今回@Pressでプレスリリースを配信した「世嬉の一酒造株式会社」は、岩手県一関市にある老舗酒蔵です。
世嬉の一酒造株式会社は、2024年1月に発生した能登半島地震の被災地支援として「恩送り(おんくり)プロジェクト」をスタートし、プレスリリースにて情報発信しました。
プレスリリース配信後、テレビや新聞の取材も多く受け、メディアの掲載は100件を超えるという大きな反響を得ることができました。
本記事では、大きな反響を得ることができた世嬉の一酒造株式会社のプレスリリースの書き方やポイントについて解説しておりますので、プレスリリースを配信されている広報・マーケティングの方はぜひ最後までご覧ください。
プレスリリース:「岩手県・世嬉の一酒造が、令和6年能登半島地震の被災地支援として 「恩送りプロジェクト」をスタート 該当商品の売上を全額寄付」
目次
プレスリリース概要
プレスリリース配信の目的
能登半島地震の被災地支援としてスタートした「恩送りプロジェクト」に多くの方に参加していただくための情報拡散をはじめ、プレスリリースやメディアを見た方が被災地へ違う形での支援を行ったり、想いを馳せる時間を持ってもらうことです。
既存のお客様以外にも情報を広く届けたく、プレスリリース配信サービスを活用し多くのメディアに取り上げられるように発信しました。
プレスリリースのポイント
世嬉の一酒造株式会社は、2011年に起こった東日本大震災を経験しています。
当時、多くの方からの応援と支援により困難を乗り越えたという経験と、その時に受けた恩を送りたいという気持ちが今回のプレスリリースの一番のポイントになり、多くの読者が共感し、心が動かされました。
ただ被災地支援しているのではなく、支援をスタートさせた背景や、強い想いをプレスリリースの序盤に掲載することで、読者にしっかり伝わりました。
私達、世嬉の一酒造は、東日本大震災時多くの人々の応援とご支援により困難を乗り越え、今は幸せに日々を過ごすことが出来ております。
一方、能登での出来事はニュースで報道されている通りです。特に、私どもの同業者、何代も続いた老舗酒蔵やブルワリーが被害を受け、避難している様子を見ると、13年前の出来事を思い出し心が痛くなります。
今、私達が現地にいってお手伝いすることはかなわないし、物資の寄付も現場にご迷惑をおかけしてしまうかもしれません。そんな中、私達も何かお役に立てることがないかと社員と考えておりました。
岩手県・世嬉の一酒造が、令和6年能登半島地震の被災地支援として 「恩送りプロジェクト」をスタート 該当商品の売上を全額寄付
プレスリリース配信の影響
プレスリリース配信後には、テレビや雑誌からの取材が増え、メディアへの掲載は100件を超えるという大きな反響を得ました。
大手メディアから地元メディアまで幅広いメディアに取り上げられたことで、多くの方から賛同の声が届き、プレスリリース配信後から約2週間で、300名以上の多くの方に参加いただけました。
※支援内容は「特定の商品を販売し、その売上を全額被災した酒蔵やブルワリーに寄付する」という形で行われました。
テレビ取材や新聞の取材も多くあり、そこから一般の方のSNS上でも話題になり、反響を感じました!
プロによるプレスリリースの校正
プレスリリース校正のポイント①:タイトルで「あなたに読んでもらいたい」と伝えよう
メディアの担当者は毎日多くのプレスリリースに目を通します。その中で最初に目に留まるのは「タイトル」です。
タイトルの中に共通項があると目に留まりやすく読んでもらえる確率が上がる傾向にあります。
今回のプレスリリースの共通項は「岩手」「震災」「寄付」などです。
読み手の身近な単語であればあるほど読まれやすくなりますので、ぜひ取り入れてみましょう。
実際にタイトルに「岩手」を追加したことで岩手の地元メディア岩手めんこいテレビにも取り上げられることができました。
地域名を冒頭に記載したほうが、世嬉の一酒造様のある岩手県メディアにも注目してもらいやすくなり、かつ、被災経験のある「岩手県の酒造」が、被災地支援を行うという意義を感じていただけるかと思いました。
また、タイトルを読んだだけでリリース内容が分かるようにおまとめいたしました!
