予定がある方は、ご紹介したポイントをしっかりと抑えて情報を効果的に発信していきましょう。

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