プレスリリースで時折目にする「No.1」や「日本初」の表記。
他企業との差別化を図るために使われている表現ですが、実は安易に使うことができない確認必須のワードです。
今回は、使う前に確認しないといけないポイントを紹介します。
目次
プレスリリースで「No.1」「日本初」を“安易に”使ってはいけない理由
「No.1」「日本初」は、最上級表現にあたります。最上級表現とは(他と比べて)最も優れているという意味。
初めてを表す言葉や、優位性をもたす表現が該当します。
最上級表現に該当する表現
- 日本初、世界初
- 最高、最大、最小、最少、最速、最安、ベスト
- 実物よりも優れている
- どこよりも安い
- No.1(ナンバー1)、第1位
- 第一人者、元祖
- 他にない(唯一)、独占
最上級表現は「景品表示法」に抵触する可能性!
根拠なく安易に最上級表現を使用した場合、景品表示法の第5条「比較広告」に抵触する可能性があります。
景品表示法とは、商品やサービスの品質・内容・価格を偽って表示を行うことを規制する法律のこと。
比較広告とは、自己の供給する商品・サービスの内容や取引条件について、競争事業者のものよりも有利であると一般消費者に誤認される表示を規制する法律のこと。
詳しいガイドラインは消費者庁が出している下記ガイドブックがおすすめですのでご覧ください。
参考:事例でわかる景品表示法 消費者庁 不当景品類 及び不当表示防止法 ガイドブック
プレスリリースで“最上級表現”を使うには…
メディアはプレスリリース(情報)において「根拠」(客観性)を重要視しています。
情報の裏付けとなる信憑性の高い根拠を明記しましょう。
- 市場調査を実施
「客観的な結果=数字」を提示する。消費者へ向けて街頭調査や覆面・電話調査を実施。
※ 自社で調査を行う場合は必ず「●年●月●日時点_当社調べ」の記載を忘れないようにしましょう。
- 専門機関の学術文献を引用
専門機関が提示する学術文献の内容に適切に対応された情報であれば「根拠」として提示可能。
【その他】景品表示法に抵触するかもしれないプレスリリースの表現
- 完璧表現…体型を永久に維持できます。
- 効能効果…効果が実感できます。
- 激安表現…今だけお得!安い!
- 誇大表現…機械を使って作る商品を「職人の手作り」と表記。
- 比較表現…A社より〇倍も落ちる洗剤!
プレスリリースはインパクトより信憑性
プレスリリースは広告ではなくメディアに情報を送る公文書といえます。企業が送った情報を世の中でニュースとして出回る際に、偏った情報・信憑性のない事実が出回ると企業の心象も悪くなります。法律違反のうえ、社会的地位も失う可能性があります。
インパクトも大事ですが、ニュースとして信憑性(根拠)のある情報を発信するようにしましょう。