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プレスリリース校正のポイント②:伝えたい想いは伝わりやすい形で書こう
今回のプレスリリースは、「恩送りプロジェクト」に至った背景や想い、そしてそれを伝えるのがポイントの一つです。
強い想いがあればあるほど、比例して伝えたい言葉も多くなります。ですが読み手が全て読んでくれるとは限りません。
他の項目にも「背景と想い」を記載いただいてましたが、「長いから途中で読むのをやめてしまった」「文章が難しくポイントだけ読んだ」などと読み飛ばされないようにするために、簡潔に分かりやすく伝えたいポイントをまとめさせていただきました。
プレスリリース作成時には、一度第三者に読んでもらうのも新たな視点が分かりおすすめです。
同じ内容はまとめ、背景と想いを簡潔に分かりやすく、伝わりやすいように提案させていただきました!
プレスリリース校正のポイント③:寄付先・金額・報告事項を明確に書こう
画像:岩手県・世嬉の一酒造が、令和6年能登半島地震の被災地支援として 「恩送りプロジェクト」をスタート 該当商品の売上を全額寄付 | @Press
本項目は、入稿時には全て記載されていましたので校正ポイントではありませんが、ぜひ気をつけていただきたいポイントですのでお伝えします。
今回のプレスリリースは「寄付」を目的としており、寄付金は一般の方から購入という形で集めています。
昨今、寄付を装った詐欺や犯罪があることから、読者に「本当に寄付されるの?」と疑問の目を持たれる可能性もゼロではありません。
寄付金の使途は必ず詳細を記載し、事後に報告する場所や項目も併せて伝えるようにしましょう。
大切な項目ですが、完璧でした!♪
校正担当からコメント
世嬉の一酒造様が被災した際の苦労や、周りからの支援を受けた経験をもとに、今度は自らが支援する側になるという大変意義深いプレスリリースであったため、より多くの方の目に触れていただきたく感じ、読みやすく・分かりやすくすることを心がけました。
また、単なる企業動向やビジネス情報ととらえられてしまうと、記事化されても一般消費者の方まで届きづらい可能性もあるため、商品を購入することが寄付につながるという部分も分かりやすくなるようタイトル・リード文を考えました。
個人的に被災経験があったので、より感情移入したプレスリリースでした。
プレスリリースが記事化に繋がったポイント
メディアでの取り上げられ方
掲載した多くのメディアが「対象商品・金額」、「寄付先」、「寄付金額」など寄付の詳細について触れており、プレスリリース内に記載のある以下の文を引用し、購入を促すメディアも見られました。
お客様には、普段の家飲みのお酒・ビールなどを購入することで普段と変わらない費用ですが、その購入金すべてが援助する形になります。普段の生活から無理しないで援助ができる仕組みです。
岩手県・世嬉の一酒造が、令和6年能登半島地震の被災地支援として 「恩送りプロジェクト」をスタート 該当商品の売上を全額寄付
また、日テレNEWSでは、タイトルに「3.11思い出して…」と東日本大震災のキーワードを盛り込み、支援をスタートさせた背景や想いにフォーカスして記事を書いてくださいました。
メディアでの取り上げられたポイント
メディアもユーザーへ透明性の高い情報を届ける義務がありますので、前項でお伝えした寄付金の使途を明確にすることで取り上げられやすくなっています。
加え、能登半島地震という多くの人が心を痛め関心の高いトピック、東日本大震災を経験し「恩送りプロジェクト」をスタートさせた背景と想いが100件を超えるメディア掲載につながりました。
必要な情報を落とさず、加えて時事性や関心の高いトピック、付加価値(背景や想い)というメディアが必要な情報と欲しい情報を配信できたことが一番のポイントでしょう。
まとめ
プレスリリースは同じ内容でも、書き方、伝え方、見せ方で結果は大きく異なってきます。
今回、校正担当がお客様とやり取りさせていただきながら最終稿にたどり着き「テレビや新聞の取材も多く受け、メディアの掲載は100件を超える」という大きな結果に繋がりました。
「プレスリリースの書き方が分からない」「プレスリリースを配信してもなかなかメディアに掲載されない」など、プレスリリースについてお悩みのある方はご相談ください。
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