プレスリリースを配信するようになると「どのくらいのペースでプレスリリースを配信するのが正解なんだろう?」と、適切な配信頻度が分からないことが悩ましいポイントになってくるのではないでしょうか。
今回の記事では、そんなプレスリリースの最適な配信頻度・本数や継続的にプレスリリース配信をする重要性について解説します。
目次
プレスリリースの最適な配信頻度は?
早速本題ですが、プレスリリースの最適な配信頻度には残念ながら明確な答えはありません。「広報には正解がない」と言われることが多いですが、配信頻度(本数)に関しても企業規模などに応じて様々のため、一概に具体的な頻度・本数を一つの「正解」として出すことが出来ないのが現実です。
例えば、以下の企業が同じ頻度・本数でプレスリリースを出すことが適切であるとイメージ出来るでしょうか?
(A)毎月多数の新商品を発売しているメーカー
(B)立ち上げたばかりのベンチャー
きっと(A)の企業はすべての商品につきプレスリリースを出していたらキリがなくなってしまうことが予想されるため、その時々のトレンドや事業規模などでプレスリリースを出す商品を絞った方が良いでしょうし(B)の企業は今後プレスリリースを出していけるよう積極的な活動を優先した方が良い時期だろう、と考えることが出来ます。
このように、それぞれの企業規模や成長ステージに見合ったプレスリリースの適切な配信頻度・本数は異なってきます。
ただし、確実に言えることはプレスリリース配信で大事なのは頻度や本数よりも「ニュース性」と「継続配信」であること。それぞれの詳細については、後ほどご説明します。
また、頻度・本数などどうしても他社と比べがちですが、企業によって適切と言える頻度・本数は様々。ですので、もし比較をするのであれば「対過去の自社」と比較されることをおすすめします。この時、もし企業規模や成長ステージが変わっていたらその点を考慮することもお忘れなく。
配信頻度に合ったサービス選びも大切
少し余談ですが、上記で述べたように適切な配信頻度・本数は企業規模やそれぞれの成長ステージなどによって様々です。もし、外部のプレスリリースサービスを活用する場合は「1本あたり○円」などの単発配信のサービス体系や「毎月○円」など月額制のサービス体系のものなど、それぞれのサービス特徴をよく理解し、現時点での自社広報活動に見合ったサービス選びをすることも大切です。
重要なのは「ニュース性」
先述したように、プレスリリースで重要なのは配信頻度・本数よりも「ニュース性」です。言い換えると【プレスリリースを受け取ったメディアが、その情報を自社メディアで報道する価値を感じるか】というニュースとしての価値があること、が重要です。
「適切な配信頻度・本数」という数字に縛られて、せっかくニュース性のある質の良いプレスリリースネタがあるにも関わらず「ここ最近配信し過ぎているから」と控えるべきではなく、頻度は気にせず出すべきです。同じように数字に縛られて、毎回ニュース性のないプレスリリースを無理やり出すくらいなら、頻度を下げて「ニュース性のある質の良いプレスリリース」を出す方が良いです。出すか出さないかは「ニュース性」を基準に考え、数字にとらわれ過ぎないように意識しましょう。
【!】注意
かと言って「ニュース性のあるネタはないから出せない」と、プレスリリースを出さない選択はしないようにすることが重要。まずは「出す」ことを大前提に「では、プレスリリースを出すためには何をする必要があるか」を考え、ニュース性を持たせるという視点で物事を見るようにしましょう。
一般的に、以下のような○○性を持つ情報は「ニュース性」があると言えます。
- 新規性
- 社会性(時事性)
- 希少性
- トレンド性(話題性)
- 記念日・季節性
\より詳細に「ニュース性」について知りたい方にオススメの記事/
実は見逃しているかも?プレスリリースの「ネタ探し」を難しく考えすぎないには
「お知らせ」の更新とプレスリリース配信は別物
中には「ホームページのお知らせで更新しているから十分でしょう」という考えを持たれる方もいらっしゃいますが、ホームページのお知らせの情報を知るためには「メディアが自ら検索して辿り着く」という高いハードルがあります。一方、プレスリリースは企業側からメディアへアプローチをするため「メディアが自ら行動を起こす」というハードルがなく、性質が異なります。
プレスリリースは配信するだけでなくホームページのお知らせにも更新、かつニュース性のない情報はお知らせだけで更新するなど上手く併用し、メディアや一般消費者がホームページを訪れた際に「常に新しい動きのある企業」や「情報発信に積極的な企業」という印象を持ってもらえるような活用をおすすめします。
印象を左右する「継続配信」
「ネタがないから」「1回出したけれど反響がなかったから」などプレスリリースを継続しない理由は様々あることと思います。けれどプレスリリース活動を行うにあたって「ニュース性」と同じく重要なのが「継続配信」です。
- 複数回目に入ることにより、印象に残る
- 情報の蓄積により、安心・信頼の印象を与える
特に上記の2点が、プレスリリース活動における印象を左右する大きなメリットとなります。
1. 複数回目に入ることにより、印象に残る
まずは何よりも「メディアの目に触れる機会」をたくさん持てる、というメリットがあります。日々大量のプレスリリースが届いているメディアに、1度プレスリリースを送っただけでは「見てもらう」という段階に至っていないことも。そのためにも定期的にプレスリリースを送り、メディアの印象に残ることが大事です。1回見ただけでは記憶に残りづらいですが、何度も見るうちに次第とインプットされている、というケース身に覚えはありませんでしょうか?
例えば・・・1度だけチラシの入っていたピザ屋さんと定期的にチラシの入っているピザ屋さん。いざ「ピザでも頼もうか」と近所でデリバリーをしているピザ屋さんを頭の中で呼び起こす時、どちらのピザ屋さんが思い浮かぶでしょうか。
最初のうちは記事に直結しなくても「今度の○○特集、そういえばよくプレスリリースを送ってくれているあの企業も情報持ってそうだな」など頭の片隅で印象に残り、それが次第に認知度の向上に繋がっていく、というメリットがあります。
2. 情報の蓄積により、安心・信頼の印象を与える
上記に記載したような「そういえばあの企業…」と思い出してもらった場合、次にメディアは「その企業について調べる」という行動を取ります。報道機関として、信ぴょう性のない情報を発信することは出来ませんので、プレスリリースの内容だけでなく「プレスリリースを出している企業がどういった企業なのか」ということも実は非常に重要。そのような時、過去にプレスリリースを配信していればしているほど情報の蓄積があり「広報活動に力を入れている企業」「常に新しい動きのある企業」「安心・信頼のおける企業」という印象を与えることが出来ます。
もし自分がメディアの立場で、企業名で検索をしてもあまり記事がヒットしなかったり、ホームページを見つけてもお知らせが更新されていなかったりした場合どういった印象を抱くでしょうか。情報の蓄積があれば、メディアが検索をした時に情報が出てこなくて不安になる、というせっかくのチャンスを無駄にする、という機会損失を防ぐことが出来ます。
さいごに
プレスリリース活動を行う上でネックになりがちな「配信頻度」。まず、1回でやめるのではなく「継続的に出す」ことが広報活動の成果に繋がっていくと念頭に置き、メディアの欲する「ニュース性」にあるプレスリリースをそれぞれ自社に合った頻度・本数で配信して記事化を狙っていきましょう。