「マスメディア」や「ソーシャルメディア」という言葉は生活の中でよく耳にすると思いますが、「マルチメディア」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。あまり聞き馴染みのない言葉ですが、私たちは普段からマルチメディアに囲まれて生活をしています。
ここではマルチメディアの役割や重要性について解説します。
目次
マルチメディアとは
マルチメディアの意味
マルチメディアとは、言葉の通り「マルチ(複数)」なメディアということになります。つまり、複数種類のコンテンツ・情報を一つにまとめて取り扱うシステムのことをマルチメディアといいます。取り扱う情報には、アニメーション、動画、静止画、音楽/音声、文字などのデジタルデータが挙げられます。
従来は情報の種類によって最適なメディアがそれぞれ異なっておりました(音楽はCD、文字は紙)。しかし、複数種類の情報を組み合わせて表現できるようになったのは情報のデジタル化が進んだためと言えるでしょう。
インターネットの分野では同じ意味で「リッチメディア」という言葉が用いられています。
メディアとマルチメディアの違い
結論、マルチメディアも大きな括りでまとめるとメディアのひとつと言えます。そこから細分化したとき、複数種類のコンテンツ情報を取り扱うメディアを「マルチメディア」、単一種類のコンテンツ情報を取り扱うメディアを「モノメディア」と区別できます。
身の回りにあるマルチメディア
1990年代からマルチメディアの商業化される勢いは増し、2000年代以降は特に、様々なサービスや機器にとって必要不可欠な機能になっています。マルチメディア技術を実現できる機器は「マルチメディア機器」、技術を取り入れた商品は「マルチメディア商品」と呼ばれます。スマートフォンが最も想像しやすいと思いますが、Amazon EchoやGoogle HomeといったスマートスピーカーやAIが搭載されたお掃除ロボットもマルチメディア技術を取り入れたマルチメディア機器です。
加えて、デジタル化された動画・音声等の情報を全て取りまとめて扱う情報通信システムは「マルチメディア通信」と呼ばれます。LINEのビデオ通話やZoomのオンラインミーティング、YouTubeやInstagramなどのLIVE配信はマルチメディア通信となります。
パソコン・スマートフォン
パソコンは一家に1台、スマートフォンは一人1台保有している家庭が多い時代になりました。スマートフォンは音声電話、メールやメッセージといった連絡手段としても活躍しますが、同じくらい主な用途としてはインターネットの利用が考えられ、インターネットこそまさにマルチメディアの代表です。
パソコンやスマホを使ってインターネット検索を行うと、画像や文字だけではなく動画まで表示されるようになりました。Google、Yahoo!等の検索エンジンには「画像」「動画」のタブが用意されているほどです。
またインターネット広告も、従来は画像のみ文字のみだった広告から動画広告が増加しているように、広告のマルチメディア化が進んできました。 複数種類の情報をまとめて伝えることで、よりわかりやすく訴求力が上げることができるのはマルチメディアの活躍と言えるでしょう。
テレビ
テレビも複数種類の情報を取り扱う技術を実現できるマルチメディア機器としてイメージしやすいでしょう。デジタル情報を受信して、アニメーション、動画、静止画、音楽/音声、文字として出力するメディアの代表です。
デジタルサイネージ
仕組みはテレビとほとんど同じですが、リアルタイムでデジタル情報を受信するタイプと、あらかじめ内臓メモリにデジタル情報を保持し出力するタイプがあります。
オンライン会議・テレビ電話
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、リモートワークを定常化し始めた企業が多くなりましたが、オンライン会議ツールも動画・音声など複数種類のデータ情報を扱うマルチメディア技術によって成り立っています。
マルチメディアの特徴と重要性
ユーザーとマルチメディアの関係
マルチメディアの特徴として、インタラクティブ性(双方向性・対話性)が必要な点が挙げられます。
- インタラクティブ性:対話型であることや相互作用があること
つまり、一方的に情報を発信するのではなく、対話形式「ユーザーアクションに応じた情報発信をする」ことがマルチメディアには求められます。
具体的には、
<インターネット検索>
ユーザーアクション:検索キーワードを入力すること
反応 :検索結果を表示させる
<動画再生>
ユーザーアクション:再生ボタン、停止ボタン、スキップボタンを押す
反応 :動画再生、一時停止、次の動画に進む
<ゲーム>
ユーザーアクション:コントローラー、タッチ操作
反応 :キャラクター操作、ゲームの進行(内容の変化)
ユーザー操作によって表示や再生方法に変化があることがマルチメディアの必要条件だとされています。
マルチメディアの重要性
インターネット普及により、誰がどこからでも、動画・静止画・音声・文字など複数種類の情報を一まとめに収集・発信することが可能になりました。マルチメディアに触れる環境にある人は誰でも簡単に、興味や能力に応じた学習機会を得ることが可能になり、問題発見・問題解決能力を養うことができるようになりました。
また、マルチメディアを用いた情報発信側のメリットとしては、複数種類の情報を一まとめに発信することが可能になったため、企業が自社サービス・商品を打ち出すためにメディアを利用する際、訴求力を高く発信することが可能になりました。今やTVCMだけではなくSNS広告も動画・音声・文字が組み合わさった動画広告を多く目にするようになりました。
マルチメディアの活用
遠隔教育の実施
最低限の環境が整っていれば、誰でもどこからでも情報収集・発信が可能となったため、地理的要因による制限が無くなり、高度な学習機会を多くの人に提供できるようになりました。動画配信による遠隔授業の実施を行うことで離島に暮らす人・都会に暮らす人が差のない学習機会を得ることができるということです。また、授業をアーカイブ配信で残すことで、やむを得ない理由で学校に行けない人にも同じレベルの学習機会を提供することができます。
インターネットを使った情報収集
世界中の情報を静止画や文字だけでなく動画・音声を一まとめに入手可能なため、理解や解釈を助長する働きに活かされています。それによって興味や関心がある専門的な分野の学習を個人で行うことができるようになりました。
訴求力のある情報発信
受信側が動画・音声・文字などの様々な情報を一まとめに受け取ることができるということは、発信側としてはマルチメディアによる発信によって表現性の高い訴求を行うことが可能になります。インタラクティブ性を持つ特徴からも、インターネットの検索情報に応じて的確に、表現性の高い広告を表示させることができます。
さいごに
私たちの暮らしの様々な場所にマルチメディアがあり、生活をより便利にしてくれています。また、ビジネスにおいては効率や訴求力の向上、学習者にとっては良い情報を手軽に収集することに役立ち学習機会の損失を減らすなど、様々な場面で活躍しています。 より高度な情報コミュニケーションが可能なことを活かし、個人としてもビジネスとしても情報の送受信を上手に使えるようになりましょう。
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